今日は夫の【10年先を、話せる人になったこと】に恋をした。― 湖の上で、3年分の痛みが消えた日。― |2026.07.18
はじめに
このエッセイは、
国際結婚と、海外生活と、マルチリンガル育児の中で、
私が日々つまずきながら、
「わたしらしく生きる」ための実験の記録です。
「毎日、夫に恋する生活を。」
2026年の元旦に、そう決めて、
「今日の夫の好きなところ」を、
一つだけ、言葉にしています。
それだけで、同じ一日が、
少し違って見えることがあります。
完璧な妻でも、理想的な母でもありません。
それでも、結婚と子育てを通して、
女性として、妻として、母として、人として、
成長していきたいなと。
今日もこの記録が、
誰かの生活の中の、
小さな呼吸になりますように。
湖に、私たちしかいなかった
7月18日、土曜日。
朝の湖には、
まだ、私たちしかいませんでした。
水は、鏡みたいに静かで、
遠くのキャンプから、
かすかに煙が上がっている。
マミーが、
午前中、息子を預かってくれたおかげで、
私たちは久しぶりに、
二人きりになりました。
車で30分ほどの、
観光地でもない、小さな湖。
そこで、カヤックに乗りました。
たっぷり、2時間半。
広い水の上に、
浮かんでいるのは、私たちだけ。
2時間半、ただ話した
この2時間半で、
私たちは、
ずっと話せていなかったことを話しました。
5年後、どんな家族でいたいか。
10年後、どうしていたいか。
それぞれの目標。
やってみたいこと。
これまで、
なかなか言葉にできなかったこと。
7月に入ってから、
私たちはずっと、
目の前の問題や、タスクや、
日々のことに追われていました。
喧嘩の後始末。
段取り。
次にやらなきゃいけないこと。
「今」の話ばかりで、
「これから」の話を、
まったくできていなかった。
でもこの日は、
湖の上で、
ゆっくりと、
未来の話ができました。
感謝も、
伝えられていなかった愛情も、
計画も。
漕ぐ手を止めて、
水の上に浮かんだまま。
夫は、未来が苦手な人だった
これは、
けっこう大きなことでした。
結婚した当初、
夫は、
「今を生きる力」がものすごくある分、
将来を計画するのが、
とても苦手な人でした。
どんなに遠い未来でも、
見えるのは1年先まで。
それより先を話そうとすると、
そわそわしてしまう人だった。
その人が、
夫婦になって、
子どもができて、
たくさんぶつかって、
彼自身も変わり続けて。
今、
5年後、10年後を、
一緒に話せるようになっている。
私のほうも、
自分に自信がない分、
夫にすら話せないトピックが、
たくさんありました。
キャリアのこと。
お金のこと。
自分のコンプレックス。
これから挑戦したいけれど、
自信がなくて、
やりたいとすら言えなかったこと。
それを、
2時間半かけて、
全部話せました。
それでも、この人がいい
夫と一緒にいると、
喧嘩することも、
言い合うことも、たくさんあります。
この7月なんて、
その連続でした。
でも、湖の上で思ったのは、
それでもやっぱり、
この人と一緒にいたい、
ということでした。
この人と、家族でありたい。
そして、
その気持ちが、
向こう側からも同じなんだ、と、
しっかり確信できた時間でした。
喧嘩は、するんです。
でも、
一緒にいたい理由のほうが、
ずっと大きい。
それを、
言葉じゃなくて、
一緒に湖に浮かびながら、
体で確かめられた気がします。
午後は、80歳と歩く
午後は、
マミーを連れて、
ハイキングに行きました。
マミーは、
もうすぐ80歳が近いのに、
趣味がハイキングです。
クラブに入って、
けっこう難しいコースも歩く人。
この日も、
2〜3時間の散歩、と聞いていました。
正直、
最近の私は体力も落ちていたので、
3時間も歩けるかな、
と思っていたんです。
しかも、着いてみたら、
かなりの急な坂道でした。
でも、
マミーのほうが、
さっさと前を歩いて、
道を調べてくれる。
もうすぐ80歳の人が、です。
私は、
わりと遅くに結婚しました。
だから、
相手の親が、
こんなに元気でいてくれることが、
どれだけ心強いか。
一緒にアクティビティができる。
孫の面倒を見てくれる。
それが、
当たり前じゃないことを、
知っています。
自然の中を4人で歩いていると、
初日に喧嘩したことも、
もう笑い話にできる雰囲気になっていました。
痛みが、消えていた
そして、この日、
信じられないことが起きました。
私は、
この3年間、
首の激痛にずっと悩まされてきました。
腰も、肩も、
そのせいで右半身が、
ずっとしびれていた。
何かがずっと引っ掛かってる違和感もあって。
7月7日に、
夫が予約してくれたポドローグの記事で、
その痛みのことを書きました。
その痛みが、
この日、
急に消えていたんです。
もちろん完全にではないけれど、
激痛と引っ掛かりが急に取れたんです。
自然の中で、
体をたくさん動かして、
湖を漕いで、
坂道を歩いて。
気づいたら、
しびれも、なくなっていました。
これはたぶん、
筋肉とか骨とか、
そういう体の問題だけじゃなかった。
心の中に抱えていた何かが、
ほどけたんだと思います。
痛みが消えたのと同時に、
しびれもなくなって。
結婚する前、
妊娠する前、
リタイアする前の、
3年前の自分の体に、
すっと戻ったような感覚がありました。
あの朝、
湖の上で「10年先」を口にできたこと。
ずっと言えなかったことを、
やっと体の外に出せたこと。
それと同じ時間に、
3年しがみついていた痛みが、
体からも出ていったんだと思います。
抱えていたものを手放したら、
体まで、軽くなった。
もう、前を向いて歩いていける。
そんなミラクルを体験した日でした。
いちばん、好きな時間だったかもしれない
夜は、
アペロから夕食まで、
本当の意味で、
家族として、ゆったりと過ごしました。
これはたぶん、
夫がずっと、
再現したかった環境でした。
自然の中で、
家族4人で、
だらだらと過ごす時間。
正直に言うと、
子供が生まれてから、
いちばんカップルらしいことを
堪能できた日でもあります。
問題でも、タスクでもなく、
ただ、未来の話をできた日で。
もしかしたら、
いちばん好きな時間だったかもしれません。
今日の夫の好きなところ
【10年先を、話せる人になったこと】
湖の上で、
2時間半、カヤックを漕ぎながら、
ずっと話せていなかったことを話しました。
5年後、10年後、
どんな家族でいたいか。
結婚した当初、
夫は、
1年より先の未来が、
まったく描けない人でした。
その人が、
たくさんぶつかって、変わり続けて、
今、
10年後を一緒に話せるようになっている。
喧嘩は、するんです。
この7月なんて、その連続でした。
それでも、
一緒にいたい理由のほうが、
ずっと大きい。
それが、
向こうからも同じなんだと、
湖の上で確信できました。
その日、
3年間ずっと消えなかった痛みが、
嘘みたいに消えました。
未来を口にできた日に、
過去の痛みが出ていった。
たぶん、偶然じゃありません。
今日の夫の好きなところは、
【10年先を、話せる人になったこと】。
▼ 「予定に、私がいたこと」昨日の話はこちらに。
▼ その「3年間の痛み」の話は、こちらに。
▼ このシリーズを最初から読む。
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