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二宮和也の才能も語る。映画「8番出口」川村元気監督×共同脚本の平瀬謙太朗さん対談トーク

役名は「迷う男」。脚本協力もし、ゲーム好きで知られる二宮和也さん主演の映画「8番出口」が興行収入45億円を突破しましたね。

公開当初はゲームが原作だと知らずに観たけれど、斬新な映像と構成の面白さに引き込まれて、無意識に異変を探すゲームに参加させられていた。今作でも天才的な演技で魅せる二宮和也さんが、ニノらしからぬ疲弊した社会人から、生きる力を得ていくストーリー性にもグッとくる。


驚いたのが、ご本人曰く、意識したのは「引きの演技」をすること。

二宮和也さん「今回は、塩胡椒くらいの味付けくらいしかしてない。とにかく観客の皆さんの邪魔にならないよう、常に引きの演技をしていた」

【8番出口!!】もう公開してますよ!の日(IMAX先行上映の舞台挨拶)

よにのちゃんねる(YouTube)より

川村元気監督は、ニノは「編集が見えていて、ペース配分のバランスが天才的」だと舞台挨拶で話されてます。


東京の四谷にある「note place」で開催された、映画「8番出口」川村元気監督×共同脚本の平瀬謙太朗さん対談トーク「8番出口の脚本は、いかにして生まれたのか」に参加してきました。

トーク中の録音・録画・撮影は不可のため、開始前に写真を撮りました。


1. まずは、会場の様子から

「映画のポスターは、実は没になった二宮くんの撮影シーンを使っている」と川村さんが話されて、会場から「へえ〜」と驚きの声が挙がった。

撮影しながら映像を編集していたため、急遽シナリオが変わることが多く、映画に使われなかった二宮和也さんの撮影シーンもあったという。

だから「ポスターの画は、映画の中には存在しない」という貴重なお話。

登壇者の席に置かれた、ミネラルウォーターも「8番出口」

開始時刻が近づくと、ディスプレーに二宮和也さん × 川村元気さん × 平瀬謙太朗さんの写真に「8番出口の脚本はいかにして生まれたのか」というタイトルが表示され、か、カッコイイ……

トークの中盤、平瀬さんが「この写真、僕だけおかしいですよね? 真剣にディスカッションしてる2人の側で、ただボーッと立ってるような。笑」とツッコミを入れて、会場から笑いが起きた。

(公開からまだ1ヶ月のため、以下、ネタバレしない情報を中心にまとめてます。ご了承ください)



2. 川村元気監督×共同脚本の平瀬謙太朗さん対談トーク

開始早々、川村監督と平瀬さんの相性抜群な理由が明かされた。

「このゲーム面白いな。映画にしたらどうなるだろう?」

脚本の話を持ちかけようと平瀬謙太朗さんに連絡すると、「ちょうど今プロットを書いていると。まだ相談前の段階で。すごい偶然でしょ?」と笑顔で話し出す、川村監督。

阿吽の呼吸というか、面白さを追求する解像度や映画に対する視座の高さが互いに共鳴し、会話せずとも意思疎通できる間柄なのだと感じ取れる。


■ゲーム「8番出口」の特徴
KOTAKE CREATEさんが1人で制作したインディーズゲーム。
ワンシチュエーション。会話劇もなし、さらにストーリーが存在せず、明確な主人公もいない。原作で登場するのはスーツを着た男性のみ。

映画『8番出口』<映画公開記念特番『8番出口』の入口>

東宝MOVIEチャンネル(YouTube)より


川村監督の発想には冒頭から度肝を抜かされたが、中盤に差しかかると、爽やかな平瀬さんも本性を現す。ネタバレのためここでは語れませんが、いい意味で発想がぶっ飛んでいた……(お二人のトーク面白すぎた)


この映画にはいくつもの解釈が用意されていて、「異変の解釈」「ルールの解釈」「数学と美術と音楽の解釈」をテーマにお二人が語った。

川村監督「単にゲームを映画化したわけではなく、ゲームと映画の境界線が曖昧な映画体験になったら面白いなと。プレイヤーの立場で見たり、プレイする主人公を見て楽しんだり。ループする空間は、繰り返す日常をメタファーに。ゲームには物語がないけれど、人に内在する罪悪感として『異変』を表現したので、観終わったとき、これ僕らの話だよね? 僕の人生これでよかったんだっけ? と感じるような作品になってると思います」


「主人公は何を主観で見てるのか」

電車内ではスマホを見てる人が多いし、SNSを開けば、有象無象のコンテンツを広告やAIが察知してリコメンドしてくる。その人の心の中がスマホに映し出されているのではないか。だから主観をスマホに見立てて、ニノが演じる「迷う男」のスマホ画面でも主人公の心の中を表現したらしい。

川村監督「電車の窓ガラスに写った主人公の顔。疲れてるなあ…… あの感じをボトムに持ってきました」


そして、現実から非現実へ。

ループする地下鉄の地下道。撮影を繰り返し、シナリオを整えていった裏話、二宮和也さんの天性も語られた。

川村監督「主人公が最初は血色が悪くて、段々と顔色が良くなり人間味を取り戻す。モブが人間になっていく。これは二宮くんのアイデアです。あれはすごくいいアイデアだった」

平瀬さん「二宮くんはできないとか、嫌だとか絶対に言わないんですよ。さすがに叫ぶシーンの撮影が続いたときは、OK!と言うまで少しだけ間がありましたけど。笑」

川村監督「この映画はキレイな四幕構成なんです。そこにミッドポイントを設けて大きく転換させる。ここに◯◯(ネタバレ)を入れよう。ワンカットで◯◯ショーが始まり、あとから整合性を取っていった感じです」

