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自己肯定感の高め方。「自分を好きになる」より先に必要なこと

自己肯定感を高めたい。

そう思って、これまでいろいろ試してきた人もいると思います。

前向きな言葉を読んだ。
「自分を褒めよう」と思った。
ノートに、自分の良いところを書こうとした。
「ありのままでいい」と言い聞かせた。
朝、鏡の前で少し笑ってみようとした。
寝る前に、今日できたことをひとつ探そうとした。

もっと自信を持てたら。
もっと人と比べずにいられたら。
もっと堂々と、自分の人生を選べたら。
もっと「私は私でいい」と思えたら。

そう願ってきたのだと思います。

でも、うまくいかない。

前向きな言葉を読んだ瞬間は、少し救われた気がする。
でも、しばらくするとまた元に戻ってしまう。

誰かの投稿を見て落ち込む。
職場で少し注意されただけで、必要以上に自分を責める。
恋愛で相手の反応が薄いと、「やっぱり私は大切にされない」と感じる。
何もできなかった夜に、「今日もダメだった」と思いながら眠る。

そして、また思ってしまう。

「自己肯定感を高めたいのに、なんで変われないんだろう」
「こんなに試しているのに、どうして楽にならないんだろう」
「自分を好きになれない自分が嫌だ」
「前向きになれない自分が、また情けない」

本当は、少しでも楽になりたかっただけなのに。

自己肯定感を高めようとしたはずなのに、気づけばまた、自分を責める材料が増えていることがあります。

「自分を褒めましょう」と言われても、褒めるところが見つからない。
「ありのままでいい」と言われても、その“ありのまま”が嫌で苦しい。
「もっと自信を持って」と言われても、その自信がないから悩んでいる。
「人と比べなくていい」と分かっていても、SNSを開けばすぐに比べてしまう。

頭では分かっている。

人にはそれぞれペースがあること。
誰かと比べても苦しくなるだけだということ。
自分にも良いところがあるはずだということ。
完璧じゃなくても、生きていていいということ。

でも、心がそこまで追いつかない。

前向きな言葉を受け取ろうとしても、心の奥で「でも」と返してしまう。

「でも、私はできていない」
「でも、私は選ばれていない」
「でも、私は何も変われていない」
「でも、こんな自分を好きになんてなれない」

そのたびに、苦しくなる。

自己肯定感を高めるというと、どうしても
「自分を好きになること」
「自信を持つこと」
「ポジティブになること」
「自分の良いところを見つけること」
のように思われがちです。

もちろん、それができたら楽になる場面もあります。

でも、自己肯定感がかなり下がっているときに、いきなり自分を好きになろうとするのは、少し遠すぎることがあります。

たとえば、ずっと自分に厳しい言葉をかけ続けてきた人が、急に
「私は素晴らしい」
「私は大丈夫」
「私は愛される価値がある」
と唱えようとしても、心がついてこないことがあります。

むしろ、その言葉が信じられない自分に傷つく。

「こんな簡単な言葉も受け取れない」
「やっぱり私はひねくれている」
「前向きになれないからダメなんだ」

そうやって、自己肯定感を高めるための行動が、また自己否定につながってしまう。

これは、あなたの努力が足りないからではないと思います。

順番が少し、苦しかったのかもしれません。

自己肯定感が下がっているときに本当に先に必要なのは、もしかすると、
「自分を好きになること」ではなく、
「これ以上、自分を責め続けないこと」
なのかもしれません。

自分を好きになれなくてもいい。
自信がなくてもいい。
前向きになれない日があってもいい。
人と比べてしまう日があってもいい。
何もできなかった夜があってもいい。

そのたびに、自分をさらに追い込まなくていい。

まずは、自分を敵にしないこと。

失敗したときに、人格まで否定しない。
疲れて動けない日に、「怠けている」と決めつけない。
人と比べて落ち込んだときに、「性格が悪い」と責めない。
誰かに認められなかったときに、「自分には価値がない」と結論づけない。

