ライター忘年会2025と私【連続ドキュメンタリー小説 第1話】
【あらすじ】
東京の四谷にある「note place」にて、ライター忘年会が開催された。なんと人気ライター、作家、大御所編集者も訪れるらしい。
━━これは、絶対に行かなければ。
伊佐さん、いしかわゆきさん、5年越しの再会と出会い、はじめまして、お仕事、エッセイ、おにぎり、手拭い、note……人々の出会いの中で、何が繰り広げられるのか。愛と感動、グルメと出会いのライター忘年会ストーリー、今開幕。
12月6日(土)、Marbleコミュニティ主催の『ライター忘年会2025』に参加した。
このイベントレポートを綴るのは――そう、創作をこよなく愛し、今年は創作大賞2026のミステリー小説・エンタメ原作部門で中間選考を突破し、さらにベストレビュアー賞を受賞した私だ。
えっ、何回もうるさいって?
また自慢かよ!って?
そもそも、ここは私の居場所、noteだ。
自分のことは、自分で伝える。何回も伝えないと伝わらないので、自ら発信していく。
少しばかりの自己満足も込めつつ、楽しみながら。そしてドキュメンタリー小説のように、あの日の出来事を、ちょっとエモい感じで紹介していく。
note placeと私
忘年会の場所は、東京四谷にあるnote place。
note placeといえば、昨年まではnote創作大賞の授賞式が開かれる場所だった。私は昨年より創作大賞に応募していたので、noteで出会った創作仲間たちと
「四谷で会いましょう(『授賞式で会いましょう』の意味)」
と声を掛け合い、互いに励まし合いながら歩んできた。今年は、縁あって授賞式に参加できたものの、受賞者が増えたなどの理由もあってか、会場は恵比寿へと移っていた。
「みくさんが、note本社に足を運ぶのは今回が初めてか」
と問われると、実はそうではない。数年前に、かつて表参道から徒歩7分の場所にあった本社で開催された『はあちゅうさんのイベント』に、イベント関係者の方より招かれたことがある。
表参道から四谷へと移ったオフィスは、公式記事によると一番の目玉は「イベントスペース」らしく、なんと全体の半分近くを割いているという。実際に足を踏み入れてみると、過去に訪れたスペースよりも倍以上の広さを感じた。
会場は、白を基調とした椅子と床で整えられていた。公式によれば、この配色は「真っ白なノートに作品をつくっていくこと」をイメージしているのだとか。
真っ白なノートに作品をつくっていく、そんなことをイメージして、プレーンな印象になるように生成りや白を基調に配色。
一方で、隣の部屋の椅子は黒で統一されていた。こちらはオフィスだろうか。社員が日々向き合う場と、イベントでユーザーが集う場所。その境界は「ガラス張り」になっていて、廊下を歩くとオフィスをちらりと覗き込むことができる。(※イベント当日は、社員さんの姿はありませんでした)
白と黒が交差する、境界線を歩く。
創作と日常(仕事)のあいだに自分が紛れ込んでしまったような、不思議な感覚を覚えた。
創作に限らず、何事においても、誰かの話を聞いたり、人との出会いから刺激を受けることは多い。
そもそも「書く」とは孤独な作業である。
私は1人でもずっと書いてきた人間だが、励まし合える仲間の有難みも、ここ数年は改めて実感している。とくにnoteは、落ち込んでいる人がいれば共に励まし合える仲間と出会える、あたたかい場所だ。
四谷の会場に足を運んだ瞬間、「noteさんは、人との繋がりを本当に大切にしている」ということを、肌でひしひしと感じた。
忘年会と私
数日前「ライター忘年会が東京で開催されるらしい。私も行きたい」と、夫に打診した。夫は速攻で「じゃあ、東京へ家族旅行も兼ねて行こう」と承諾してくれた。
