ぼくたちは生理について知らなさすぎる 50代のぼくが今さら生理に興味を持った理由
11年半『報道ステーション』を担当した元放送作家のミツと申します。
いまは電子書籍作家&取材作家として活動しています。
主に「ライティング」「Kindle」「推し活」についての記事を書いてます。
基本、いろんなことに興味を持つ性格です。
2024年の12月ぐらいから「……え、そうなの?」とびっくりしたのが「女性の生理」でした。まず、記事のタイトルを回収します。
50代のぼくが今さら生理に興味を持った理由
きっかけは千原ジュニアさんが、女性の生理痛を疑似体験した動画でした。
サムネイルにはこんなテロップがあります。
「ジュニア悶絶!」
「生理痛初体験」
「全男性は体験せよ!!」
この動画では、ジュニアさんが「Linkage(リンケージ)」という会社を訪れます。そこで、生理の基礎知識を学びながら、最後は生理痛を疑似体験する装置をつけ、あまりの痛さに悶絶していました。
動画ではジュニアさんに続いて、男性スタッフが次々と体験。
みなさんもれなく「この痛みはヤバい……」と、へたり込みました。
その様子を見た時、こう思ったのです。
「……マジ?」
「女性って、この痛みに耐えながら生活してるの?」
生理についてほとんど知らない
ぼくは1975年(昭和50年)生まれです。
当時、学校でまともに「性教育」を受けた記憶がありません。
(女子だけ別教室で、保健体育の授業のもと「性教育」が行われ、その間、男子は普通に体育の授業という感じでした)
女性は月に一度、局部から出血し、それを受け止めるために生理用品がある。
……ぐらいの知識しかなく、大人になってからも、きちんと学ばなかったのです。
冒頭に書いた通り、ぼくは元々放送作家でした。
「報道ステーション」以外にも、色んなTV・ラジオ番組に携わり、スタッフの中には当然ながらたくさんの〝女性〟もいたわけです。
今でこそ、TV・ラジオ業界は女性スタッフに優しくなりました。
……でも、ぼくが働いていた当時は、女性だからという気づかいは、ほぼなし。
徹夜でボロボロになりながら頑張る、たくさんの女性スタッフがいたのです。
彼女たちの中には、立っていられないほどの痛みをこらえながら、徹夜の作業をした人もいるのかもしれない……。
一番生理痛がキツイ時に、番組会議に出席。メインスタッフが椅子に座って参加する中、自分だけホワイトボードの横に立って、みんなの意見を板書していたのかもしれない。
実際そういう女性はいましたし、漢字がサラッと書けずに「そんな字も書けねえのかよ!」と突っ込まれる場面も目にしました。
こんな場面を思い出した時「これは何かしら記事(本)にしなければ」という、勝手な思いが込み上げてきました。
全人類が知る必要があること
こういう話をすると「フェミニストなの?」と言われることもあります。
確かにフェミニスト寄りな見方なのかもしれません。
でも、ぼくはもう少し大きな視点でこんな風に思いました。

「神風特攻隊によって散らされた若い命がいくつもあった」
「こんな飽食の時代でも飢えに苦しむ人たちがいる」
「かつて世界には、人種差別、奴隷制度があった」
このぐらいの世界的、歴史的な視点で「知らねばならないこと」の一つに「女性の生理」があると思うようになったのです。
生理の症状はみなさんバラバラです。
痛みの強度、痛みが続く期間は個人差があって、「重い人」もいれば「軽い人」もいる。
それでも、世界の半分は「生理痛」を抱えながら(過去に抱えた)生きている人たちがいる、ということは頭の片隅に置いた方が良いと思ったのです。
そもそも生理ってなんだろう?
そもそも生理とはなんでしょう?
ご存知の方にとっては、言わずもがなですが、ちょっと筆を割きます。
女性の体は〝妊娠するための準備〟を毎月、行なっています。
その準備のために、子宮の内側にある「子宮内膜」が厚くなります。

排卵期に精子と卵子が運良く出会うと「受精卵(赤ちゃんの素)」ができます。
この「受精卵」を受け止めるベッドが「子宮内膜」なのです。
では、どこから血が出るのか??
排卵期に性行為をしない、したとして受精卵ができなかった場合、不要になった子宮内膜がはがれ落ちます。これが〝生理〟なのです。

