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薬局で、もっと聞いていい|薬剤師は責めるために聞いているのではありません

薬局の窓口で聞きたいことがあったのに、聞けずに帰ったことはありませんか?

後ろに人が並んでいる。
薬剤師が忙しそうにしている。
「こんな小さなこと、聞いていいのかな?」とためらう。

そうしているうちに、薬を受け取って、そのまま帰ってしまう。

その気持ち、よく分かります。
薬剤師である私自身にも覚えがあるからです。

子どもの薬を自分の勤め先ではない薬局で受け取ったときのこと。粉薬の味について、聞きたいことがありました。でも、総合病院の前にある薬局のいちばん混み合う時間帯。とても質問できる雰囲気ではなくて、結局その場では聞けず自分で調べることにしました。

薬剤師でも、忙しそうな窓口の前では聞きそびれる。あのとき、質問しづらい患者さんの気持ちが内側からよく分かりました。

でも、薬局は薬を受け取るだけの場所ではありません。

もっと聞いて、大丈夫です。

薬局は「薬と暮らしをつなぐ」場所

薬剤師の仕事は薬を渡して説明して終わり、ではありません。

その薬をあなたが実際に飲み続けられるか。
生活の中で無理なく続けられるか。
そこまで含めて考えるのが、私たちの仕事です。

「先生が出してくれた薬に文句を言うようで気が引ける」──そう感じる方もいます。

でも、相談は文句ではありません。
薬剤師だけで処方を変えることはできませんが、あなたの困りごとを医師に伝えて確認したり、別の選択肢を提案したりすることはできます。

あなたの困りごとを整理して、必要なら医師へつなぐ。それも薬剤師の仕事です。

「飲めない」のは、意志が弱いからじゃない

処方どおりに飲めていないと聞くと、自分を責めてしまう方がいます。でも、飲めない理由の多くは意志の弱さではなく、薬と生活が噛み合っていないことにあります。

①日中の強い眠気をずっと我慢していた方
「薬で眠くなるのは仕方ない」と諦めていたそうです。こちらから眠気のことを尋ねて、はじめて分かりました。別の選択肢もあるとお伝えすると、とても驚いていました。

②朝の薬は飲めるけど、昼と夕は飲めない方
仕事や外出で、どうしても難しい。服用回数を減らせないか医師に相談し、一包化もすることで、ずいぶん楽になったと言ってもらえました。

③一人では薬の管理が難しくなって、飲んだかどうか分からなくなる方
そういうときも、一包化や日付の印字、ご家族やケアマネジャーとの連携など、できることはいくつもあります。

困っている中身さえ分かれば、打てる手はあるのです。

こんなことも、薬局で相談して大丈夫

たとえば、次のようなことも遠慮なく話してください。

・薬を飲み忘れたとき、どうすればいいか
・家に薬が余っている
・複数の病院から薬が出ていて、飲み合わせが心配(お薬手帳があると確認しやすくなります)
・薬の保管方法など、細かく気になること
・この薬を続けることに、なんとなく不安がある

どれも、聞かれて迷惑な質問ではありません。

隠さなくて大丈夫です。
話してくれたほうが、助かります

一方で、困りごとを一人で抱えたことが、危うい自己判断につながっている場合もあります。

大きな錠剤が飲み込みにくくて、自分で半分に割って飲んでいた方がいました。実はその薬は、割ってはいけないタイプのものでした。正直、ヒヤッとしました。すぐに医師に伝えて、飲みやすい形に変えてもらいました。

薬代の負担も、我慢されやすい相談のひとつです。費用が気になって、自己判断で量を減らしてしまう。

その前に、どうか話してください。
薬によっては、後発医薬品への変更や処方内容の見直しを医師に相談できることがあります。すべての薬で対応できるわけではありませんが、費用が負担になっていることも、治療を続けるうえで大切な情報です。

「処方薬が効かない」と言うのが申し訳なくて、市販薬の併用を続けていた方もいました。効かないと感じることは、申し訳ないことではありません。

それも大事な情報です。

処方どおりに飲めていません、と打ち明けるのは勇気がいると思います。

でも、それを責めるために聞いているのではありません。続けられる方法を、一緒に考えるために聞いています。

飲めない理由を隠されるより、話してもらえたほうが私たちは次の一手を出せます。

正直に話してもらえると、信用してもらえたようで、私はうれしいのです。

何と言えばいいか分からないときは

とはいえ、いざ窓口に立つと、何と切り出せばいいか分からない。そういうときは、こんな一言で大丈夫です。

・「薬のことで困っていることがあるので、少し相談してもいいですか」
・「処方どおりに飲めずに困っています」
・「薬を飲み始めて気になることがあります」
・「病院では先生に聞きそびれたことがあります」
・「薬の管理が難しくて困っています」

うまく説明できなくて構いません。
「困っている」という一言さえもらえれば、そこから一緒にほどいていけます。

すぐに確認したいことは、その場で遠慮なく声をかけてください。急ぎでなければ、混雑が落ち着いた時間に薬局へ電話して相談する方法もあります。

窓口でうまく聞けなかったからといって、そのまま諦めなくて大丈夫です。

おわりに

薬が飲めないという相談は、じつは体調そのものの相談でもあります。

忙しいと、市販薬を使いながら様子を見ることもあると思います。市販薬で対応できる症状もありますが症状が続く、繰り返す、悪化するときは自己判断を続けず医療機関へ相談してください。

そして最後に、もう一つ。
薬局では、薬そのもの以外の困りごとを話してもらっても大丈夫です。生活のことも、体調の心配も。その不調に、実は薬が影響していることもあるからです。

次に薬局へ行ったとき、聞きたいことが一つでもあれば、どうか、そのまま口に出してみてください。私たちは、それを待っています。

※記事内の事例は、個人が特定されないよう内容の一部を変更しています。


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・聞く側にも変化がありました。復職してから、私自身が「もう一歩踏み込んで聞く」ようになった話です。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

真紀|薬剤師ライター
現役薬剤師/2児の母(3歳・2歳)/時短ワーママ
医療・育児・働き方・お金について、自身の経験をもとに書いています。
執筆のご依頼は、noteのメッセージ、またはX(@maki_pharmacist)のDMからお気軽にどうぞ。

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