「もしかしたら、2次会があって、誰かから『この後飲みませんか?』と誘われるかもしれない」
そう口にした私に、夫は即座に
「そうかもしれんな。俺と〇〇ちゃん(娘)はホテルで過ごしているから、気にせず行ってきな」
と返してくれた。夫の声は、軽やかだった。
私たち夫婦は「2次会に行くかどうか問題」でひとしきり盛り上がったものの、結局そんな誘いはなく、1次会でホテルに戻ることとなった。ちょっと婚活のノリで参加している自分を恥じた。
会場には地方から来ている方も多かったが、驚いたのは「この後帰ります」という声が意外に多かったことだ。「えっ、ホテル取らないんですか?」と思わず突っ込んでしまった。
それが、みなさん「え~?家に、帰りますよ?」くらいのノリだったので、おそらく活躍されているフリーランスの方々からすれば「移動」って、もはや日常みたいなもんなのかもしれない。
なかには、地方と東京近郊に拠点を持っていて「ああ、近くの家に帰るんですよ~ハハハ」という方もいらっしゃった。そして飄々と語るその姿に「ああ、これが稼いでいるフリーランスのリアルなのかも」と感じた。
なんと、その人こそオンラインで5年前に出会い、ずっとお世話になってきた江郷さんだ。過去には一度、お仕事でもお世話になっている。
忘年会の中でも、愛知や岐阜で活動しているライターさんを「みくさんは愛知のライターさんで……」と紹介してくださり、背後でニコニコと微笑みながら、うんうんと頷いていた江郷さん。
他の方と私が挨拶している時も、隣や後ろの方で、笑みを浮かべて見守ってくれているのを感じていた。
もはや私にとって保護者のような存在であり、ずっとお世話になってきたからこそ、いつかきちんと挨拶したいと思っていた。
そして今回、やっと念願が叶った。お土産に手拭いを渡すと、江郷さんは頬を綻ばせていた。その笑顔を見て、ああ此処に来てよかったと思えた。
ゆうこさんと、ぐみさんと私
四谷の会場につくと、くりくりとした瞳の可愛らしい女性が「あっ」と手を振って声をかけてくれた。中井ゆうこさんだった。
「空気伝導イヤホン」私も欲しくなりました。こちらのnote、凄く好きです!コンテストのテーマにぴったり合わせているところ、流石です。
ゆうこさんとは、岡本さんの専属編集者を通じて仲良くなった。
忘年会で参加することを伝えたところ、お互いにXでも「会いたいですね!」と声をかけあっていた。それにしても、人との繋がりを通じて、縁が広がっていく。それって、なんかいいですよね。(ゆうこさんからは、お土産もいただきました。ありがとうございます!)
ゆうこさんは、私を見るなり
「みくさんですね!(大塚)ぐみさんかと思いました。似てます!」
と、目を丸くしていた。
ぐみさんは、noteで仲良くなったお友達であり、憧れのエッセイストでもある。ぐみさんの好きなところは、一見飄々としているんだけど、実は作品の中にさり気なく「深い思考」が滲んでいて、そこに気づいた時にゾクゾクと鳥肌が立つところだろうか。
そんな素敵な方に「似てる」と言われて嬉しくて、ニヤニヤが止まらない私。ぐみさんのファンのみなさん、すいません。私、どうやらぐみさんに似てるみたいです。
その直後に、大塚ぐみさんと初めてお会いした。
目が大きく、顔立ちも整っていて、私なんかよりずっとお綺麗。にもかかわらず、
「あっ、私に似てるわ!」
と開口一番に口走ってしまった。すいません。ぐみさんの纏っている空気というか、面白いことが好きそうな感じというか……確かにちょっと似ているかもしれない。そして、会ってすぐに「あっ、より一層仲良くなれる予感しかしない」と思ったので、これからもよろしくお願いします。
するとぐみさんも、私を見るなり「あっ、みくさん!」と笑みを浮かべてくれて、つられて私も笑ってしまった。それから移動のたびに一緒になることが多かった私たち。
