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自己肯定感ノートは、「自分責め」を書き換えるためにある

自己肯定感ノート。

そう聞くと、少し身構えてしまう人もいるかもしれません。

「毎日、前向きな言葉を書かなきゃいけない」
「自分の良いところを見つけなきゃいけない」
「感謝できることを書かなきゃいけない」
「できたことを数えなきゃいけない」
「きれいに感情を整理しなきゃいけない」

そんなふうに思うと、ノートを開く前から、少し疲れてしまいます。

買ったばかりのノートは、最初は少し希望に見えるかもしれません。
「これで変われるかもしれない」
「今度こそ、自分を整えられるかもしれない」
「ちゃんと続けたら、自己肯定感も上がるかもしれない」

そう思って、表紙のきれいなノートを選んだり、書きやすそうなペンを用意したりする。

でも、いざ書こうとすると手が止まる。

今日の良かったこと。
自分の好きなところ。
感謝できること。
前向きな言葉。
理想の自分。

そういう項目を前にした瞬間、心の中で小さく固まってしまうことがあります。

「良かったことなんて、思いつかない」
「自分の好きなところなんて、ない」
「感謝しなきゃいけないのは分かるけど、今日はそんな気分じゃない」
「前向きな言葉を書いても、嘘っぽく感じる」
「こんなことも書けない自分が嫌になる」

本当は、自分を責める毎日から少し離れたくてノートを開いたはずなのに。
書けない自分を見て、また自分を責めてしまう。

そんなことがあります。

自己肯定感ノートという言葉には、どこか「ちゃんとした自分になるためのもの」という印象があるかもしれません。

毎日続ける。
きれいに書く。
ポジティブにまとめる。
自分の良い面を見つける。
最後は前向きな結論で終わる。

もちろん、そういう書き方が合う人もいます。

でも、自己肯定感が低くなっているときに、いきなり前向きな言葉を書こうとすると、心がついてこないことがあります。

疲れている日に、無理やり「今日も幸せ」と書く。
本当は傷ついているのに、「感謝しよう」とまとめようとする。
本当は悔しかったのに、「気にしない」と言い聞かせる。
本当はもう限界なのに、「明日から頑張る」と締めようとする。

そうやって書いても、どこか苦しさが残る。

ノートの上では前向きに見えても、心の奥ではずっと、
「本当はつらい」
「本当は傷ついた」
「本当はもう頑張れない」
という声が残っている。

だから、自己肯定感ノートは、最初から無理に前向きになるためだけのものではなくていいのだと思います。

むしろ最初は、前向きになれない自分を、そのまま置いていい場所です。

「つらい」
「しんどい」
「また自分を責めている」
「本当は傷ついた」
「もう疲れた」
「何もしたくない」
「人と比べて苦しくなった」
「大丈夫なふりをするのがしんどい」

そんな言葉を書いてもいい。

きれいじゃなくていい。
まとまっていなくていい。
同じことを何度も書いてもいい。
矛盾していてもいい。
途中で止まってもいい。

ノートの中まで、ちゃんとした自分でいなくていいのです。

自己肯定感が低いとき、頭の中ではずっと自分責めが続いていることがあります。

仕事でミスをした。
人に変なことを言ったかもしれない。
LINEの返信が遅い。
誘いを断れなかった。
誰かの投稿を見て、自分だけ遅れているように感じた。
何も進まなかった一日を思い出して、夜に落ち込んだ。

そのたびに、頭の中で責める声が始まる。

「自分が悪い」
「またやった」
「本当にダメ」
「もっとちゃんとしなきゃ」
「普通の人はできるのに」
「こんな自分だからうまくいかない」

この声は、誰かに聞こえるわけではありません。
だから周りからは、普通に過ごしているように見えるかもしれません。

仕事をしている。
人と会話している。
返信もしている。
笑っている。
一応、生活は回している。

でも心の中では、ずっと自分にダメ出しをしている。

朝起きた瞬間に「今日もちゃんとしなきゃ」と緊張する。
仕事中に小さなミスをして、何度も頭の中で反省する。
人と話したあとに、「あの言い方、変だったかも」と思い返す。
夜、布団に入ってからも、今日の自分を採点してしまう。

