それだけの夜― 週末の平穏と立回り
前回から水泳をし始めている。
他人に話すことではない。
夏季限定で、ただ緩くやっているからだ。
以前のように変に迷わずに直行する。
夏休みが始まり出したか、混み始めていた。
受付のチュートリアルを断り更衣室へ進み、夜の顔になる時まで泳ぐ。
水中は冷たいが、部屋自体は蒸し暑い。
汗だくにもならないし、割と脱水症状になる。
耳に水が入りやがった。全然抜けない。
着替えを済まし、喫煙所へ戻る。
前回の珍妙な出来事はなく、平穏さに一息つく。
そんなことを思ったのも束の間、やんちゃそうな三人衆がやってきた。
普段なら、産業道路や大通りで深夜に活気のある音を送る。
ズボンから単車か原チャのキーが覗かせていた。
見た目の割に大人しそうな彼らだが、セッタや金マルを吸っていた。
2本目を吸う気もないし、彼らに喫煙所を明け渡す。
温泉とサウナを堪能しても、耳の中に入った水が全然抜けない。
天然のノイズキャンセリングになって良いかと諦めながら帰路へ向かう。
ここまで晩御飯を取っていないため寄り道のハンバーガー屋を検索する。
バーガーキングは既に閉店時間となり、
マクドでモバイルオーダーを駅のホームで注文。
ふと、周りを見渡すと別の乗車口の列から見覚えのある人がいる。
『関連会社でシマの近くにいる年代が近い人(酔っ払い状態)』だ。
今日の服装や日頃の動きもなんとなく分かるが、名前も知らん。
まずはスルーする。
幸い、電車の車両がズレていたので乗車中は何も発生しなかった。
目的駅に到着し、マクドの持ち帰りの袋を携えて闊歩。
暗がりからその方がいた。千鳥足ながら勘付かれている。
酔いで性格変わって変に絡まれるのはごめんだ。
尾行するには、近すぎてバレてるし、追い越す気力も寄り道するのは微妙。
もっとも声掛けするほどお人よしでもないし、
両者ともに業務終了モードだ。
先に寮の玄関の暗証番号を入力している。
灯火のないタバコを咥えながら横切る。
寮の前の喫煙所で乱数調整する羽目になった。
夏場の持ち帰りのハンバーガーはまだ暖かく
「探偵ナイトスクープ」には間に合った。
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