私が何か話すたびに、ぐみさんは「ぶっ……!」と吹き出していた。どうやら私は、存在そのものがぐみさんのツボらしい。
◇
ぐみさんとのエッセイの出会いは、私の仲良しnoter・ライターの青空ちくわさんが
「ぐみさんのエッセイ好きですぅ~」
と何気なく言っていたことがきっかけである。ちくわさんは、マイナビのコンテストでグランプリを獲得したことのある書き手さんだ。
ちくわさんはライターだが、出会いはnote。素敵なnoteを書かれていて、目が止まったので「この書き手さんと、仲良くなりたい」と思い、オンライン交流会に誘ったのがきっかけだ。それから勝手に「私のハニー」と呼んでいる。(※ダーリンとはまだ呼ばれていない)
ちくわさんの紹介で読み始めたら、目に通した瞬間から、体全身に電気が走ったのを今でも鮮明に覚えている。
忘年会の会場では「ぐみさんは本当に素敵な書き手なんです!私の推しなんです!みなさん宜しくお願いします!」と、なぜか売り込んできた。もはや、ぐみさんのマネージャーである。
noteを通じて、お互いが「この作品が好き」と紹介し合うことで、縁が広がっていく。改めて、そういうのって「なんかいいなぁ」と思った。
伊佐知美さんと、いしかわゆきさんのクロストーク
イベントは、伊佐知美さんといしかわゆきさんのクロストークで進んでいった。

お2人とも、眩いオーラを放っていて、お肌もつるつるだ。いしかわさんと伊佐さんの掛け合いは「あうん」の呼吸のようにも感じられるほど流暢で、テンポよくトークが進んでいく。
トークの中でも心に残ったのは、伊佐さんの「自分のやりたいこと、やりたくないこと」を明確にしている姿勢だった。
お話しによると、伊佐さんは「やりたくないジャンルの仕事は受けない」と、決めているという。潔くていいなと思った。
さらに印象的だったのは、「自分の世界観」を何より大切にしていること。もちろん、お仕事はお金も大事だからクライアントワークも欠かせない。けれど、それ以上に、自分のライフスタイルや仕事を通じて「やりたいこと」を貫く姿勢から、「自分を大事にすることの尊さ」がひしひしと伝わってきた。
やりたいことを仕事にする。
それは、一般的に「難しい」と言われることが多い。けれど、実際に形にして夢を叶えていく人の姿を、私はインターネットを通じて数えきれないほど見てきた。
一概には語れないけれど、自分の「好き」を仕事にしていく人たちは、環境や周囲の声に左右されず、淡々と「これがしたい」と言葉にし、形にし、そして続けていく。
もちろん、その過程には人それぞれの苦労もあるだろう。それでも外から見える姿は、自分の「好き」を原動力として、ひたむきに前へ進んでいく姿が滲んでいく。それにしても、楽しそうな人や、誰かを楽しませようとする人には、自然と人が集まる。
お2人の姿を見て、お仕事を楽しむ気持ち、これからも大事にしていこうと思った。もしかすると、「その人の話を聞きたい」と感じる人が増えると、トークイベントへのお誘いなどにも繋がるのかもしれない。
伊佐さんや、いしかわさんが楽しそうに、なおかつ自分の言葉できちんと話す姿を見ながら、ぼんやりとそんなことを思った。
クリエィティブの原点回帰
伊佐さんは「エッセイを書きたい」という思いから、かなりのお金を投資して「ZINE」を形にして販売しているお話を、大きな瞳をきらきらと輝かせて話していた。
「表紙のデザインも凝っているんですよね」と語るその姿は嬉しそう。本を作るって、喜びでもあり幸せなんだなぁ。
エッセイの定義はわからないけど、本来なら誰かの心に寄り添ったり、励まされたりするものだ。そして、書くことの楽しさも、人に届けることも魅力のひとつ。
伊佐さんが嬉しそうにZINEを作る過程を語る様子を見るなり、原点回帰というか━━本来クリエィティブとは「楽しむ」「形にしていく」ことが大切なのだろうと感じた。