そういう時間が積み重なると、心は休まりません。

しかも、自己肯定感が低いときほど、自分責めの声はとても自然に出てきます。

「責めている」という感覚さえないかもしれません。
ただ当たり前のように、
「自分が悪い」
「自分は足りない」
「もっと頑張らないと」
と思ってしまう。

でも、その声を頭の中だけで抱え続けていると、どんどん苦しくなっていきます。

頭の中だけだと、感情と事実が混ざりやすいからです。

たとえば、仕事でひとつ確認漏れをした。
それは本来、「確認漏れがあった」という出来事です。

でも頭の中では、
「自分は仕事ができない」
「迷惑をかける人間だ」
「また評価が下がったかもしれない」
「やっぱり自分はダメだ」
まで一気に広がってしまう。

LINEの返信が少し遅れた。
それは本来、「相手の返信がまだ来ていない」という出来事です。

でも頭の中では、
「嫌われたかもしれない」
「何か変なことを言ったのかもしれない」
「重いと思われたのかもしれない」
「自分は人間関係が下手なんだ」
に変わってしまう。

SNSで誰かの楽しそうな投稿を見た。
それは本来、「誰かが何かを投稿していた」という出来事です。

でも頭の中では、
「自分だけ何もない」
「みんな前に進んでいる」
「自分は遅れている」
「このまま何者にもなれない」
に変わってしまう。

こうして、ひとつひとつの出来事が、気づかないうちに自己否定へつながっていく。

ノートは、その声を外に出すためにあります。

自分を責めるためではありません。
自分を正すためでもありません。
反省文を書くためでもありません。
きれいな答えを出すためでもありません。

まずは、今の自分の中で何が起きているのかを知るためにあります。

「私は今、何を責めているんだろう」
「本当は何に傷ついたんだろう」
「何が怖かったんだろう」
「何を我慢していたんだろう」
「どんな言葉を、自分に向けていたんだろう」

そうやって少しずつ見ていくための場所です。

ノートに書くと、頭の中で大きくなりすぎていたものに、少し輪郭ができます。

「全部ダメ」だと思っていたけれど、実際には「今日の仕事で注意されたことが怖かった」のかもしれない。
「自分が嫌い」だと思っていたけれど、実際には「人と比べて置いていかれた気がした」のかもしれない。
「何もできない」と思っていたけれど、実際には「疲れていて動けなかった」のかもしれない。

書くことで、すぐに自己肯定感が上がるわけではありません。
急に自分を好きになれるわけでもありません。
悩みが一瞬で消えるわけでもありません。

でも、頭の中で全部が混ざっていた状態から、
「今、自分はこう感じていたんだ」
と少しだけ見えるようになる。

この小さな距離が、自己否定をほどく入口になることがあります。

自己肯定感ノートで大切なのは、立派なことを書くことではありません。

自分の気持ちを、なかったことにしないこと。
つらかった自分を、「気にしすぎ」と切り捨てないこと。
傷ついた自分を、「弱い」と責めないこと。
疲れている自分を、「怠け」と決めつけないこと。

まずは、そこからでいいのだと思います。

この記事では、自己肯定感ノートの書き方を、
きれいな実践法としてではなく、
自己否定を少しずつほどくための感情整理として書いていきます。

何を書けばいいのか。
前向きなことが書けない日はどうすればいいのか。
ネガティブな感情を書いてもいいのか。
書いているうちに見えてくる「自分への厳しさ」とどう向き合えばいいのか。
そして、ノートを自分責めの道具にしないために、どんな距離感で使えばいいのか。