平瀬さん「二宮くんがカバンを捨てるシーンは、自分を守る道具だったけれど、早くカバンを捨てたかった。自分はもうどうでもいいや!という分岐点としては考えてました」


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没になった驚きの裏話
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平瀬さん「最初のプロットは女の子が主人公だった」

川村監督「二宮くんがおじさん化エンディングも考えた」

川村監督「七つの大罪にあてはめようか? でも挫折した」

川村監督「最初はボレロじゃなくて、踊ってみた!に使われるようなJ-POPを考えていた」

没にした理由も語られて、サプライズトークに参加者が沸く。


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  ルールの解釈
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異変があったら引き返し、異変がなかったら進む。「実はこの2択だけ」と話す。これを人生の選択につなげ、主人公たちの出発点にする。

キャラクターたちがどういう背景を背負っていれば、映画に似合うのか。小説には、主人公の立場や環境などが記されているらしい。

「◯◯が出て、◯◯も出てきて。ああ、上りじゃなくて、下りだなあ……」

鑑賞した人にだけわかると思う、この意外性。主人公同様に異変を感じたあの場面だ。ここも含めてループになると思い、映画そのものの構造もループした。


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数学と美術と音楽の解釈
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「ゲーデル、エッシャー、バッハ、あるいは不思議の環」という哲学書を例に挙げて本質的な話もされて、アートでいうと特にこだわったのが、「8番出口」の看板だそうだ。

川村監督「カメラで撮ると色が変わるので、黄色の発色にはこだわりました。あと地下道には本物のタイルを使ってます。光の反射とか、現場に入ったときのリアルさが違った。通路が化物に見える、未知の生命体に見える。生き物のような通路になっていた」

そして、東京が抱える問題点をポスターで表現しいていた。

・高収入アルバイト
・整形クリニック✖️女子
・司法書士にお任せを(法律関係)
・地下鉄マナーあれこれ
・防犯カメラ作動中!

川村監督「エッシャーの絵は、もちろん著作権に関する使用許可の承諾を取ってます。でも映像で絵を汚すことなく、血のりも額縁ならOKというルールのもとでした」


そして音楽といえば、ラヴェルの「ボレロ」がループを象徴する。でも、ここから展開するぞというシーンには合わなかったらしい。

川村監督「最初は『迷う男』として二宮くんが登場し、ここでボレロが流れる。と考えたんですけど、成立しなくて。中田ヤスタカさんに相談して、あなたはゲームマスターだ。空間自体が生み出す音をつくってほしいと。デモを聞いたとき、天才だと思った。あの『キーン』という音とか。ゲームと映画を音楽で接地してくれた」


もうひとりの音楽担当・網守将平さんには、音でストーリーテリングするヒューマニティーな音楽を依頼した。そして、デモを何曲も聞きながら映像を編集するため、使われない曲もあったらしい。

ある女役・小松菜奈さん、おじさん役・河内大和さんの話題も上がり、意外な裏話も聞けて、終盤のあのシーンが蘇る。



最後に、ラストカットをどう終わらせるか。

「バッドエンディングだけはやめよう」と決めていたとのこと。ここでも面白い話があったのだけど、表には出せない話だと思うので(すみません)


「ほんとに難しい題材で、自分たちも結末がわからなかった」

幾度もアイデアをディスカッション。ニノも脚本協力し、何度も同じカットを撮影しながら現場で編集を行うと、なんか違うね? と再度撮り直すことも。シナリオにも何度も修正を加えていった。だから、俳優さんの演技もその都度変わっていく。


本気の天才たちが集結して、制作された映画。奇想天外なアイデアに段違いのディスカッションは、鳥肌立ちそうなレベルだった。

さらにこの記事では、川村監督が脚本を見せて、山田洋次監督、是枝裕和監督、李相日監督にアドバイスをもらった話なども紹介されていた。


制作に関わる全スタッフの熱量、俳優陣の役者魂あってこそ、成立した作品だと感じた。もちろん脚本家も不屈の精神を強いられたはず。

しかし、共同脚本の平瀬さんはいう。

「撮影現場で映像の編集をするというのは、脚本家からしたらすぐ手直しができる最高の環境でした」

とても爽やかな笑顔だった。



もう一度観に行った映画「8番出口」は、音楽が作品に与えるストーリーテリングをより感じ、主人公とともに異変を探し、主人公の心境が変化するさまをともに見届けて、観客側も生きる力を取り戻すヒューマン・ドラマという解釈が強くなったかもしれない。何度観ても、飽きさせない95分だ。


その翌日、HIKAKIN TVで本編の冒頭映像(約15分)が公開されました。

黄色の背景に「8番出口」のロゴ。初っ端からインパクト強めな映画タイトルが全画面に映し出され、ニノは映らず、スマホの画面と通勤電車の様子。スクロールするスマホ画面にも多くのヒントが隠されていた。

エンドロールで流れたHIKAKINさんの名前。ココにいたのかあ。


映画を観て、HIKAKIN TVでゲーム実況を視聴後、対談トークを聴いて、再び映画鑑賞。最後に今、小説を読んでます。映画→小説の順いいかもですよ。

そしてまた映画を観たくなる。映画鑑賞もループする作品でしょうか。


P.S.
映画制作の関係者さま、もしニュアンス違いや修正点などありましたら、ご連絡いただけますと幸いです。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。いつか映画ライターと名乗りたい!沖縄拠点&月イチ埼玉のライター みやねえでした。


たまに、映画の感想を書いてます。


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みやねえ @ 沖縄在住ライター・編集者 ご覧いただきありがとうございます。疲れたときに甘〜いオヤツ食べます♫

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