自己肯定感を高める最初の一歩は、強くなることではなく、少しだけ自分への攻撃をゆるめることなのだと思います。

今まで、あなたはたぶん何度も自分に言ってきたはずです。

「もっとちゃんとしなきゃ」
「早く変わらなきゃ」
「このままじゃダメ」
「なんで普通にできないんだろう」
「もっと頑張らなきゃ」

その言葉で動けた時期もあったかもしれません。

でも、その言葉を浴び続けていると、心は少しずつ疲れていきます。

頑張っても安心できない。
休んでも罪悪感がある。
褒められても信じられない。
少しできても「まだ足りない」と思ってしまう。
うまくいかない日があると、すぐに自分を全部否定してしまう。

それは、自己肯定感が低いというより、ずっと自分の中に安心できる場所がなかった状態なのかもしれません。

だからこの記事では、自己肯定感の高め方を、無理に前向きになる方法としてではなく、少しずつ心を回復させていく順番として整理していきます。

急に自分を好きにならなくて大丈夫です。
急にポジティブにならなくて大丈夫です。
今日から別人みたいに変わろうとしなくても大丈夫です。

まずは、ここまでずっと頑張ってきた自分に、少しだけ目を向けるところから始めていきます。

どんな場面で自分を責めてきたのか。
どんな言葉で、自分を追い込んできたのか。
なぜ、前向きになろうとするほど苦しくなってしまったのか。
そして、自己肯定感を取り戻すために、本当はどんな順番が必要だったのか。

ここから、ひとつずつ言葉にしていきます。

自己肯定感を高めたいのに、うまくいかない人へ

自己肯定感を高めようとしているのに、なぜか苦しくなる人がいます。
ポジティブになろうとするほど今の自分を否定してしまい、「自分を好きになれない自分」がつらくなる。
頑張っても、安心感だけが増えない。
ここでは、自己肯定感を上げようとしているのに疲れてしまう理由を、少しずつ整理していきます。