上手に書けなくて大丈夫です。

毎日続かなくても大丈夫です。
途中でぐちゃぐちゃになっても大丈夫です。
同じ言葉ばかりになっても大丈夫です。
「つらい」しか書けない日があっても大丈夫です。

むしろ、その「つらい」を無視しないことから始めていい。

ノートは、前向きな自分だけを残す場所ではなく、
前向きになれない自分も、責めずに置いておける場所でいいのだと思います。

まずは、自分の気持ちを無視しない時間を、少しだけ作るところから始めていきます。

頭の中だけで考え続けると、自己否定は終わりにくい

自己肯定感が低いとき、頭の中だけで考え続けても、気持ちはなかなか整理されません。
「なんでこんなに苦しいんだろう」がずっと回り、考えるほど疲れてしまう。
感情を飲み込み続けると、自分が本当は何を感じているのかも分からなくなります。
ここでは、ノートを書く前に、まず「頭の中だけで抱える苦しさ」を見ていきます。

「なんでこんなに苦しいんだろう」がずっと回る

自己肯定感が低いとき、頭の中では同じ問いが何度も回ります。

「なんでこんなに苦しいんだろう」
「なんで普通にできないんだろう」
「なんでこんなに自分を責めてしまうんだろう」
「どうしたら楽になれるんだろう」

答えを探しているはずなのに、気づけばまた同じ場所に戻っている。

仕事で言われた一言を思い出す。
友達との会話を思い出す。
恋愛で不安になった瞬間を思い出す。
SNSで見た誰かの投稿を思い出す。

そして、そのたびに自分を責める。

「あの言い方、変だったかも」
「私だけ置いていかれてる」
「また重くなってる」
「何もできてない」

頭の中だけで考えていると、感情と事実が混ざりやすくなります。

たとえば、
「返信が来ない」
という出来事が、
「嫌われた」
に変わる。

「ミスをした」
という出来事が、
「自分はダメな人間」
に変わる。

「疲れて動けない」
という状態が、
「怠けている」
に変わる。

そうやって、出来事がどんどん自己否定に変換されていく。
考えれば考えるほど、整理されるどころか、苦しさが濃くなっていくことがあります。

自己肯定感ノートは、このぐるぐるを止めるためにあります。
答えを出すためではなく、まず頭の中で絡まっているものを外に出すために。

考えても整理できず、さらに疲れてしまう

考え続けていると、自分では一生懸命整理しているつもりになります。
でも実際には、同じ自己否定を何度も繰り返しているだけのことがあります。

「自分が悪い」
「もっと頑張ればよかった」
「なんであんなことしたんだろう」
「また同じことを繰り返してる」

こういう考えがずっと続くと、心は休まりません。

夜、布団に入っても眠れない。
お風呂に入っていても反省会が始まる。
休日なのに、過去の失敗を思い出して疲れる。
スマホを閉じても、頭の中だけがずっと忙しい。

考えることは、本来は整理につながることもあります。
でも、自己否定が強いときの思考は、整理というより攻撃に近くなることがあります。

自分を理解するためではなく、自分を責めるために考えてしまう。
だから疲れる。

考えた結果、少し楽になるならいい。
でも、考えるほど自分が嫌になるなら、それはもう整理ではなく、自分責めのループかもしれません。

ノートに書くことは、このループから少し距離を取るための方法です。
頭の中では全部が一体化していたものを、紙やメモの上に出してみる。

それだけで、
「あ、私は今こう感じていたんだ」
と少し外から見られることがあります。

感情を飲み込み続けると、自分が分からなくなる

自己肯定感が低い人は、感情を飲み込むことに慣れている場合があります。

本当は嫌だった。
でも笑って流した。

本当は傷ついた。
でも「気にしすぎ」と言い聞かせた。

本当は寂しかった。
でも「わがまま」と思って黙った。

本当は疲れていた。
でも「もっと頑張らなきゃ」と押し込めた。

そうやって感情を飲み込み続けていると、自分が何を感じているのか分からなくなります。

何が嫌なのか。
何に傷ついたのか。
何が限界なのか。
本当はどうしたかったのか。

分からなくなる。
そして、分からないまま、また自分を責める。

「なんでこんなに苦しいのか分からない」
「自分のことなのに分からない」
「どうしたいのかも分からない」

でも、それはあなたが鈍いからではありません。
ずっと自分の感情を後回しにしてきたからかもしれません。

ノートは、飲み込んできた感情を少しずつ見つける場所です。

きれいな文章にしなくていい。
正しい答えを書かなくていい。
誰かに見せる必要もない。

ただ、
「本当は嫌だった」
「傷ついた」
「怖かった」
「寂しかった」
と書いてみる。

その小さな言葉が、自分を取り戻す入口になることがあります。

もし今、「自己肯定感そのものをどう回復すればいいか知りたい」と感じるなら、記事18「自己肯定感の高め方。『自分を好きになる』より先に必要なこと」も読んでみてください。
「自己肯定感を立て直す全体像」を整理しています。

