「やさしい人ほど、会話を終わらせるのが少し静か」
夜、
友人と電話をしていました。
話はまだ、
少し続きそうでした。
けれど、
時計を見ると、
思っていたより遅い時間でした。
相手は少し間を置いて、
「今日はありがとう」
と言いました。
そのあと、
「明日も早いでしょ。ゆっくり休んでね」
と続けました。
電話は、
そこで終わりました。
もう少し話したかった気持ちは残りました。
それでも、
急に切られたような感じはしませんでした。
空気説明
会話が終わる時、
どちらが先に切り出すのか、
少し迷うことがあります。
まだ話したいようにも見える。
でも、
そろそろ終えた方がよい気もする。
沈黙が少し長くなると、
こちらから、
「じゃあ、そろそろ」
と言った方がよいのか考えます。
そんな時、
相手が先に、
「今日は話せてよかった」
と伝えてくれることがあります。
終わることだけを告げるのではなく、
その日の会話を一度受け取ってから閉じる。
だから、
話が終わっても、
途中で置いていかれた感じが残りません。
最後の一言が、
会話の出口まで一緒に歩いてくれているように感じることがあります。
温度差観測
話している側は、
会話が終わることを、
少し寂しく感じています。
まだ聞いてほしいことがある。
もう一つだけ話したい。
次の話題へ進めば、
もう少し続けられる。
そんな気持ちが、
どこかに残っています。
一方で、
終わりを切り出す側は、
早く切りたいわけではない場合もあります。
時間が遅いこと。
相手が疲れていそうなこと。
このまま続けると、
どちらも終わるきっかけを失いそうなこと。
そうした空気を見ながら、
少し先に出口を作っています。
こちらは、
会話が終わる瞬間を見ています。
相手は、
終わったあとのこちらまで見ている。
だから、
「もう終わりにしよう」
ではなく、
「今日はありがとう」
「また続き聞かせてね」
という言葉になります。
会話を閉じながら、
関係は閉じない。
その違いが、
最後の一言に残ることがあります。
数日後、
また同じ相手と話した時、
前回の続きから自然に始まります。
あの時、
終わらせられたのではなく、
次に戻れる場所を残してもらっていた。
あとになって、
そんな見え方へ変わることがあります。
ここまで読んで、
少し思い当たることはありましたか。
ここで少し整理してみます。
ちょっとあるある
・終わる前に、「今日はありがとう」と言ってくれる。
・こちらが切り出さなくても、自然に区切りがつく。
・少し寂しくても、嫌な感じは残らない。
・最後に、次へつながる一言が添えられている。
・後日、前の会話の続きから普通に始まる。
空気診断
今の自分に近いものがあれば、
一つだけ心に置いてみてください。
【タイプA】
会話が終わると、
少し取り残されたように感じることがあります。
【タイプB】
最後に一言あるだけで、
その日の会話をきちんと受け取ってもらえた気がします。
【タイプC】
まだ話したい気持ちがあっても、
相手のやわらかい終わらせ方なら自然に受け入れられます。
【タイプD】
自分から終わりを切り出せず、
相手に長く付き合わせてしまうことがあります。
【タイプE】
会話を終える言葉の中にも、
次に戻れる場所が残ることがあると感じています。
こんな返し方もあります
正解ではありません。
今の距離感に近いものがあれば、一つだけ持ち帰ってください。
① やわらかめ
「今日はありがとう。話せてよかったです😊」
会話を終えることより、
その時間を受け取ったことを先に伝える言い方です。
相手も、途中で切られたように感じにくくなります。
② 少し自然に
「今日はこの辺にして、また続きを話そう」
終わりを伝えながら、
話そのものは終わっていないと残せる返し方です。
次の会話へ自然につながります。
③ 仲が良い相手向け
「まだ話せそうだけど、今日はここで解散しようか😊」
親しい相手なら、
少し名残があることも含めて伝えられます。
一方だけが終わらせた空気になりにくい言い方です。
④ 空気をやわらげる
「明日もあるし、今日はゆっくり休もうね」
会話を続けない理由を、
相手への気遣いとして伝える言葉です。
急に切る印象を残しにくくなります。
⑤ 少し違う見方
「続きは次に取っておこう😊」
終わりではなく、
次へ残しておくものとして伝える返し方です。
話せなかったことも、途中で失われたように感じにくくなります。
こんな返しは少し気をつけたい
同じ言葉でも、
相手によって受け止め方は少し変わります。
① 強く聞こえやすい
「もう切るね」
分かりやすい言葉です。
ただ、
相手によっては、
会話だけでなく気持ちまで急に切られたように感じることがあります。
② 誤解されやすい
「話が長くなったね」
時間を気にした言葉でも、
相手には、
話が長過ぎたと指摘されたように聞こえる場合があります。
③ 相手を急がせやすい
「最後に何かある?」
確認のつもりでも、
相手は残りの話をすぐ整理するよう求められたと感じることがあります。
④ 理由を求め過ぎやすい
「まだ話したそうだけど、何かあるの?」
気持ちを知ろうとする言葉です。
ただ、
本人にも何を話したいのかまとまっていない時は、
説明する役目を渡してしまいます。
⑤ 距離感によって変わりやすい
「今日はこの辺で勘弁して😂」
仲の良い相手なら、
冗談として終われることがあります。
相手が話を聞いてもらいたかった時には、
会話を負担に感じていたように伝わる場合があります。
最後に、少しだけ
会話の終わりには、
話せなかった言葉が残ることがあります。
もう少しだけ。
あと一つだけ。
そんな気持ちを持ったまま、
電話を切る夜もあります。
それでも、
最後に渡された一言があると、
残った言葉まで拒まれたようには感じません。
終わり方の中に、
次に戻れる場所が残っていることがあります。
この話が少し気になった方へ。
やわらか返信室では、
現在は主に4つの企画を書いています。
📮少し昔の相談員が現代の悩みに答える話
📰編集部がどうでもいいことを真面目に考える雑誌
🌙生活の途中で思い出す、景色や気持ちの話
📖人間関係の小さい温度差を観察する話
もし今回の記事が少し気になったら、
他の企画や自己紹介ものぞいてみてください。
どこかで、自分だけだと思っていたことに出会えるかもしれません。
最後にひとつだけ
会話を閉じたあとも、
こちらの気持ちだけは、外に置かれていませんでした。
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