2026年2〜3月メキシコ(時々アメリカ)滞在記⑦ちょこっとエルパソ、ゆるくノマドワークとヨガ
前回チワワ後半、自然科学編はこちら
普通に日本人として日本で暮らしていると無自覚に傲慢になることがある。「自分は自立していてなんでも一人で出来る」という思い込みを持つのだ。
確かにとっくの昔から「自立」はしていると思う。自分名義で住居を借りてフリーランスで生計を立てている。いつでも好きな時にどこにだって自由に移動できるし、ちょっとお金を出せば珍しい海外の食や物を手に入れることも可能だ。
人を頼らず「自分の力」で自由に生きていると思っていた。
このライフスタイルはとても気楽で私に合っている。
だが、それは日本人として日本にいるから実現できることであり、一歩海の外に出ると自分は完全に無力だということを痛感することになる。

日本でもお馴染みウェンディーズだが、
アボカドとチリがたっぷり入った御当地バーガー
が美味しくて大満足
でも、複数車線の大きな道路を渡るだけで
怖くて怖くて一苦労・・・
(これはメキシコに限らず海外あるある)
ヨーロッパやアジアを旅した時は公共交通機関を使い、「自分の力」で日本とあまり変わらない利便性を享受することが出来た。学生時代に行ったアメリカの東海岸でも同様に困ることはなかった。
しかし今回の旅ではいわゆる「車社会」を初めてがっつり体験し、自分の無力さに打ちのめされることになった。
ここでは高校生でも普通に車の運転なんて出来る。それが出来ない私は小中学生と同じだ。いや、スペイン語がろくに話せないことでそれ以下になったような感じもした。幼児だろうか?いや、幼児は可愛らしいが私には可愛げがない。「自分でなんでも出来る」と勘違いしているプライドの高いただの無能なオバサンだ。
トータルで見てこの旅はとても楽しかったし本当に行ってよかったが、終始この「無能感」に苦しめられたことも否めない。
感情がぐちゃぐちゃになった。
こういう時はしっかり内観する時間を取るのが一番だ。

友人の飼い犬がずっと傍にいてくれた
カサス・グランデスやチワワへの旅行から友人宅のあるシウダー・ファレスに戻ってから数日は、まるでそこで暮らしているかのように静かな時間を過ごさせてもらった。
私が滞在していたのは同じ敷地内の別宅だったため、空間的にもいったん落ち着くのにちょうどよい空間だった。
メキシコ北部のとても乾燥した気温差の大きい気候、ただ普通に暮らしていても「冷・乾・軽・動」の性質が高まり、アーユルヴェーダで言うところのVATA🍃の影響を受ける環境だ。
VATA🍃が増悪すると出やすい心の症状には「不安感、落ち着きのなさ、恐怖心、悲しみ、不安定さ」などがある。また身体的には「肌や髪の乾燥、関節痛、便秘、冷え、不眠、疲労」等もあるし、VATA🍃が引き金になって風邪など引くと厄介だ。
移動が多いと「動」の性質が加速する。そのまま放置すると心身ともに崩れることは経験上わかっていたため、その影響を鎮静するべくKAPHA💧の性質を取り入れ対策した。
バランスを整えれば中庸に戻れる。VATA🍃とは逆の性質を持つ「温・潤・重・静」KAPHA💧の要素を取り入れ、ゆっくりと自分のペースで動き、静かで落ち着ける環境で過ごした。