自己肯定感ノートは、「前向きになるため」だけに書くものじゃない

自己肯定感ノートというと、ポジティブな言葉や感謝、できたことを書くものだと思われがちです。
でも、自己肯定感が低いときに本当に必要なのは、まず「つらい」を否定しないことです。
ネガティブな感情を書いてもいい。
本音を出せる場所を作ることが、自己肯定感の回復につながることがあります。

まずは「つらい」を否定しない

自己肯定感を高めようとすると、つい前向きな言葉を書かなければいけない気がします。

今日の良かったこと。
感謝できること。
自分の長所。
できたこと。

もちろん、それが書ける日は書いてもいい。
でも、心が本当に疲れている日には、良かったことなんて出てこないことがあります。

そんな日に無理やり
「今日も幸せ」
「自分は大丈夫」
と書こうとしても、心がついてこない。

むしろ、
「こんなことすら信じられない」
と苦しくなることがあります。

だから、最初に書いていいのは、
「つらい」
です。

今日はつらかった。
人と比べて苦しかった。
仕事でミスして落ち込んだ。
誰かの言葉が刺さった。
何もできない自分が嫌だった。

それでいい。

自己肯定感ノートは、つらさを消すためではなく、つらさを置く場所です。

つらい感情をなかったことにしない。
つらいと感じた自分を責めない。
つらかったことを、そのまま認める。

そこから、少しずつ自分への攻撃が弱まっていきます。

ネガティブな感情を書いてもいい

ノートにネガティブなことを書いたら、余計に落ち込むのではないか。
そう感じる人もいるかもしれません。

でも、ネガティブな感情を書くことは、悪いことではありません。
むしろ、ずっと頭の中に置いておくほうが苦しいことがあります。

書くときの大切なポイントは、ネガティブな感情を「結論」にしないことです。

たとえば、
「私はダメ」
で終わるのではなく、少しだけその奥を見る。

「私はダメだと思った」
「なぜそう思った?」
「今日、上司に注意されたから」
「本当はどう感じた?」
「怖かった。迷惑をかけた気がした。見捨てられる気がした」

こうやって書いていくと、
「私はダメ」
の奥にある感情が見えてきます。

怖かった。
不安だった。
傷ついた。
疲れていた。

ネガティブな感情は、あなたを苦しめるだけのものではありません。
自分が何に反応しているのかを教えてくれるサインでもあります。

だから、ノートにはネガティブなことを書いてもいい。

ただし、自分をさらに攻撃するためではなく、
「本当は何が苦しかったのか」
を知るために書いていく。

その違いが大切です。

「本音を出せる場所」を作ることが大切

自己肯定感が低い人ほど、本音を出す場所が少ないことがあります。

人前では大丈夫なふりをする。
友達には心配をかけたくない。
恋人には重いと思われたくない。
職場では弱音を吐けない。
家族には分かってもらえない気がする。

そうしているうちに、本音がどこにも出せなくなる。
でも、出せなかった感情は消えません。

心の奥に残り続けます。
だからノートには、本音を書いていい。

「本当は嫌だった」
「本当は寂しかった」
「本当は怒っていた」
「本当はもっと大切にされたかった」
「本当は休みたかった」

誰かに見せるための言葉ではなく、自分のための言葉です。

きれいじゃなくていい。
矛盾していていい。
同じことを何度も書いていい。

本音を出せる場所があるだけで、人は少し安心します。

自己肯定感ノートは、前向きな自分を作るためではなく、隠してきた自分を少しずつ見つけるためにあっていいのです。

自己肯定感ノートで最初に書いていいこと

自己肯定感ノートに何を書けばいいか分からない人は、まず難しいテーマから始めなくて大丈夫です。
今日つらかったこと、自分を責めた瞬間、本当は言いたかった気持ち。
そのくらい具体的で身近なことからで十分です。
ここでは、最初に書きやすい内容を整理していきます。

