私がセミリタイアに失敗した理由。〜セミリタイアに必要なのは、お金だけじゃなかった。〜|リタイアと仕事の話①|私自身の部屋
「セミリタイアって、いくらあればできると思いますか?」
1億円? 3億円?
でも、その問いの前に、もう一つ聞かないといけないことがあります。
あなたは、どんな生活をしたいですか?
月10万円で暮らせる人と、月50万円かかる人では、必要な額がまるで違う。
日本に住むのか、東南アジアに住むのか、ヨーロッパに移るのかでも変わる。
子どもを持つのか、持たないのか。
パートナーは働くのか、働かないのか。
つまり、「いくら必要か」は、
自分がどんな人生を設計するかを先に決めないと、出てこない数字なんです。
【お金の設計や運用の話にご関心がある方は、こちらから⬇️】
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その設計が決まったら、次に考えるのが仕組みです。
大事なのは、いくら「持っているか」じゃなく、
毎月いくら「入ってくる仕組み」を作るか。
1億持っていて月5万円しか入らない人より、
2,000万円でも毎月50万円入る仕組みがある人の方が、
理想のリタイアには近い。
その人生設計を決めて、仕組みを作って、
私は36歳で一度セミリタイアしました。
でも、結論からいくと、しっかりと失敗しました。
お金の準備は、していた。でも、そもそも。
正確に言うと、リタイアそのものに失敗したわけではありません。
生活費や将来の積立投資予算は、運用益でカバーできる仕組みができていた。
好きな時間に、好きな場所で、好きな仕事だけを選べる状態は、作れていた。
ここで一つ、前提を話しておきたいことがあります。
私が目指したのは「完全リタイア」ではなく「セミリタイア」でした。
働くことをやめたかったわけじゃない。
時間・場所・お金に縛られずに、自分で選んだことをやり続けられる状態が欲しかった。
労働収入に頼っていると、いつまでも「労働単価×時間」の図の中にいることになる。
それが嫌だったんです。
仕事が見つからないと好きな国に移住できない。
毎月、会社からもらう給与がなくなると生活できないから、
やりたくない仕事もしないといけない。
そして、何より。
どんなに頑張っても手に入らない「今という時間」という大切な資産を、
もっと自分らしく設計できる自由が欲しかった。
だから、生活のベースと将来への積み立ては投資・運用益で回す土台を作りつつ、
受ける仕事は「学べること」「専門性との一致」「時間や場所の拘束範囲」を自分で選べる状態。
これが私の「セミリタイア」の定義でした。
仕事を受けていない状態でも、十分セミリタイア。
何社か受けていても、生き方や日々の選択が仕事やお金に制限されないなら、
私の感覚では、それも同じくセミリタイアだと思っています。
それでも2年経たないうちに、仕事を一気に増やすことになりました。
「なぜうまくいかなかったのか」を整理したら、5つの理由が出てきました。
その正体は、お金以外のところにありました。
失敗の理由① 子どもの費用に、天井がなかった。
子どもができて、初めてわかったことがありました。
リタイアを決めた頃、私はまだ独身でした。
その後、フランス人の夫と出会い、結婚し、ベトナムで子どもを産みました。
国際結婚×海外育児の教育費というのは、
相手の子育ての希望も考慮しないといけないわけだから、
事前に計算しきれるものではありませんでした。
日本の公立なら小学校から高校まで15年で約600万円。
でも、海外の日本人学校なら年間100万円近くかかる。しかも私たちが住んでいるベトナムには日本人学校は中学校までしかない。
仏系インターなら年間80〜150万円(国籍によって変わります)。
英系インターになるとベトナムに住んでいても年間200〜700万円台。
「子どもに選択肢を残したい」と思えば思うほど、
天井が見えなくなっていきました。
そこに一時帰国の頻度、海外医療保険、ビザの手続き、予防接種の実費費用、ナニーさんはどうするか。
1人だけでは決められない予算が、思った以上に多かったんです。
※教育費の詳しい比較は、別記事で書いています。
失敗の理由② 夫は、サラリーマンだった。
これは、誰かのせいではありません。
ただ、想定が甘かったのです。
私に時間があっても、サラリーマンの夫は、当たり前のことなんですが、今も毎日働いています。
我が家の家計は基本的に折半。
自分の分だけリタイアしても、
夫がやりたいことを何も我慢せず、
