突然アイスランド語サバイバル 5日目─チーズケーキが飛び込んだ!
突然アイスランド語を学ぼうと思い立って5日目、月曜日(Mánudagur)。
4日目、日曜日(Sunnudagur)はこちら。
日付でいうと5月21日のことを、ひと月余り経った6月29日に書いている。アイスランド語を学ぶきっかけになった5月30日のイベント「アイスランドの映画と音楽の夕べ」から、明日で1か月。
一目惚れから落ち着く
熱しやすく冷めやすい性分なので、気に入ったお店に立て続けに行ったかと思うと、パタッと足が遠のいたりする。サイトやアプリでも同じことが起こる。出会った直後は時が経つのを忘れてのめり込み、その熱が冷めると、反動のように開かなくなる。
ガーデニング、読書、映画鑑賞、おやつの時間。あらゆるものでブームとその後を繰り返している。
語学においても、しかり。アイスランド語も例外ではなく、学ぼうと思い立った1日目がすでにピークだった。
2日目、3日目、4日目と日が経つにつれ、衝動の熱と勢いは減退していった。
一日中audibleでアイスランド語を流しっぱなしにしているものの、スポンジの吸水力は落ちていた。
一目惚れの興奮が落ち着き、一旦立ち止まって今後の二人のことを考える時期……のような状態。
早い話が足踏みしていた。中だるみとも言う。
今、チーズケーキって言った?
そんなわけで、なんとなく聴き流していたaudibleのアイスランド語。
英語でアイスランド語の旅行会話を学ぶ内容で、アイスランド語と対訳の英語で構成されている。
そのとき、「チーズケーキ」が耳に飛び込んだ。
正確には、カタカナで「オスタカーカ」と聞こえるアイスランド語が耳に届いた瞬間、「チーズケーキ」という意味が同時に入ってきた。
今、チーズケーキって言った?
飛び込むというか、飛び出す、飛び上がる感じ。考える前に意味が現れた。パッと電気がつくように。
オスタはチーズで、カーカはケーキ。
この二つの単語は何度か遭遇し、刷り込まれていた。「行ったり来たりで轍をつける」とアイスランド語サバイバル3日目noteに書いたが、「オスタカーカ」が聞こえたとき、別々に覚えていたオスタとカーカが合わさり、「チーズケーキ!」と変換されたのは、これまでの行ったり来たり(紆余曲折)でチーズとケーキの轍ができていたということだ。
この瞬間を待っていたかのように別々に控えていたアイスランド語のチーズとケーキが飛び上がり、空中で合体した。
ostakaka‼︎ 我ら二人あわせてチーズケーキ也‼︎
語学とは伏線回収である!
スウェーデン語とノルウェー語
duolingoでスウェーデン語とノルウェー語に触れたこともアイスランド語を補強してくれている。
チーズ(cheese)は
ノルウェー語では ost
スウェーデン語では ost
アイスランド語では ostur
ケーキ(cake)は
ノルウェー語では kake
スウェーデン語では kaka
アイスランド語では kaka
チーズケーキ(cheese cake)は
ノルウェー語では ostekake
スウェーデン語では ostkaka/cheesecake
アイスランド語では ostakaka
間違い探しみたいによく似ている。わたしの中では「性格の違う三兄弟」のような感じ。
例えば、thanksはアイスランド語、ノルウェー語ともにtakk。スウェーデン語ではtack。
orはアイスランド語もノルウェー語もスウェーデン語もeller。
andはアイスランド語とノルウェー語ではog、スウェーデン語ではoch。
どっちが何語なのか区別がつかないくらい混ざり合っているが、スウェーデン語とノルウェー語をやりながら「アイスランド語と同じ」や「アイスランド語と似てる」を確認することで復習になっている。
チーズの活用
「チーズはオスタ」とカタカナで覚えていたが、スペルを見ると、チーズはosturで、チーズケーキになるとostaに化けている。別なところではostに姿を変えている。
どういうこと?