今日つらかったこと

最初に書いていいのは、今日つらかったことです。
小さなことでいいです。

朝、起きるのがつらかった。
職場で気を遣って疲れた。
友達のLINEに返信するのが重かった。
SNSを見て落ち込んだ。
恋人の返信が遅くて不安になった。
何もできない自分を責めた。

「こんなこと書いても意味あるのかな」
と思うくらいのことでいい。

むしろ、そういう小さなつらさを拾うことが大切です。

自己肯定感が低い人は、自分のつらさを小さく扱いがちです。

「これくらいでつらいなんて」
「もっと大変な人もいる」
「自分が弱いだけ」

そうやって、つらかったことをなかったことにしてしまう。

でも、ノートではそのまま書いていい。

今日つらかったことを書くと、
「自分は何に疲れているのか」
が少し見えてきます。

つらさを認めることは、甘えではありません。
自分の状態を知るための大切な記録です。

自分を責めた瞬間

次に書いてみてほしいのは、自分を責めた瞬間です。
今日、どんなときに自分を責めたか。

ミスしたとき。
返信できなかったとき。
人と比べたとき。
何も進まなかったとき。
誰かの言葉に傷ついたとき。
疲れて休んでいたとき。

その瞬間を書いてみる。

たとえば、
「仕事で確認漏れがあって、“なんでこんなこともできないの”と思った」
「友達の投稿を見て、“自分だけ何もない”と思った」
「夜まで何もできなくて、“また一日無駄にした”と思った」

こうやって書くと、自分がどれだけ頻繁に自分を責めているかが見えてきます。

最初は少し苦しいかもしれません。
でも、見えるようになることは大切です。

見えない自己否定は止めにくい。
でも、見えるようになった自己否定は、少しずつ扱えるようになります。

「また責めてる」
と気づけるだけでも、自己否定と自分の間に少し距離ができます。

本当は言いたかった気持ち

ノートには、言えなかった気持ちも書いていいです。

本当は言いたかったこと。
本当は分かってほしかったこと。
本当は嫌だったこと。
本当は助けてほしかったこと。

たとえば、
「本当は、そんな言い方されたくなかった」
「本当は、もっとちゃんと話を聞いてほしかった」
「本当は、寂しいって言いたかった」
「本当は、疲れてるから休みたいって言いたかった」

言えなかった気持ちは、心の中に残ります。

その場では笑って流せても、あとからずっと引っかかることがあります。
ノートに書くことで、誰にも言えなかった気持ちを、自分だけは聞いてあげることができます。

それは、とても大切です。

自己肯定感が低い人は、自分の本音を自分でも軽く扱ってしまうことがあります。

でも、本音を言葉にすると、
「ああ、自分は本当はこう感じていたんだ」
と分かる。

それだけで、少し安心することがあります。

「どうやって自己否定を減らせばいいか知りたい」という人は、記事19「自己肯定感を上げる方法は、『自分責めを減らす』ことから始まる」もおすすめです。
「回復しやすい思考の整え方」を整理しています。

書いているうちに、「自分への厳しさ」が見えてくる

自己肯定感ノートを書いていると、少しずつ自分への厳しさが見えてきます。
失敗ひとつで全部を否定していたこと。
他人には言わない言葉を、自分には向けていたこと。
「ちゃんとしなきゃ」が苦しさになっていたこと。
ここでは、ノートによって見えてくる「自己否定の癖」を整理します。