ポジティブになろうとするほど苦しくなる

自己肯定感を高めようとすると、まず
「ポジティブにならなきゃ」
と思う人は多いかもしれません。

前向きに考えよう。
良いところを見よう。
できたことに目を向けよう。
自分を褒めよう。

たしかに、それが力になる日もあります。

でも、心がかなり疲れているときは、ポジティブな言葉がまぶしすぎることがあります。

「私は大丈夫」
「自分には価値がある」
「ありのままでいい」

そう言い聞かせても、心の奥では
「そんなわけない」
と感じてしまう。

そして今度は、前向きになれない自分を責めてしまう。

「こんな簡単なこともできない」
「またネガティブになってる」
「だから自己肯定感が低いんだ」

本当は楽になりたくて始めたはずなのに、自己否定が増えてしまう。

これは珍しいことではありません。

自己肯定感が低い状態では、前向きな言葉を受け取る心の余裕がまだないことがあります。
乾ききった土に、急に強い日差しを当てても、すぐには育たないように。

まず必要なのは、強い前向きさではなく、少し安心できる水のようなものなのだと思います。

「ポジティブになれない自分」を責めるより、
「今は前向きな言葉を受け取る余裕がないくらい疲れているのかもしれない」
と見てあげること。

そこから始めてもいいのだと思います。

「自分を好きになれない自分」がつらい

自己肯定感を高めたいと思ったとき、よく出てくる言葉があります。

「自分を好きになりましょう」

でも、この言葉に苦しくなる人もいます。

好きになれないから困っている。
認められないから苦しい。
どうしても自分を責めてしまうから、何度も悩んできた。

それなのに、
「自分を好きになりましょう」
と言われると、できない自分がまた嫌になる。

鏡を見ても好きになれない。
過去の失敗を思い出して苦しくなる。
人と比べて落ち込む。
褒められても信じられない。

そんな自分に向かって、いきなり
「好きになって」
と言うのは、少し難しすぎることがあります。

だから、自己肯定感を高める最初の目標は、
「自分を好きになる」
ではなくていいのだと思います。

まずは、
「自分をこれ以上嫌いにならない」
くらいでいい。

自分を好きになれない日があっても、さらに責めない。
自信がない自分を、すぐにダメだと決めつけない。
今の自分を好きになれない理由があるのかもしれないと見てみる。

そのくらいの小さな距離感から始めるほうが、心には優しいことがあります。

自分を好きになる前に、自分を責め続けていたことに気づく。
それだけでも、回復の始まりになるのだと思います。

頑張っても、安心感だけが増えない

自己肯定感が低い人ほど、実はたくさん頑張っていることがあります。

仕事を頑張る。
人間関係を頑張る。
恋愛を頑張る。
家族との関係を頑張る。
自分磨きも、勉強も、生活を整えることも頑張る。

でも、どれだけ頑張っても安心できない。

少しできても、
「まだ足りない」

褒められても、
「たまたま」

休もうとすると、
「こんなことしていていいのかな」

頑張っているのに、心が落ち着かない。

これは、努力が足りないからではないのだと思います。

むしろ、頑張ることで自分の価値を作ろうとしてきたから、頑張っていない自分が怖くなっているのかもしれません。

ちゃんとしていれば大丈夫。
役に立てば大丈夫。
期待に応えれば大丈夫。
嫌われなければ大丈夫。

そうやって安心を得ようとしてきた。
でも、その安心はとても不安定です。

頑張れているときだけ、少し安心できる。
でも疲れて動けなくなると、一気に自分を責めてしまう。

自己肯定感を高めるには、頑張る量を増やすより先に、
「頑張っていない自分でも、価値が全部消えるわけではない」
という感覚を少しずつ育てる必要があるのかもしれません。

もし今、「何をしても自己肯定感が上がらない」と感じているなら、記事26「自己肯定感が上がらないのは、あなたがダメだからじゃない」も読んでみてください。
「回復できない感覚」には、ちゃんと理由があります。

自己肯定感は、「無理に前向き」になるほど壊れやすい

自己肯定感を高めようとして、無理に前向きになろうとすると、かえって苦しくなることがあります。
「変わらなきゃ」が自己否定になり、できない日まで責め続けてしまう。
本当に必要なのは、明るく振る舞うことではなく、心が少し安心できる感覚を取り戻すことなのかもしれません。