いまや、noteフォロワー5.7万人の伊佐さん。そんな伊佐さんがnoteを始めたのは「note」が始まったばかりの頃。そこからずっと続けてこられた中で、人との出会いを大切にしている姿勢も垣間見れた。
カツセマサヒコさんなどの著名な方よりピックアップしてもらえて、助けてもらえたことも大きいと語る伊佐さんの姿を見て、「誰かに紹介してもらえるって、当たり前のことじゃない。ありがたいことなのかも」と、改めて実感する。
小さな「好き」を大事にしていく
伊佐さんがnoteについて語るときに印象的だったのは、
「明朝体が好きなんです。noteはフォントを選べる。そういう小さなところが、書き続けられた理由」
という言葉だ。
明朝体か、ゴシックか。それは、ほんの些細なことに見えるかもしれない。けれど、その「好き」をとことん大事にする姿勢に、彼女らしさの芯を感じた。
人には誰しも、小さなこだわりがある。それが意外と「やっぱり、嫌だから辞めようかな」とか「このこだわりを満たせるのがたまらない」に繋がることも多い。
小さな「好き」が積み重なると、やがて大きな継続へとつながっていく。続けることは大切だとよく言われるけれど、続けるためにはその中にどれだけ「自分の好き」を仕込めるかどうかが、鍵なのではないだろうか。
好きがあるから、続けられる。好きを盛り込むから、続いていく。
その積み重ねこそが、継続を支える力となる。伊佐さんの自分の「好き」をとことん大切にしていく姿を目の当たりにして、「好き」を追いかけることの大切さに、私は大きく心を打たれていく。
仕事と好きの境界線を「繋げる」こととは
私はライターだけでなく、ただ表に出していないだけで、メディアで編集のような仕事もしている。
その場合、世間の需要に合わせて中身を整えることが多い。仕事にする以上、世の中の動きを知ることと、需要の有無が大切だということは身に染みて理解している。だから私は、いつもSNSをチェックしたり、雑誌を回し読みしたりしている。
けれど、駆け出しの頃は需要云々の前に、どうしても書きたいことがあって、大手出版社に企画として持ち込んだことがある。その時に、
「素直な人には可能性があります」
と言っていただき、小学館のメディアでミニ連載を任せてもらえた。
名古屋の企業に勤めているOLライターKatoの正体です。
当時、私はまだ駆け出し×副業ライター。語れる実績なんてゼロに等しかった。まさに「0→1」を自分の行動で切り開いた瞬間だったと思う。
今はあの頃とは時代も違うかもしれない。けれど、やりたいことがあるなら、とことん諦めずに企画を出してみる、提案してみる。その一歩が、あなたの書く仕事における未来を変えるかもしれない。
だからこそ、どうか自分の可能性を信じてほしい。他の誰か以上に自分を信じる力が、次の扉を開くのですから。
私自身、フリーランスの世界に長く身を置いてきたからこそ、この業界には本当に多様な人が蠢いていることも知っている。
ライターの中にも、「自分の好きを仕事にしたい」と願う人がいれば、「クライアントワーク絶対主義(来たものは断らない)」を信条にする人もいる。どちらもその人にとっての正解であり、間違いではない。
やりたいこと。やりたくないこと。
それって、本当はもっと自由であっていいのではないだろうか。
私は会社員として17年働いた経験があるからこそ、フリーランスと会社員の違いをよく理解している。どちらのメリット、デメリットも腐るほどわかる。どっちも一応、経験が長いので。だから余計に思うのだ。
業務委託の最大の魅力は、ずばり「自由に仕事を選べること」。その一点に尽きるのではないか、と。
(第2話へ続く)
※次回は、ただのイケメンライター推し活物語になります。
