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「頼まれると断れないのに、頼まれた瞬間ちょっと嫌になる」

「これ、お願いしてもいい?」

そう聞かれた時には、

もう、

「大丈夫です」

と答えていました。

できない内容ではありません。

相手に困ってほしいわけでもありません。

それなのに、

返事をした直後、

頭の中にあった予定が、

一度すべて並び直しました。

帰ってからやろうと思っていたこと。

早めに終わらせたかった用事。

何もしないつもりで空けていた時間。

引き受けたことより、

そこへ新しい予定が入った瞬間だけ、

少し気持ちが重くなりました。


空気説明


頼まれる前まで、

その時間には何も入っていなかったのかもしれません。

予定表を見ても、

空欄だったかもしれません。

それでも、

自分の中では使い方が決まっていました。

今日は早く帰る。

途中で買い物をする。

家では何もしない。

そんな小さな予定も、

頼まれた瞬間には一度横へ置かれます。

できるかどうかを考えるより先に、

相手が困らない方を選び、

返事をしたあとで、

自分の時間が減ったことに気づきます。

断りたいほどではありません。

引き受けたことを後悔しているわけでもありません。

ただ、

自分で決めていた一日の形が、

急に他の人の言葉で変わったことへ、

気持ちだけが少し遅れてついてきます。

温度差観測


頼む側から見れば、

一つのお願いです。

できそうな人へ尋ね、

「大丈夫です」と返ってきた。

その場では、

それで話が終わります。

頼まれた側も、

引き受けるつもりで返事をしています。

終われば、

役に立てたことをうれしく感じる日もあります。

それでも、

二人の間には見えない時間があります。

頼む側が受け取ったのは、

短い承諾の言葉。

頼まれた側で起きていたのは、

その日の順番を組み替える作業でした。

後回しにするものを決める。

帰る時間を変える。

休むつもりだった時間を使う。

頼んだ側に悪気はなく、

引き受けた側にも怒りはありません。

ただ、

同じ「大丈夫です」の前後で、

動いたものの数が違います。

しばらくすると、

頼まれた側も新しい予定に慣れていきます。

作業を終え、

「助かりました」と言われれば、

引き受けてよかったと思うこともあります。

だからこそ、

最初に浮かんだ小さな嫌さだけが、

自分でも扱いにくくなります。

頼られるのは嫌ではない。

それでも、

自分だけで使えるはずだった時間がなくなる瞬間には、

少し惜しい気持ちが残る。

二つは、

同時にあっても不思議ではなかったのかもしれません。

ここまで読んで、
少し思い当たることはありましたか。
ここで少し整理してみます。

ちょっとあるある


・考える前に「大丈夫です」と答えている。

・返事をしたあとで、自分の予定を確認する。

・引き受けた直後だけ、少し無口になる。

・終わってしまえば、それほど気にしていない。

・次も頼られると、また同じ順番で引き受ける。

空気診断

今の自分に近いものがあれば、
一つだけ心に置いてみてください。

【タイプA】

頼まれた時には、

できるかどうかだけを先に考えています。

【タイプB】

引き受けることは嫌ではありません。

ただ、

予定が急に変わることへ少し抵抗があります。

【タイプC】

相手が困らない方を選んだあとで、

自分の予定を調整しています。

【タイプD】

作業が終われば納得できます。

気持ちが沈むのは、引き受けた直後だけです。

【タイプE】

嫌だったのは頼まれごとではなく、

自分で決めていた時間が急に動いたことなのかもしれません。

こんな返し方もあります

正解ではありません。
今の距離感に近いものがあれば、一つだけ持ち帰ってください。

① やわらかめ

「一度予定を確認してから返事してもいいですか?」

断るとは決めずに、

考える時間を自然に残せます。

② 少し自然に

「できそうですが、少しだけ確認させてください」

引き受ける気持ちと、

即答できない事情を一緒に伝えられます。

③ 仲が良い相手向け

「たぶん大丈夫。ちょっと予定だけ見させて」

親しい相手なら、

構えずに返事を待ってもらいやすい言い方です。

④ 空気をやわらげる

「今日中なら難しいですが、明日でも大丈夫ですか?」

断るか引き受けるかだけではなく、

できる条件を伝えられます。

⑤ 少し違う見方

「今すぐ大丈夫と言いそうなので、少し考えてから返しますね」

反射的に引き受けやすいことを、

重くせずそのまま伝えられます。

こんな返しは少し気をつけたい

同じ言葉でも、
相手によって受け止め方は少し変わります。

① 強く聞こえやすい

「無理です」

はっきり伝わる一方で、

内容を確認する前から拒まれたように聞こえることがあります。

② 誤解されやすい

「全然余裕です」

安心させる言葉ですが、

あとから条件を伝えにくくなる場合があります。

③ 相手を急がせやすい

「いつまでに必要ですか? 今すぐですか?」

確認は必要でも、

続けて聞くと相手を慌てさせることがあります。

④ 理由を求め過ぎやすい

「どうして私に頼んだんですか?」

事情を知りたい言葉でも、

頼んだこと自体を責められたように伝わる場合があります。

⑤ 距離感によって変わりやすい

「返事は大丈夫ですが、気持ちはまだ追いついてません😂」

親しい相手なら笑える言葉です。

関係によっては、

頼んだことを申し訳なく感じさせることがあります。

最後に、少しだけ


引き受けたあとに残る重さは、

相手への不満とは限りません。

自分だけで使うつもりだった時間が、

静かに惜しくなっただけの日もあります。

頼られたうれしさと、

予定を守りたかった気持ち。

どちらか一つに決めなくても、

同じ返事の中に残ることがあります。

この話が少し気になった方へ。
やわらか返信室では、
現在は主に4つの企画を書いています。


📮少し昔の相談員が現代の悩みに答える話


📰編集部がどうでもいいことを真面目に考える雑誌


🌙生活の途中で思い出す、景色や気持ちの話


📖人間関係の小さい温度差を観察する話


もし今回の記事が少し気になったら、

他の企画や自己紹介ものぞいてみてください。

どこかで、自分だけだと思っていたことに出会えるかもしれません。

最後にひとつだけ


嫌だったのはお願いではなく、

自分の一日が、自分の知らないところで動いた瞬間でした。


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