知らない人の前でタイ語を話さない娘
自分が子どもだった頃の話を書いたあとで、娘との接し方に活かせることがないかと考えてみる。
何でかというと、最近の娘は知らないタイ人がいる場に行くと黙り込んでしまうので、悩んでいたのだ。
もうすぐ3歳になる娘は、今のところ日本語が一番得意だ。
インターナショナルスクールに通わせてはいるが、日々私と過ごす時間が長いこと、そして私が日本語の独り言を垂れ流し続けている影響なのだと思う。
日本語ほどではないがタイ語も理解している。
家では夫はじめ家族と、問題なくやり取りをしている。
けれど、ちょっと困っていることがある。
知らないタイ人がいる場に行くと、彼女は急に黙り込んでしまうのだ。家ではあんなにお喋りなのに。
家族のタイ語を理解し家では普通に話しているのだから、語彙だってそれなりに蓄積されているはずだ。 それでも外に出ると、一言も発さない。
私がタイ人の輪の中で皆とタイ語で話していても、娘は私とだけ日本語で会話をする。周りのタイ人に話しかけられても返事をしない。
「娘ちゃんはタイ語が分からないんだね」「タイ語は教えていないんだね」などと言われたりする。
どうしてなんだろう、としばらく悩んでいたがようやく昔の自分を思い出した。私もそうだったじゃないかと。
理解しているのに、話さなかったあの時間。
出せなかったというより、あえて出さなかったあの感覚。
娘も同じなのだろうか?
接し方の正解がよく分からない。
自分がタイ語を話さなかった時に嫌だったのはどんな大人だったかを思い返してみる──話してごらんと強要してくる人だ。
だから、今はやっぱり静かに見守るのがいいのかもしれない。
「こうやって答えればいいよ」と回答例を聞かせることもできそうだ。
けれどそれを実際に口に出すかどうかは、娘に任せたい。言わなかったとしても咎めないようにしよう。
模範解答は何かを、さらっと耳に入れてもらえたらそれでいい。
あの時の私だって、タイの実家に帰省した最初の数週間は黙りこくっていた。
タイ語を話し始めたきっかけは、同じくらいの年齢の子どもたちと遊んだことだった。
だからきっと娘も、いつか自分のタイミングで言葉を発するのだろう。
娘の言葉の発達のこととなると、つい不安になってしまう自分へのリマインドを込めて。
mari.
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