ばっちり温まって潤うメニュー
そんな感じでゆるゆると自分時間を過ごしつつ、日本やヨーロッパ在住の顧客さまたちとオンラインでヨガのセッションをした。とても落ち着いた気持ちで普段通りのヨガを提供することが出来、小さく萎みかけていた自己肯定感が健全な状態に戻ってきた。
私にとってヨガをやる意味は色々あるが、「自分を整えるためのヨガ」と「誰かと一緒にやるヨガ」はまったく別物だ。
「誰かと一緒にやるヨガ」の中でも「自分が誘導するヨガ」と「受け身になって誘導してもらうヨガ」はまた別の性質を持つため、ヨガを教える仕事を始めてからも引き続きこれまでの先生のところに通い、弟子の立場として誘導してもらうことも大切にしている。
「自分が誘導するヨガ」を行った数時間後、今度はいつも通っている都内のスタジオのオンラインクラスを受けてみた。いつもの先生の変わらぬ誘導に乗って動いてみることで更に自分を取り戻すことが出来たように思える。
種類としてはこのようにして3種類のヨガを日常的に行っていることになるのだと思う。文明の利器を最大限に活用し、地球の反対側にいてもなおこのルーティンを実践することで心身のバランスを回復させることが出来た。
また、メキシコ時間の夕方には、翌日午前中の日本とつながり、本業の仕事も少し進めた。社会の中でそれなりに必要とされている感覚を思い出し、ここでも私は陥っていた無力感を少し払拭することが出来た。
ほんの数日の経験であるが、こんなライフスタイルも楽しいなと思った。
働き方の選択肢が増えたこの時代、ずっと気になっていたノマド的な働き方を少し試すことが出来たのは嬉しいことである。
こんな感じでゆっくりする時間を過ごしていたが、その後訪れるサンタフェ行きの長距離バス乗り場の下見を兼ねて、少しアメリカ側の街エルパソに渡ってみた。
ここでお金を払って、だとか、ここでパスポートを見せて、みたいな流れが不明だったため、友人がガイドしてくれて助かった。
これもヨガと同じかもしれない。「自分のペースで動く旅」「自分が人をリードする旅」「自分が人にリードされる旅」それぞれ違った性質を持つ。
ヨガでも旅でも生きていく上で人としての謙虚さを失わないためには、時々「人に委ねてみる」ことが大切なのかもしれない。

車で渡るのはいつも大渋滞
この時のアメリカ入国審査では
日本人が国境付近でうろちょろしていると怪しいのか
これまでの人生で一番厳しく色々尋ねられた
「なんのためにアメリカへ行くのか?」
「何時間滞在するのか?」
「なぜメキシコに滞在しているのか?」
「全部で旅程は何日か?」
「日本ではなにをしているのか?」
「今は休暇中か?」など
正直に答えれば大丈夫と信じて対応
結局この国境はたしか4回往復したが、
この時が一番面倒くさかった
パスポート見せて終了、の時もあったし
ガチャ的な要素が大きいかもしれない

左がメキシコ
右がアメリカ

(多摩川に隔てられた東京と神奈川をふと思い出す)

鉄道は現在貨物中心らしい

なんとなく閑散としている

独立精神を象徴するという「ローンスター」

馬に乗ったカウボーイが見たかったがあるのは車だけ

がアメリカ側にはこのような新しい建物が多い



遠くに見える山並みが好き
ネットで調べておいたバス会社のところへ行くと、私が見た時刻表にあるはずのバスは「ない」と言われた。そんなわけはないと思ってしつこく質問してみたが結局よく分からず。
サンタフェのホテルはもう取ってしまったし、どちらにしろ行きたい場所だったから交通手段がないと困ってしまう。
とりあえず引き下がって後でゆっくり見てみようということにした。

左側はとっても珍しいガラス張りの高層ビル
右の建物は人気歌手ファン・ガブリエルの壁画
帰宅して再度よくよく調べてみたら、私がネットで見ていたのは先ほど行ったのと違うバス会社だったことが判明・・・単に私がボケ。
というわけで無事にサンタフェに行く手段があったのは良いが、なにかがおかしい時にはまず自分を疑ってみようと思う。
「自分の力」なんてものはやはり勘違いだ。謙虚さと傲慢さについて考えた日々でもある。

毎日コテコテのメキシコ料理ばかりだと
胃腸も舌も疲れてしまうため、
馴染みのある味が嬉しい
次回はアメリカ、サンタフェ編に続く