「変わらなきゃ」が自己否定になることがある

変わりたい。

そう思うことは自然です。

もっと自信を持ちたい。
人と比べないようになりたい。
恋愛で不安になりすぎないようにしたい。
仕事で自分を責めすぎないようにしたい。
もっと楽に生きたい。

その気持ちは、とても大切です。

でも、気づかないうちに
「変わりたい」

「今の自分じゃダメ」
に変わってしまうことがあります。

自己肯定感を高めるために努力しているはずなのに、根っこでは今の自分を強く否定している。

だから苦しくなる。

「こんな自分を直さなきゃ」
「早く変わらなきゃ」
「いつまでもこのままじゃダメ」
「前向きになれない自分は弱い」

この言葉は、心を回復させるより、追い詰めてしまいます。

もちろん、変化することは悪くありません。

でも、自己否定を燃料にして変わろうとすると、途中で疲れ切ってしまうことがあります。

自己肯定感の回復は、今の自分を叩いて変えることではないのだと思います。

「今の自分には、こうなる理由があった」
「ここまで自分を責めながら生きてきた」
「だから少しずつ扱い方を変えていこう」

そんなふうに、理解から始まる変化のほうが、心には長く続きやすいのかもしれません。

できない日まで責め続けてしまう

自己肯定感を高めようと決めたのに、できない日があります。

ノートを書けない。
前向きな言葉を言えない。
運動できない。
生活を整えられない。
人に優しくできない。
自分を褒める気になれない。

そんな日があります。

でも自己肯定感が低い人ほど、できない日を責めてしまう。

「また続かなかった」
「本当に意志が弱い」
「だから変われない」
「何をやってもダメ」

回復しようとしていたはずなのに、できなかった自分をまた責める。

これでは、回復のための行動が自己否定の材料になってしまいます。

本当は、できない日があってもいいのだと思います。
心が疲れているときは、何かを続けること自体が難しいです。

朝起きるだけで精一杯の日もある。
返信を返すだけで疲れる日もある。
人と会うだけで心が削れる日もある。

そんな日に、自己肯定感を高めるための行動まで完璧にこなそうとしなくてもいい。

できない日を責めるより、
「今日はそれだけ疲れていたんだ」
と見てあげること。

それも、自己肯定感を取り戻す練習のひとつです。

本当に必要なのは、「安心できる感覚」だった

自己肯定感に本当に必要なのは、強い自信ではなく、安心感なのかもしれません。

失敗しても、全部終わりではない。
嫌われたかもしれないと思っても、自分の価値まで消えない。
頑張れない日があっても、生きていていい。
誰かに認められない日も、自分を全否定しなくていい。

そういう安心です。

自己肯定感が低い人は、ずっと心が緊張していることがあります。

ちゃんとしなきゃ。
迷惑をかけちゃダメ。
嫌われたら終わり。
失敗したら価値がない。
もっと頑張らなきゃ。

その緊張の中で、無理に前向きになろうとしても、心は安心できません。

まず必要なのは、緊張を少し緩めること。

今日できなかったことを責めすぎない。
苦しいときに苦しいと認める。
疲れている日は刺激を減らす。
自分を責める言葉に気づく。

小さな安心を積み重ねることで、自己肯定感は少しずつ戻っていきます。

「もっと具体的に、自己肯定感を上げる方法を知りたい」と感じる人は、記事19「自己肯定感を上げる方法は、『自分責めを減らす』ことから始まる」へ。
回復を急ぎすぎない「現実的な整え方」を整理しています。

まず必要なのは、「自分を責め続けていた」と気づくこと

自己肯定感が低い人ほど、自分に厳しすぎることがあります。
普通にできない自分が許せず、生きづらさの多くが終わらない自己否定から始まっている。
まず必要なのは、自分を好きになることより、「自分はずっと自分を責め続けていた」と気づくことです。

