「水曜日のダウンタウン」に学ぶ【04】全力で伝えることの大切さ
僕はテレビ番組の中で『水曜日のダウンタウン』が大好きだ。
3年ぶりに復活したコロコロチキチキペッパーズ・ナダルさんの監禁シリーズ。今回の説「身代わりジェスチャークイズ」は、なんと2週連続放送という大型企画でした。
山奥に監禁され、声を出さずにジェスチャーのみでクイズを伝える。正解しなければ脱出できない。
単なるバラエティとして笑うだけでなく、そこには「ビジネスにおける人選の妙」と「コミュニケーションの本質」が凝縮されていました。
「適材適所」が爆発的な力を生む
まず改めて感じたのは、【3】でも書きましたが、番組の「人選」の凄さです。
先輩後輩問わず態度が悪く、平気で嘘をつき、人を見下す。そんないわゆる「クズ」で「モンスター」なナダルさんのキャラクター。
しかし、監禁という極限状態においては、そのエゴの強さが唯一無二の推進力となり、面白さが最大化されます。
これは組織においても同じではないでしょうか。
その人が最もパフォーマンスを発揮できる場所を、トップがいかに見極め、用意できるか。
本人さえ気づいていない適性を引き出すことの重要性を、泥臭くあがく彼の姿を見ながら痛感しました。
「伝える」手段が絶たれたとき、何が残るか
今回の企画の肝は、言葉を封じられた「ジェスチャー」です。
手話やモールス信号などは、双方がルールを知っていることで初めて成立する共通言語。
しかし、共通のルールがない中では、なりふり構わない「熱量」がすべてになります。
普段なら恥ずかしくてできないような動きも、一切の迷いなくやり切る。
その姿は、笑いを超えて、ある種のかっこよささえ漂っていました。
「全力で何かをすること」は、それだけで人の心を動かす力があるのです。
海外出張の現場で学んだ「図面」と「情熱」
必死にジェスチャーを続ける姿を見て、僕は20代前半の記憶が鮮明に蘇りました。
当時、勤めていたのは海外で家具を作る会社。入社1年目、私は自ら発注した別注家具のクオリティを担保するため、自ら海外出張へと向かいました。
英語も中国語も話せませんでしたが、自分が責任を持って進めた仕事だからこそ、人任せにはできなかったのです。
現地通訳の方はいましたが、終日いてくれるわけではありませんし、専門的なディテールまでは伝わりません。
そこで唯一の共通言語となったのが「図面」であり、その場で描く「スケッチ」でした。
しかし、絵を描いてもなかなか意図は伝わりません。何度も描き直し、身振り手振りを交え、根気よく伝える。
あの時の「どうにかして伝えなければならない」というもどかしさと必死さは、まさに今回の企画で2週にわたって見せつけられたエネルギーそのものでした。
最後に必要なのは「泥臭さ」
私たちは普段、便利な「言葉」を持っています。
だからこそ、つい丁寧に伝える努力を怠ってしまうのかもしれません。
大切なプレゼン、交渉、謝罪、告白…
誰かに何かを伝えたいとき、最後に必要になるのは、スマートなテクニックではなく「なりふり構わず全力で伝える泥臭さ」ではないでしょうか。
言葉が通じない海外の現場で、図面を手に必死に伝えていたあの頃を思い出しながら、改めて「伝えることの大切さ」を学んだ2週間でした。
最後になりますが、これほどまでに本質を突き、かつ爆笑させてくれる『水曜日のダウンタウン』、そして身体を張って「伝える」姿を見せてくれたナダルさんに、心から感謝を伝えたいと思います。
ありがとうございました!