生理痛とは?
子宮内膜がはがれ落ちる際、子宮が強く収縮します。
この時に起こる痛みが〝生理痛〟なのです。
「下っ腹がキューっとなる」「内臓を握りつぶされる」そんな風に痛みを表現する女性もいます。「臓器が収縮する」男性だと全く想像がつかない痛みです。
ちなみにこちらが参考文献です。
とてもわかりやすく、生理のメカニズムが解説されています。
……ただの血じゃないの?
生理の血がどうやって出ているのか。
ぼくは〝そもそも〟を理解していませんでした。
「子宮内膜がはがれ落ちる?」
それって、もはや内臓の一部がぼろッと取れるのと同じことではないのか……。
これが女性の体の中では、月に1回起こっている。
ぼくは経血は「サラサラなもの」だと思っていました。
しかし、どうやら違うらしい……。
そのことを思い知った取材での一コマがありました。
衝撃だった取材での一コマ
数ヵ月前、とある女性に取材をさせていただきました。
その方はめちゃめちゃ良い方で、ぼくの不躾な質問に対し丁寧に回答いただきました。
その中で「経血」について、こんなやり取りがありました。
ミツ「生理の血って、どんな感じで出るんですか?」
女性「……! 今まで男性に、そういうことを聞かれたことがないので、ちょっと衝撃です」
ミツ「不躾な質問ですみません……」
女性「そうですね。ちょっとグロい話になりますが、いいですか?」
ミツ「大丈夫です。うかがいます」
女性「いつもというワケではありませんが、ドロッとした肉片のようなものが混ざった状態で出血することがあります」
ミツ「……! 肉片ですか」
女性「個人差はあると思います。女性同士で「どんな状態で出る?」みたいな話もしないので、あくまで私個人の話として聞いていただければと思います……」
衝撃でした。
不要になった部分とはいえ、体の内部がはがれ落ちて、それが血と混ざって出てくる。こんなに怖いことってないな、そう思いました。
同時に、普段何気なく見ている、トイレの〝ある機能〟に疑問を持ちました。
ビデって何に使う?
洗浄機能付きのトイレにありますよね。
「おしり」ボタンの横にある「ビデ」と書かれたボタン。
ビデはフランス語で「bidet」、婦人用のための洗浄器を意味するそうです。
もちろん「小」をした後で、その周りを洗浄する意味もあります。
でも、もう一つの大事な役割が「生理時の不快感の解消」なのです。
ビデについても、先ほどの方に質問しました。
ミツ「ビデって、どんな風に使うんですか?」
女性「もちろんおしっこをした後に使います。それと同じくらいよく使うのは、経血の汚れを落とす時です」
ミツ「なんとなく想像はしていましたが、やはり洗いたくなるものですか?」
女性「さっき、肉片が混じった経血の話もしましたが、こういう汚れってこびりつくんですよ。だから、ナプキンで出血を受け止めつつ、時々洗いたくなるんです。
ちょっと汚い話ですけど、便だってお尻にこびりついたままだと、かゆくなったりするじゃないですか」
ミツ「わかります。あれってすごく不快ですよね……」
当たり前ですが女性にもお尻があります。
……ということはつまり、こびりつく部分(不快に感じるポイント)が2つあるということなのです。
こういう話を聞くと、なぜ女性のトイレが長いのか、わかる気がします。
用を足すだけなら、さほど時間はかからないでしょう。
でも、移動中にそういったこびりつき(痛みやかゆみ)が不快になって、キレイに洗いたい、思った以上に出血が多くてナプキンを替えたい……。
夏場なら暑さで蒸れます、経血に起因する「匂い」のケアもしたい……。
そうなると、男性よりトイレ(休憩)にかかる時間が長くなるのは必然なのです。
クラウドワークスで得た回答
実はクラウドワークスでも生理についてアンケートを取りました。
決して高い報酬ではありませんでしたが、悩んでいる方が多いのか、50人分の回答があっという間に集まりました。
こんな質問をさせていただきました。
Q:あなたが生理痛でツライ期間(1ヵ月の中)について教えてください。
Q:生理で苦労したエピソードを教えてください。
Q:実はこっそり休んでいる瞬間を教えてください。
Q:女性の生理に関する理解の低さ、もっと寛容になって欲しい社会、制度、しきたりについて思うことを、思う存分、ご自由にお書きください。
以下に、回答の一部を抜粋します。
「1カ月に15日は生理痛でツライ」
「管理職ポジションに男性が多いので、生理を理由にした休暇を取りづらいです。制度として生理休暇はあるが、使うとかなり嫌な態度を取られます。もっと女性管理職を増やして欲しいです」
「避難所などでナプキンは1日1枚で充分、それ以上は贅沢だとか、生理を我慢しろだとか、生理の知識が驚くほどにない男性がいることを知りました」
「保育士をしていて、人手が足りなさ過ぎて、トイレに全く行けず。夜用の特大ナプキンを付けて仕事をしていたが、それでも、漏れてしまった。恥ずかしさと情けなさで、こんな仕事辞めてやると心に誓った」
「休める場所はトイレしかないので、人知れずトイレに行って休むしかない。生理痛は休憩の理由にならず、本当に酷い時はボルタレン座薬を入れたことがある」
「職場の制服が白なので、生理の時は昼でも夜用のナプキンをして、さらに給水ショーツを履くなど、二重三重のそなえをしている。そのため臭いが気になったり蒸れてかぶれたりして、生理痛以外でとても気分が下がる」
「私達の時代は、小学校も中学校も体育の時間はブルマでしたので、中学生で生理が開始した女子にとっては大変でした。(生理用のナプキンをしていることがバレないように隠すことが)今は、ジャージや短パンになっていると思いますが、本当にあの頃は女子や生理のことを考えていない服装をさせられ嫌でした」
「生理痛やPMS(月経前症候群)に対して、ただ痛いだけ、とか、甘えている、と考えている人が多いのがとても悲しいです。もっとPMSという言葉が世の中に浸透し、理解されて欲しいと思います」
「就職活動の時期が、人生で一番生理痛がつらい時期で、就職活動を休んだり、進められないことが多くて困りました」
「最も憂鬱に感じるのは仕事中ではなく、むしろ余暇。家族と一緒に行楽や旅行、帰省にでかける時期と生理が重なると異性である父や主人、息子へ生理であることを隠して行動せねばならず疲れる」
「プロスポーツ選手のユニフォームなどにもっと配慮が欲しいなぁと感じます。ピルを飲んだり色々調整はしているでしょうが、もし当日にあたってしまった場合など、痛みの他に漏れなどを心配があるんじゃないかと思うからです」
いかがでしょう。
当然、個人差はあると思いますが、世の中にはこれほどまでに悩んでいる人が多いのかと、驚いたアンケートでした。
生理を知ると、ちょっとは気を遣える
ぼくは、決してフェミニストではありません。
でも「生理の世界」を知ると、少しだけ女性に気を遣おうかなと思えるものです。
2024年12月、ぼくは「文学フリマ東京39」という即売会のイベントに参加しました。
この時、一人で参加するのが心細かったので、前に一緒に仕事をしていた元女性ADさんに「売り子」をお願いしました。
この時、今までだったら「頼むから当日は絶対に来て!」と考えたと思います。
でも、その頃は千原ジュニアさんの動画を見た後だったので、こんな心持ちで当日の朝を迎えました。
「当日の朝に、生理が始まってしまい、それが重い場合だってあるだろう。
だから急に来られなくなった、という連絡を受けても、一切イラつくことなく「仕方ないこと」として受け入れよう」
そう考えたら、一気に気が軽くなりました。
幸い、元女性ADさんはちゃんと東京ビッグサイトに来てくれて、手伝ってくださいました。とてもありがたかったです。
文学フリマ東京40で見つけた1冊
2025年5月。
ぼくは、ふたたび「文学フリマ」に参加しました。(文学フリマ東京40)
そこでこんな本に出会いました。
「ありふれたやまい
子宮筋膜核出手術 きろくときおく」(石山さやか)