自己肯定感が低い人ほど、自分に厳しすぎる

自己肯定感が低い人は、怠けている人ではないと思います。

むしろ、自分に厳しすぎる人が多いです。

他人には言わないような言葉を、自分には平気で言ってしまう。

「なんでこんなこともできないの」
「本当に情けない」
「もっとちゃんとしなきゃ」
「自分なんかが休んでいいわけない」
「また失敗した。やっぱりダメだ」

もし大切な友達が同じことで苦しんでいたら、きっとそんな言い方はしないと思います。

「よく頑張ってるよ」
「それは疲れるよね」
「少し休んでもいいんじゃない」
「全部あなたが悪いわけじゃない」

そう言えるかもしれません。
でも、自分には言えない。

自分には厳しくしないとダメになる気がする。
許したら甘える気がする。
責めないと頑張れない気がする。

だからずっと、自分を追い立ててきた。

でも、自分を責めることでしか動けない状態は、長く続くと心を削ります。

自己肯定感を高めるためには、まず
「自分に向けている言葉が、かなりきつい」
と気づくことが大切なのだと思います。

「普通にできない自分」が許せなくなっている

自己肯定感が低い人は、「普通にできない自分」を責めがちです。

普通に働けない。
普通に人付き合いできない。
普通に恋愛できない。
普通に返信できない。
普通に休めない。
普通に前向きになれない。

そのたびに、
「自分はおかしい」
と思ってしまう。

でも、その「普通」は本当に今の自分に合っているのでしょうか。

人によって、持っている疲れも、育ってきた環境も、心の反応も違います。

誰かにとって簡単なことが、自分にとってはとても重いこともある。

LINEを返すだけで疲れる日もある。
職場に行くだけで精一杯の日もある。
人と会ったあと、何日も回復に時間がかかることもある。

それでも自分に向かって、
「普通はできるのに」
と言い続けると、心はどんどん苦しくなります。

普通にできない自分を責める前に、
「自分にとって何がそんなに重かったんだろう」
と見てあげること。

その視点が、自己肯定感の回復には必要なのかもしれません。

生きづらさの多くは、「終わらない自己否定」から始まる

生きづらさの中には、出来事そのものより、そのあとに続く自己否定が苦しさを大きくしていることがあります。

ミスをした。
それだけなら、対処すればいいかもしれない。

でもそのあとに、
「自分は本当にダメ」
「もう信用されない」
「消えたい」
まで行ってしまう。

人と会って疲れた。
それだけなら、休めばいいかもしれない。

でもそのあとに、
「人付き合いもまともにできない」
「こんな自分は面倒」
と責めてしまう。

恋愛で不安になった。
それだけなら、自分の気持ちを見ることができるかもしれない。

でもそのあとに、
「重い」
「愛されない」
「だからダメなんだ」
と自分を責めてしまう。

出来事のあとに、必ず自己否定がついてくる。

それが続くと、人生全体が苦しくなります。

自己肯定感を高めることは、毎日自分を褒め続けることではなく、まずこの終わらない自己否定に気づくことなのだと思います。

もし今、「毎日の中で少しずつ整えたい」と感じるなら、記事20「自己肯定感を高める習慣は、『自分を追い込まないこと』だった」もおすすめです。
「回復しやすい生活感覚」について整理しています。

自己肯定感は、『感情を無視しないこと』で少しずつ戻ってくる

自己肯定感は、自分の感情を無視しないことで少しずつ戻ってくることがあります。
つらい日に「つらい」と認める。
頑張れない日があっても価値は減らないと知る。
安心できる時間を少しずつ増やす。
自分の感情を敵にしないことが、回復の土台になります。