失敗ひとつで全部否定していたこと

ノートを書いていると、失敗したときの自分の反応が見えてきます。

一つミスをしただけなのに、
「全部ダメ」
と思っていた。

少しうまく話せなかっただけなのに、
「自分は人と関われない」
と思っていた。

予定通りに動けなかっただけなのに、
「本当にだらしない」
と思っていた。

小さな出来事が、自分全体の否定に広がっていたことに気づくかもしれません。
これは、自己肯定感が低い人によくある反応です。

出来事と自分の価値がくっついてしまう。

ミスした。
だから自分はダメ。

断られた。
だから自分には価値がない。

疲れた。
だから自分は弱い。

ノートに書くと、このつながりが少し見えやすくなります。

「私は出来事以上に、自分を責めていたんだ」
と気づけることがあります。

その気づきは、回復の大切な一歩です。

他人には言わない言葉を、自分には向けていたこと

ノートに自分責めの言葉を書いてみると、びっくりすることがあります。
自分に向けている言葉が、かなりきついからです。

「本当にダメ」
「価値がない」
「消えたい」
「何もできない」
「こんな自分じゃ愛されない」

もし大切な友達が同じことで悩んでいたら、きっとそんな言葉は言わないと思います。

でも、自分には言ってしまう。

自己肯定感が低い人は、自分に対してだけ極端に厳しいことがあります。
ノートは、その厳しさを見える形にしてくれます。

見えると、少しだけ距離ができます。

「これは本当に事実かな」
「ここまで言わなくてもよかったかもしれない」
「自分に対して、かなりきつい言葉を使っていたんだ」

そう気づける。

気づいたからといって、すぐに優しくなれるわけではないかもしれません。
でも、まずは気づくこと。

それが、自分責めを書き換える最初の場所です。

「ちゃんとしなきゃ」が苦しさになっていたこと

ノートを書いていると、何度も同じ言葉が出てくることがあります。

「ちゃんとしなきゃ」
「もっと頑張らなきゃ」
「迷惑をかけちゃダメ」
「嫌われないようにしなきゃ」
「普通にできなきゃ」

この言葉たちは、一見まじめで前向きに見えるかもしれません。

でも、ずっと続くと苦しくなります。

ちゃんとできない日があるからです。

疲れている日。
何もしたくない日。
返信できない日。
人と会う余裕がない日。
失敗する日。

そんな日まで
「ちゃんとしなきゃ」
で自分を追い込むと、心は休まりません。

ノートに書くことで、
「自分はずっと“ちゃんとしなきゃ”に追われていたんだ」
と見えてくることがあります。

それが分かるだけでも、少し呼吸がしやすくなるかもしれません。

ちゃんとしようとしてきた自分は、悪くありません。
ただ、ずっとその声だけで生きてきたから、疲れてしまったのだと思います。

ノートを書くと、「感情」と少し距離ができる

ノートを書くと、頭の中だけで抱えていた感情と少し距離ができます。
気持ちを客観視しやすくなり、「本当は疲れていた」が見えてくる。
感情を言葉にすると、人は少し安心できることがあります。
ここでは、書くことがなぜ自己肯定感の回復につながるのかを整理します。