チーズは名詞なのに活用するのだ。
主格(主語)
単数形だとostur
複数形だとostar
対格(目的語)
単数形だとost
複数形だとosta
与格(間接目的語)
単数形だとosti
複数形だとostum
生格(所有格)
単数形だとosts
複数形だとosta
全部同じでは不都合があるのだろうか。チーズの活用は料理だけにとどめていただきたい。
とは思うものの、日本語の「生」の読み方が「なま」だったり「しょう」だったり「せい」だったりするのを統一しようとは思わないのと同じで、慣れるしかないのかもしれない。
チーズケーキのときのチーズはostaなので目的語複数形ということなのだろうか。複数のチーズをケーキにするということか。
「?」を抱えながら進む、行き当たりばったりサバイバル学習。
アイスランド手話とスウェーデン手話
「アイスランド語 ケーキ」を調べていたら、spreadthesign.comというサイトを見つけた。
「ある単語を世界の様々な手話でどう表現するか」を動画で見られる。それぞれの国でその単語をどうとらえているかを見比べられて興味深い。日本手話は那須映里さんが担当。
那須映里さんについては、こちらのnoteを。
spreadthesign.comにはアイスランド手話とスウェーデン手話があり(ノルウェー手話は今のところ見当たらず)、「チーズケーキ」ではヒットしなかったが、「チーズ」「ケーキ」がそれぞれヒットした。
チーズは、アイスランド手話では、ナイフで切る仕草。スウェーデン手話では、すり下ろす仕草。
ケーキは、アイスランド手話では、カットされたケーキを皿にのせる仕草。スウェーデン手話では、親指と人差し指の二指で話者の手前から奥へぐるりと円を描く仕草。ホールケーキを表しているように見える。
書き言葉ではよく似ているアイスランド語とスウェーデン語の「チーズ」と「ケーキ」が、手話になると独自路線を見せているのが興味深い。
わたしはチーズケーキです
チーズと言えば、Duolingoのノルウェー語で
Jeg er osten.
という例文に遭遇した。
ノルウェー語は英語のtheや所有格(名詞の後につく)をつける場合、名詞が活用する。ostがostenになるように、今のところ「語尾にenがつく」パターン。
ostenは英語にするとthe cheeseとなる。
Jeg er osten.
I am the cheese.
私は(その)チーズです。
チーズになった私。一体何があったのだろうか。
カフカ的な事態か、自虐の比喩か、自ら作ったチーズに自身を重ねる誇り高き職人か……⁉︎
「わたしは(その)チーズケーキです」は
英語では I am the cheese cake.
ノルウェー語では Jeg er ostekaken.
スウェーデン語では Jag är ostkakan.
アイスランド語では Ég er ostakakan.
となるらしい。スウェーデン語、アイスランド語も名詞が活用する。
ostekaken(ノルウェー語)
ostkakan(スウェーデン語)
ostakakan(アイスランド語)
見落とすほど微妙なスペルの違い。音で聴いても違いがわからないかもしれない。
「わたしはチーズケーキが好きです」は
英語では I like cheese cake.
ノルウェー語では Jeg liker ostekake.
スウェーデン語では Jag gillar ostkaka.
アイスランド語では Ég fíla ostaköku.
ノルウェー語とスウェーデン語はDeepL、アイスランド語はGoogle翻訳の受け売りなので、正しいとは限らない。文法的には正しくても最適解ではないこともある。
中国語の先生に作文を見てもらうと、「間違いではないですが、あまり見かけない表現です」とより自然な言い回しに直される。同様のことが起きている可能性はある。
詳しい方、遠慮なくご指摘ください!
人称代名詞(わたし 彼 彼女 どちらでもない)
一人称の I はアイスランド語ではég
ノルウェー語ではjeg
スウェーデン語ではjag
heとsheはアイスランド語ではhannとhun
ノルウェー語ではhanとhun
スウェーデン語ではhanとhon
そう言えば、スウェーデン語には男性か女性かにくくらないhenという人称代名詞があることを以前新聞記事で読んだ。
英語でいう「heでもsheでもない場合のthey」にあたるもの。
ということで、アイスランド語学習からのスウェーデン語が「禁じられた金次郎」の金次郎ズの「they」とつながった。
なんのことやら?
こちらのnoteをどうぞ。
つくづく、語学とは伏線回収である。
6日目「本を買う本気」へ続く!
「アイスランドの映画と音楽の夕べ」に参加することになり、アイスランド語を学ぼうと思い立った1日目はこちら。
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目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。