その上で家族としての選択肢を広げたものを一人でサポートする余裕も自信も、今の私にはない。
さらに子どもが生まれてから、夫婦で将来の移住の可能性を話し合う中で、
今までとは違う不動産投資の考え方を持つようになりました。
そうなると、現金比率や安定的な収入の強化も考えないといけない。
「自分がリタイアしたら、なんでも自由になる」という前提が、
半分だけ正しかった、という話です。
失敗の理由③ 友人関係が、静かに変わっていった。
平日の昼間に時間があっても、友人たちは仕事をしています。
週末に会えば、仕事や上司の話が中心になる。
以前は自分も同じ立場だったから、一緒にいられた。
でも、生活の軸が変わると、聞くのがしんどくなってきました。
特にそれがネガティブな話となると、なんで好きじゃないことを続けているんだろう・・・と思ってしまう。
悪意はない。価値観が変わっただけ。
でも、じわじわと、自分でも気づかないうちに、会う回数が減っていきました。
そして、現実問題として。
明日から2週間、一緒に海外旅行に行こうよ!と言っても、
「事前申請がいるし、有給がもうないんだ……」という感じになってしまう。
リタイアしたら自由になれると思っていたのに、
一緒に楽しめる人がいないという、皮肉な現実がありました。
失敗の理由④ 「本物のリタイア層」とのスケールが、違いすぎた。
そんなこともあって、セミリタイア後、気がついたら付き合う人が変わりました。
不動産ディベロッパー一家、ビットコインで財を成した友人、資産を複数国に持つ人たち。
お金の投資という意味では、いろんなことを勉強させてもらいました。
「2億で5拠点をスワップできるリゾートシェアの説明会に、一緒にいこうよ!」と誘われたこともあります。
今年の夏もフランス滞在中、イギリスに住む友人から
「ロンドンでテニスの大会があるから、明日おいでよ!その後、ポルトガルに海鮮を食べに行こう!」
とメッセージが来たこともありました。
ナニーさんを世界中どこにでも連れていく彼らとは、
子育ての状況も、そもそものスタンダードも、全然違う世界でした。
笑って流しながら、内心では
「むしろ、これでよかったのだろうか」と今の自分の状態に不安になることの方が多かった。
失敗の理由⑤ 「社会から必要とされていない」気がした。
これが、一番大きかったかもしれません。
リタイア後、第一子の出産と結婚が重なりました。
妻として、母として、まったくの新米になった。
ずっと仕事で自尊心を保ってきた私が、
何もできない自分と、毎日向き合うことになりました。
リタイアした直後は、毎日マッサージに行って、ヨガに行って、
友人とカフェでのんびりして、
夫や友人が休みの時は一緒に旅行に行って。
そんな生活も、数ヶ月で飽きてしまいました。
みんなが一生懸命何かに向かって頑張っているのに、
自分だけが取り残されているような感覚になっていきました。
別に先生になりたかったわけじゃないのに、
ヨガのインストラクターの勉強を始めたり。
再就職の予定があったわけじゃないのに、
産後に米国MBAを取得したり。
今思えば、それは全部、自分への自信のなさの表れだったんだと思います。
社会の中で一人だけ「Useless -役立たず」という焦りが、
私をいろんな方向に走らせていたんです。
お金の仕組みは、今も動いている。
「セミリタイアに失敗した」と言うと、
お金が尽きたと思われることが多いのですが、実はそうじゃありません。
運用の仕組みは、今も機能しています。
仕事を始めたと言っても、ダナンにいる間はいつでも辞めてもいいくらいの余裕はある。
でも、「仕組みさえ作れば、あとは自由だ」という前提が、甘かった。
仕組みの外側に、お金では解決しない5つの問題が待っていました。
お金は道具です。
でも、道具を手に入れたからといって、
使い方と、使う目的と、一緒に使う人がいなければ、
思っていた未来には辿り着けなかった。
それが、私のセミリタイアで学んだ、一番大きなことでした。
次回は、そもそもなぜ私が36歳でのリタイアを目指したのか。
20代の私が、何に火をつけられたのかを、書きます。
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※このシリーズに出てくるお金の話は、
私自身の経験と考え方をもとにした記録です。
投資・資産運用には必ずリスクが伴います。
特定の金融商品の購入や投資行動を推奨するものではありません。
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