つらい日に、「つらい」と認めていい

自己肯定感が低い人は、つらいときに
「つらい」
と認めるのが苦手です。

これくらいでつらいなんて甘え。
もっと大変な人もいる。
自分が弱いだけ。
ちゃんとしなきゃ。

そうやって、自分のつらさを小さく扱ってしまう。
でも、つらいものはつらいです。

誰かと比べて軽くなるものではありません。

仕事で疲れた。
人間関係で傷ついた。
恋愛で不安になった。
SNSを見て落ち込んだ。
何もできない日が苦しかった。

その感情を、まずはそのまま認めてもいい。

「つらかったんだね」

その一言を自分に向けるだけで、少しだけ心が緩むことがあります。

自己肯定感を高めるというと、つらさを消すことだと思ってしまうかもしれません。
でも本当は、つらさを否定しないことから始まることもあります。

感情を無視し続けると、自分との信頼関係が崩れていきます。
自分がつらいと言っているのに、自分でそれを否定する。

その繰り返しが、自己肯定感をさらに下げてしまうのです。

頑張れない日があっても価値は減らない

頑張れない日があります。

何も進まない日。
返信できない日。
布団から出るのが遅くなる日。
やるべきことを後回しにする日。
人と話す気力がない日。

そんな日があると、自己肯定感が低い人はすぐに自分を責めます。

「また何もできなかった」
「本当にダメ」
「こんな自分には価値がない」

でも、頑張れない日があるからといって、価値が減るわけではありません。

ただ疲れていた。
余裕がなかった。
心が休みを必要としていた。
それだけかもしれない。

人はいつも同じようには頑張れません。

調子がいい日もあれば、悪い日もあります。
動ける時期もあれば、立ち止まる時期もあります。

頑張れない自分を責め続けるより、
「今日は回復が必要な日だったのかもしれない」
と見てあげる。

それも、自己肯定感を育てる小さな練習です。

安心できる時間を増やすことが土台になる

自己肯定感の回復には、安心できる時間が必要です。

誰にも評価されない時間。
何かを生産しなくてもいい時間。
返信を急がなくていい時間。
ただ温かいものを飲む時間。
スマホを置いて、少しぼんやりする時間。

そんな小さな時間です。

自己肯定感が低い人は、安心することに慣れていない場合があります。

休んでいると罪悪感が出る。
何もしていないと不安になる。
自分を責めていないと、逆に落ち着かない。

でも、心は安心の中で少しずつ回復します。

ずっと緊張していたら、自分を肯定する余裕は生まれにくい。
だからまずは、生活の中にほんの少し安心できる時間を増やすこと。

それは大きな変化ではなくていい。

寝る前の10分だけSNSを見ない。
朝、急いで自分を責める前に深呼吸する。
疲れている日は予定を詰め込みすぎない。
嫌な言葉を言われたあと、自分まで自分を責めない。

その小さな積み重ねが、自己肯定感の土台になっていきます。

「頭の中の自己否定を整理したい」という人は、記事21「自己肯定感ノートは、『自分責め』を書き換えるためにある」へ。
感情を書き出しながら、「自分との距離感」を整える方法を紹介しています。

回復は、「特別な努力」より小さな積み重ねだった

自己肯定感の回復は、特別な努力や大きな変化だけで起きるものではありません。
急に自信を持てなくてもいい。まずは「傷つき続けない」を目標にする。少し安心できるだけでも、人は変わり始めます。
ここでは、日常の中で無理なく回復していく感覚を整理していきます。

急に自信を持てなくてもいい

自己肯定感を高めようとすると、急に自信を持たなければいけないように感じることがあります。

堂々とする。
自分を好きになる。
人と比べない。
失敗しても落ち込まない。
他人の評価に振り回されない。

そんな自分にならなきゃと思う。
でも、急にそこまで行かなくていいのだと思います。

長いあいだ自己否定してきた人が、明日から自信満々になるのは難しいです。

むしろ、急に変わろうとすると、できなかったときにまた自分を責めてしまいます。

だから目標はもっと小さくていい。

今日は、自分を責める言葉に一回気づけた。
今日は、無理な予定をひとつ減らせた。
今日は、つらいと感じたことを否定しなかった。
今日は、できなかった自分を責めすぎずに眠れた。

それだけでもいい。

回復は、劇的に変わることだけではありません。

少し責める声が弱まる。
少し休める。
少し自分を見捨てずにいられる。

その小さな変化が、自己肯定感を少しずつ育てていきます。

まずは、「傷つき続けない」を目標にする

自己肯定感を高める前に、まず
「傷つき続けない」
ことが大切な場合があります。

自分を責める言葉を浴び続ける。
疲れる人間関係に無理して合わせ続ける。
SNSで比較し続ける。
仕事で限界まで頑張り続ける。
恋愛で我慢し続ける。

そんな状態で自己肯定感を高めようとしても、心は回復しにくいです。

傷が増え続けているからです。

だからまずは、新しく傷つく量を少し減らす。

疲れる日はSNSを見ない。
会うと消耗する人との予定を少し減らす。
無理な頼まれごとを全部引き受けない。
自分を責める言葉に気づいたら、少し止まる。

それは逃げではありません。
回復のための土台づくりです。

自己肯定感を高めるというより、まず自己否定の量を減らす。
この順番のほうが、心には現実的なことがあります。

少し安心できるだけでも、人は変わり始める

大きな自信がなくても、人は少し安心できるだけで変わり始めます。

今日は責められなかった。
今日は少し休めた。
今日は誰かに合わせすぎなかった。
今日は苦しい気持ちを言葉にできた。
今日は自分を全否定せずに済んだ。

そういう小さな安心が積み重なると、心の中に余白ができます。

余白ができると、自分を少し見られるようになる。
自分を少し見られると、感情に気づけるようになる。
感情に気づけると、自分の望みや限界も少しずつ分かってくる。

自己肯定感は、いきなり高くなるものではなく、安心の中で少しずつ戻ってくるものなのかもしれません。

「毎日できる小さな習慣が知りたい」と感じる人は、記事22「自己肯定感日記は、『ちゃんと頑張ってる自分』を見失わないために書く」や、記事23「自己肯定感を高める言葉は、『無理に前向き』じゃなくていい」もおすすめです。
「日常の中で少しずつ回復する方法」を整理しています。