この本は、イラストレーターで漫画家の石山さやかさんが、ご自身の体験をもとにかかれた本です。
石山さんは、学生時代からずっと生理が重かったそうです。
社会人→フリーランスとして仕事をしながら、生理痛が仕事に支障をきたすレベルになってしまったので人間ドッグに行きました。
そこで、子宮筋腫がゴロゴロ発見され、中には子宮より大きくなったものも含まれていたので、手術を受けることになった、という話です。
発覚、手術、入院(痛みと発熱の苦しみ)、退院まで。
丁寧に日記で綴られていました。
1年前の自分であれば絶対に手に取らなかった1冊です。
婦人科、婦人病というだけで、人には話しづらいし、なんなら秘匿したいものです。それを本という形で残された勇気はすごいと思いました。
石山さん、ありがとうございました。
今後も取材を続けてみます
50代のおじさんに生理について根掘り葉掘り聞かれるのはイヤかもしれません。
でも、取材を受けてくださる方がいれば、何人かお話を聞かせていただき、1冊の本にまとめてみようかなと思っています。
興味がある方は、note経由でも、X(ツイッター)経由でも、ご連絡いただければ幸いです。
ミツのXアカウント
余談:エヴァのアスカの吐露
これは余談です。
生理と言えば、エヴァンゲリオンのアスカのシーンを思い出します。
はっきり生理とは描きませんでしたが、体調が悪そうなアスカが、「子供なんかいらないのに……」と心情を吐露するシーンがありました。
日本では生理について、無意識的に遠ざけたり、フタをすることが多いです。
そんな中で、エンタメ作品の中で瞬間的とはいえ、扱うのはすごいことだなと、今になって思いました。
「生理インタビュー」という本を出版しました
この記事をもとに取材を進めてリリースした本です。
ぜひ、手に取って欲しいです。
2026年に150人アンケート増強版をリリース
「生理インタビュー」のバージョンアップ版です。
LINE登録者の特典としてつけていた150人分のアンケートを内容に組み込みました。
アンケートは以下の3つ。
「生理の悩みについて」
「出産後の生理の変化」
「ピルの服用、メリット、不安について」
20代〜50代の女性の、リアルな声がたくさん登場します。
こんな感じです。





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