頭の中だけより、気持ちを客観視しやすくなる

頭の中にある感情は、とても大きく感じます。

不安が自分そのもののように感じる。
自己否定が事実のように感じる。
苦しさに飲み込まれて、他の見方ができなくなる。

でも、ノートに書くと少し違います。

紙の上に出た言葉を見ることで、
「今、自分はこう感じているんだ」
と少し外から見られるようになります。

たとえば、頭の中では
「もう全部ダメ」
と思っていたことも、書いてみると、

「今日、上司に注意されて怖かった」
「自分の価値まで否定された気がした」
「でも実際には、ひとつの確認漏れだった」

というふうに、少し分けて見られることがあります。

感情を客観視するとは、感情を冷たく分析することではありません。
感情に飲み込まれすぎないように、少し距離を作ることです。

その距離があると、自分を責める以外の見方が少しずつ入ってきます。

「本当は疲れていた」が見えてくる

ノートを書いていると、自己否定の奥に疲れがあったことに気づくことがあります。

「自分は怠けている」
と思っていたけれど、本当は疲れていた。

「人に優しくできない自分が嫌」
と思っていたけれど、本当は余裕がなかった。

「何もできない自分はダメ」
と思っていたけれど、本当はずっと緊張していた。

こういう気づきは、頭の中だけでは見えにくいです。

なぜなら、自己否定の声が大きすぎるからです。

ノートに書くことで、その声の奥にあるものが少し見えてきます。

疲れていた。
怖かった。
寂しかった。
安心したかった。
助けてほしかった。

そう分かると、自分への言葉が少し変わります。

「なんでできないの」
ではなく、
「疲れていたんだね」

「弱い」
ではなく、
「怖かったんだね」

「ダメ」
ではなく、
「ずっと無理していたんだね」

この変化が、自己肯定感にはとても大切です。

感情を言葉にすると、人は少し安心できる

感情は、言葉にならないままだと大きく膨らみやすいです。

なんとなく苦しい。
なんとなく不安。
なんとなく自分が嫌。

この「なんとなく」は、とても苦しい。

正体が分からないからです。

でも、言葉にすると少し輪郭が出てきます。

「比較して落ち込んでいた」
「嫌われた気がして怖かった」
「本当は寂しかった」
「休みたいのに休めなくてつらかった」
「ちゃんとしなきゃで疲れていた」

言葉になると、心は少し落ち着きます。

問題がすぐ解決するわけではありません。

でも、
「何が苦しかったのか分からない」
状態から、
「これが苦しかったんだ」
に変わる。

それだけで、少し安心できることがあります。

自己肯定感ノートは、自信を作るためというより、自分の感情に名前をつけるためのものです。

名前がつくと、自分を責める以外の道が見えてきます。

自己肯定感ノートは、「正しく書く」必要はない

自己肯定感ノートは、正しく書く必要はありません。
毎日続かなくてもいいし、ぐちゃぐちゃな感情のままでいい。
整理しようとしすぎなくても大丈夫です。
完璧に書こうとすると、ノートまで自分責めの道具になってしまうことがあります。
ここでは、続けやすい書き方を見ていきます。

毎日続かなくてもいい

ノートは、毎日続かなくてもいいです。

書ける日だけでいい。
思い出した日だけでいい。
苦しい日だけでもいい。
一週間空いても、また戻ってきていい。

自己肯定感が低い人は、ノートにも完璧を求めてしまうことがあります。

毎日書かなきゃ。
続けなきゃ。
きれいに整理しなきゃ。
ちゃんと効果を出さなきゃ。

でも、その考え方だと、書けなかった日がまた自己否定の材料になります。

「また続かなかった」
「やっぱり自分はダメ」

これでは苦しくなります。

ノートは、あなたを責めるためのものではありません。
だから、続かない日があっても大丈夫です。
戻ってこられたら、それでいい。

ぐちゃぐちゃな感情のままでいい

ノートには、ぐちゃぐちゃな感情を書いていいです。
矛盾していていい。

「相手に感謝している。でも苦しかった」
「好きだけど疲れた」
「頑張りたい。でももう無理」
「大丈夫と言いたい。でも全然大丈夫じゃない」

人の感情は、いつも整っているわけではありません。

好きと嫌いが混ざることもある。
感謝と怒りが同時にあることもある。
前向きになりたい気持ちと、全部投げ出したい気持ちが同時にあることもある。

それでいい。

ノートの中まで、ちゃんとした自分でいなくていい。
むしろ、ちゃんとしていない感情を出せる場所だからこそ意味があります。

「整理しよう」としすぎなくていい

ノートを書くとき、最初から整理しようとしなくていいです。

きれいな文章にしなくてもいい。
原因を分析しなくてもいい。
結論を出さなくてもいい。
前向きにまとめなくてもいい。

ただ、今あるものを書く。

「疲れた」
「嫌だった」
「分かってほしかった」
「不安」
「もう何もしたくない」

そんな短い言葉でもいい。

整理は、あとから少しずつ起きてくることがあります。
最初から整理しようとすると、書く前に疲れてしまいます。

自己肯定感ノートは、正解を書く場所ではありません。
今の自分を置く場所です。

もし今、「もっと気軽に感情整理を続けたい」と感じるなら、記事22「自己肯定感日記は、『ちゃんと頑張ってる自分』を見失わないために書く」や、記事23「自己肯定感を高める言葉は、『無理に前向き』じゃなくていい」もおすすめです。
「自分を追い込まない感情整理」を紹介しています。