「もう無理かもしれない」と感じている人へ

自己肯定感は、一度かなり下がることがあります。
「もう無理かもしれない」と感じるほど、自分を責め続けてしまう時期もある。
でもそれは、回復できないという意味ではなく、回復の順番を知らなかっただけかもしれません。
まずは、壊れた自分を責めないことから始まります。

自己肯定感は、一度かなり下がることもある

自己肯定感がかなり下がっているとき、人は自分を支える力が弱くなります。

何をしてもダメに見える。
人の言葉にすぐ傷つく。
小さな失敗で一気に落ち込む。
何もできない自分に絶望する。
生きているだけで疲れる。

そんな状態になることがあります。

そのとき、
「自分はもう終わりかもしれない」
と思うかもしれません。

でも、自己肯定感はずっと同じ高さにあるものではありません。

環境。
疲労。
人間関係。
恋愛。
仕事。
過去の経験。
日々の自己否定。

いろんなものの影響で、かなり下がる時期があります。
自己肯定感が下がりきっているときは、前向きな言葉が入らないこともあります。

それは、あなたが回復できない人だからではなく、今の心がかなり疲れているということなのだと思います。

でも、「回復の順番」を知らないだけかもしれない

自己肯定感を高めようとしてもうまくいかないと、
「自分には無理なんだ」
と思ってしまうかもしれません。

でも、もしかすると、回復の順番を知らなかっただけかもしれません。

いきなり自分を好きになる。
いきなり前向きになる。
いきなり行動を変える。
いきなり人と比べなくなる。

それは、心が疲れている人には難しすぎることがあります。

順番としては、もっと手前が必要です。

まず、自分を責めていることに気づく。
次に、責める言葉を少し減らす。
そして、安心できる時間を増やす。
感情を言葉にする。
傷つく関係や刺激から少し距離を取る。
少しずつ、自分を敵にしない感覚を育てる。

この順番で進むほうが、心はついてきやすいかもしれません。

まずは、「壊れた自分」を責めないことから始まる

もう無理かもしれない。
そう感じているときに、必要なのは根性ではないのだと思います。

壊れた自分を責めないこと。

動けない自分。
泣いてしまう自分。
何もできない自分。
人と関われない自分。
前向きになれない自分。

その自分に向かって、さらに
「なんでできないの」
と言い続けると、心はもっと苦しくなります。

まずは、
「ここまで疲れていたんだ」
と見てあげること。

壊れたように感じるのは、ずっと耐えてきたからかもしれません。
限界まで頑張ってきたから、今動けなくなっているのかもしれません。

もし今、「全部リセットしたいくらい苦しい」と感じるなら、記事24「自己肯定感をリセットしたい人へ。『もう無理』の前に読んでほしい」や、記事25「自己肯定感はもう手遅れだと思っている人へ」も読んでみてください。
限界まで頑張ってしまう人ほど、「立て直し方」を知らないだけかもしれません。

自己肯定感は、「今の自分を少し理解すること」から始まる

自己肯定感は、急に自分を好きになることから始めなくてもいい。
まずは、自分を敵にしないこと。
今の自分に何が起きているのかを少し理解すること。
安心感は、少しずつ作り直していけます。
最後に、自己肯定感を高めるうえで大切な土台を整理していきます。

