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「相手は忘れているのに、自分だけ覚えている会話がある」

「そんなこと言ったっけ?」

久しぶりに会った相手は、

少し笑いながら答えました。

こちらも、

「たぶん、ずいぶん前だから」

と笑いました。

驚くほどの話ではありません。

覚えていてほしいと、

思っていたわけでもありません。

それでも、

その一言を聞いた瞬間、

昔の会話が、

自分の中にだけ残っていたことが分かりました。

相手には、

その日の何気ない一言。

こちらには、

何度か思い出してきた言葉でした。


空気説明


覚えていた会話は、

特別なものではありません。

長い相談でも、

大切な約束でもありませんでした。

帰り際に、

少し立ち止まって話したこと。

こちらが何気なくこぼした言葉へ、

相手が短く返してくれたこと。

その時は、

深く考えていなかったはずです。

けれど、

別の日に似た出来事があると、

なぜかその言葉が戻ってきました。

うれしかった時。

少し迷った時。

同じようなことで落ち込んだ時。

思い出そうとしたわけではなくても、

昔の声だけが、

今の出来事へ重なることがあります。

相手との会話は終わっているのに、

言葉だけが、

別の時間でもう一度使われていました。

温度差観測


話した側にとっては、

その日の会話の一部だったのかもしれません。

深く考えて選んだ言葉ではない。

あとで思い返すこともない。

会話が終われば、

そのまま次の日へ進んでいた。

一方で、

受け取った側には、

その一言が残りました。

言葉が特別だったからとは限りません。

その日の自分に、

ちょうど触れる場所があった。

ほかの誰かに言われていたら、

ここまで覚えていなかった可能性もあります。

同じ会話でも、

一方はその場に置いていき、

もう一方は知らないうちに持ち帰っています。

数年後、

再び話題にした時、

相手が覚えていないことがあります。

その瞬間、

少し寂しく感じることもあります。

けれど、

覚えていないことは、

その時の言葉が軽かった証明ではありません。

相手はその場で渡し、

こちらは受け取ったあとも、

何度か別の時間で開いていた。

会話が残った長さは、

二人の中で同じではありませんでした。

そして、

何年も覚えていたのは、

相手の言葉そのものより、

あの時の自分が、

その一言を必要としていたからだったのかもしれません。

ここまで読んで、
少し思い当たることはありましたか。
ここで少し整理してみます。

ちょっとあるある


・相手は覚えていない前提で話している。

・こちらは言葉だけでなく、場所や声まで覚えている。

・もっと重要な会話は忘れている。

・何年かたってから、急に意味が分かることがある。

・覚えている理由を、自分でも説明できない。

空気診断

今の自分に近いものがあれば、
一つだけ心に置いてみてください。

【タイプA】

言われた言葉を、

一文に近い形で覚えています。

【タイプB】

言葉より、

その場の空気や相手の表情が残っています。

【タイプC】

当時は何も感じなかったのに、

あとから何度も思い出すようになりました。

【タイプD】

相手が忘れていても、

責めたい気持ちはありません。

【タイプE】

覚えていたのは会話ではなく、

その言葉を受け取った時の自分だったのかもしれません。

こんな返し方もあります

正解ではありません。
今の距離感に近いものがあれば、一つだけ持ち帰ってください。

① やわらかめ

「たぶん覚えてないと思うけど、昔言ってくれた言葉を今でも時々思い出します」

相手へ記憶を求めず、

自分に残っていることだけを伝えられます。

② 少し自然に

「あの時の一言、意外とずっと覚えてるんですよね」

重くし過ぎず、

自然に昔の話へ入れる言い方です。

③ 仲が良い相手向け

「たぶん本人より、こっちの方が覚えてるよね😂」

親しい相手なら、

記憶の違いも笑いながら話せます。

④ 空気をやわらげる

「覚えてなくても大丈夫。自分には結構残ってました😊」

相手へ申し訳なさや責任を渡さずに済みます。

⑤ 少し違う見方

「あの言葉、あとになって何度か助けられてました」

覚えていた期間より、

その後どう残ったかを伝えられます。

こんな返しは少し気をつけたい

同じ言葉でも、
相手によって受け止め方は少し変わります。

① 強く聞こえやすい

「覚えてないの?」

驚いた気持ちから出る言葉でも、

相手には責められたように聞こえることがあります。

② 誤解されやすい

「自分はずっと覚えてたのに」

温度差を伝えたつもりでも、

記憶の重さを比べられたように届く場合があります。

③ 相手を急がせやすい

「何を言ったか思い出してみて」

軽いお願いでも、

相手へその場で答えを求める形になります。

④ 理由を求め過ぎやすい

「あの時、どういうつもりで言ったの?」

何年も前の言葉には、

本人にも説明できる理由が残っていないことがあります。

⑤ 距離感によって変わりやすい

「まだ覚えてるって、ちょっと怖い?😂」

親しい相手なら笑える言葉です。

距離によっては、記憶の重さを意識させてしまいます。

最後に、少しだけ


相手が忘れていた会話を、

こちらは何度も思い出していました。

同じ一言でも、

使われた回数は、

二人の中で違っていたのかもしれません。

相手は一度だけ言った。

こちらは、

別の日にも、

別の場所にも、

その言葉を持っていった。

この話が少し気になった方へ。
やわらか返信室では、
現在は主に4つの企画を書いています。


📮少し昔の相談員が現代の悩みに答える話


📰編集部がどうでもいいことを真面目に考える雑誌


🌙生活の途中で思い出す、景色や気持ちの話


📖人間関係の小さい温度差を観察する話


もし今回の記事が少し気になったら、

他の企画や自己紹介ものぞいてみてください。

どこかで、自分だけだと思っていたことに出会えるかもしれません。

最後にひとつだけ


残っていたのは会話ではなく、

その言葉を、何度も必要とした自分でした。

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