まずは、「自分の気持ちを無視しない」ところから始まる

自己肯定感ノートで大切なのは、急に自己肯定感を変えることではありません。
まずは、自分の気持ちを無視しないことです。
書いていくうちに、自分を理解する感覚は少しずつ育っていきます。
ノートは、自分を責める場所ではなく、理解する場所でいいのです。

急に自己肯定感は変わらなくていい

ノートを書き始めても、すぐに自己肯定感が上がるわけではないかもしれません。

一回書いたからといって、急に自信が出るわけではない。
数日書いたからといって、自己否定が消えるわけでもない。
同じことで何度も落ち込む日もあります。

それで大丈夫です。

自己肯定感は、急に変えるものではなく、少しずつ関わり方を変えていくものだからです。

ノートの目的は、すぐに前向きになることではありません。

まずは、
「自分は何を感じているのか」
を知ること。

それだけでも十分です。

でも、「自分を理解する感覚」は少しずつ育っていく

ノートを書いていると、少しずつ自分の傾向が見えてきます。

どんなときに自分を責めやすいのか。
どんな言葉に傷つきやすいのか。
どんな人と会うと疲れるのか。
何を我慢し続けていたのか。
本当は何を求めていたのか。

それが見えてくると、自分への見方が少し変わります。

「自分が弱いだけ」ではなく、
「こういう場面で不安になりやすいんだ」

「自分がダメ」ではなく、
「ずっと頑張りすぎていたんだ」

「何も分からない」ではなく、
「本当はこう感じていたんだ」

そうやって、自分を理解する感覚が育っていきます。

自己肯定感は、自分を好きになる前に、自分を理解することから始まるのかもしれません。

ノートは、「自分を責める場所」ではなく「理解する場所」でいい

最後に、ここを大切にしたいです。

ノートは、自分を責める場所ではありません。

反省文を書く場所でもありません。
完璧な自分になるための記録でもありません。
できなかったことを採点する場所でもありません。

ノートは、自分を理解する場所でいい。

今日、自分は何に傷ついたのか。
何を我慢したのか。
どんな言葉で自分を責めたのか。
本当は何を言いたかったのか。
何が少し安心だったのか。

それを少しずつ見ていく場所。

上手に書けなくてもいい。
ぐちゃぐちゃでもいい。
同じことを何度書いてもいい。

そのたびに、自分の気持ちを無視しなかったということだからです。

もし今、「自分の状態をもっと整理したい」と感じるなら、記事30「自己肯定感診断|『今の自分』を責めずに理解するために」も読んでみてください。
「なぜ苦しくなっているのか」を整理する入口になります。

おわりに

ここまで読んでくれたあなたは、
たぶんずっと、
「ちゃんと整理しなきゃ」
「前向きにならなきゃ」
そう思いながら、自分の感情と向き合ってきた人なんだと思います。

でも実際は、
自己肯定感が低い人ほど、
・本音を飲み込んでいたり
・感情を否定していたり
・頭の中だけで抱え込み続けていたり

「自分の気持ちを置き去り」にしてしまうことがあります。

だから必要なのは、
無理にポジティブになることではなく、
「今、自分が何を感じているのか」
を、少しずつ言葉にしていくことなのかもしれません。

もし今、
・自己否定が止まらない
・感情を整理したい
・自分を理解したい
・ノートを書いても続かない

そう感じているなら、
自己肯定感を整えるための自己理解ワークnoteもまとめています。

上手に書けなくて大丈夫です。

まずは、「自分の気持ちを無視しない時間」を少しずつ作ってあげてください。

ノートを書いても、最後にまた「こんな自分がダメなんだ」と戻ってしまうことがあります。
それは書き方が悪いのではなく、心の奥にある「ちゃんとしなきゃ」が強すぎるだけかもしれません。
自分を責める前提から少し離れるために、『もう、自分を責め続けるのに疲れた。「ちゃんとしなきゃ」を手放したら、少しだけ呼吸がラクになった』で、その感覚をもう少し深く整理しています。



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