急に自分を好きにならなくていい

何度でも書きたいのですが、急に自分を好きにならなくていいです。

好きになれない日があってもいい。
自信がない日があってもいい。
人と比べてしまう日があってもいい。
自分に優しくできない日があってもいい。

それでも、回復は始められます。

自己肯定感を高めるという言葉は、どこか明るくて強い印象があります。
でも実際の回復は、もっと静かなものかもしれません。

今日は、自分を責めすぎなかった。
今日は、疲れていることを認めた。
今日は、無理な予定を入れなかった。
今日は、少しだけ安心できる時間を作った。

そのくらいの小さな変化です。

自分を好きになることを急がなくていい。

まずは、自分をこれ以上傷つけないところから始めてもいいのだと思います。

まずは、自分を敵にしない

自己肯定感が低いと、自分が自分の一番厳しい敵になってしまうことがあります。

誰よりも自分を責める。
誰よりも自分を否定する。
誰よりも自分に冷たい言葉をかける。

その状態で生きるのは、とても疲れます。

だからまずは、自分を味方にできなくてもいいから、敵にしない。

失敗したときに、人格まで否定しない。
疲れているときに、怠けだと決めつけない。
不安になったときに、弱いと切り捨てない。
頑張れない日に、価値がないと責めない。

それだけでも十分です。

自分を励ませなくてもいい。
自分を褒められなくてもいい。

ただ、攻撃しすぎない。

それが、自己肯定感を高める最初の土台になるのだと思います。

安心感は、少しずつ作り直していける

安心感は、少しずつ作り直していけます。

時間はかかるかもしれません。

長いあいだ自分を責めてきた人ほど、すぐには変わりません。
安心することに慣れていない人ほど、休むことにも罪悪感が出ます。
誰かの評価で自分を測ってきた人ほど、自分の感覚を取り戻すのに時間がかかります。

でも、それでも少しずつ作り直していけます。

自分の感情を無視しない。
自分を責める言葉に気づく。
疲れる関係から少し距離を取る。
書くことで感情を整理する。
小さな安心を生活の中に増やす。

その積み重ねで、心は少しずつ
「自分を責めなくても大丈夫かもしれない」
と覚えていきます。

自己肯定感は、無理やり高くするものではなく、安心の中で少しずつ戻ってくるもの。

そう考えるだけでも、少し呼吸がしやすくなるかもしれません。

もし今、「自己肯定感がゼロに近い」と感じているなら、記事27「自己肯定感ゼロの人は、『生きてるだけで消耗』している」もおすすめです。
「限界まで自己否定してしまう状態」について整理しています。

おわりに

ここまで読んでくれたあなたは、
たぶんずっと、
「自己肯定感を高くしなきゃ」
「もっと自信を持てるようにならなきゃ」
そう思いながら、頑張ってきた人なんだと思います。

でも実際は、
自己肯定感が低い人ほど、

・自分を責め続けていたり
・安心する感覚を知らなかったり
・頑張ることで価値を作ろうとしていたり

「回復より先に消耗」していることがあります。

だから必要なのは、
急に自分を好きになることではなく、
「なぜここまで苦しくなったのか」
を理解しながら、
少しずつ「自分を削らない感覚」を取り戻していくことなのかもしれません。

もし今、
・自己否定が止まらない
・何をしても苦しい
・自己肯定感を根本から立て直したい
・安心できる感覚を作りたい

そう感じているなら、
自己肯定感を回復するためのロードマップnoteもまとめています。

無理に前向きにならなくて大丈夫です。

まずは、「ここまで頑張ってきた自分」を責めないところから始めてみてください。

そして、自己肯定感を高めようとすると、つい「もっと習慣化しなきゃ」「前向きにならなきゃ」と、自分に課題を増やしてしまうことがあります。

でも、回復は自分を追い込むことから始まるとは限りません。

まず責める声を少しゆるめたい方へ、『もう、自分を責め続けるのに疲れた。「ちゃんとしなきゃ」を手放したら、少しだけ呼吸がラクになった』を置いておきます。



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