文字を持たなかった昭和 帰省余話(2024秋 28) グループホーム③ 施設の一日、一週間

(「グループホーム②」より続く)
 ミヨ子さん(母)が入所中の施設(グループホーム)は、用事があって電話をかけてもなかなか出てくれない。いつも忙しいのだろう、そもそも人手が足りないのだろう、ということは想像がつくがいったいいつの時間帯なら比較的電話に出やすいのか、わたしはずっと聞きたいと思っていた。

 そこで帰省中、ミヨ子さんの面会に行ったある日、施設について少し詳しい話を聞きたいと申し出た。その手の話になると、おそらくパート勤務であろう女性の皆さんは尻込みする。というか、そんなのは私たちの仕事ではない、という雰囲気がありありだ。指定されたのは、男性のケアマネージャー(ケアマネ)さんが出勤後比較的手が空いているという時間帯だった。
 ケアマネさんの話を総合するとこんな感じである。

〇一日のスケジュール
06:00頃 早番が出勤、朝食の準備
07:00~:30頃 朝食。午前中はレクリエーションやラジオ体操などの活動。
11:30~12:00 昼食。
午後 入浴。(利用者は月水金か、火木土、つまり週3回入浴)
17:30~18:00 夕食。寝る前に口腔ケアなど。
これ以外に、わたしが知る限り午前と午後におやつの時間がある。

〇一週間のスケジュール
一日ずつのスケジュールを繰り返す感じ。日曜日はとくに活動を入れていない。

〇補足
スケジュールはあくまで目安で、個人や全体の状況によって調整されるため、定時・定期的とは限らない。

 ――といったところだ。これで、ミヨ子さんは「いま」何をしているところか、やっと想像がつくようになった。

 早番があるということは遅番があり、夜勤もあると思う。「①概要」で触れたように、日中は3人、夜勤は1人確保されているはずだ。

 いちばん聞きたかった疑問、「いつなら比較的電話に出やすいのか」については、昼食後、午後の活動が始まるまで(12:00~13:30)は職員さんたちの休憩時間で、この時間帯なら対応しやすいとのこと。休憩時間でもいいのか、と念を押したが、そのほうがいいと言われた。

 もっとも、男性のケアマネさんと、「現場」を回す職員さんたち(ほとんどが中年以上の女性)の間には認識の違いがありそうだ。休憩時間だって、入所者に何かあれば手を差し伸べないわけにいかないだろう。

 あとで聞いた話では、ケアマネさんは入職してからわりあい日が浅く、ベテランのパートさんの発言力のほうが強いとか。そういう、目に見えない力関係も働くだろう。(それはどこの職場も同じだが)

 いずれにしても、介護の仕事は大変であることに変わりはない。そこで――どんな雇用形態にせよ――日々お世話してくださっている方々がいることに、感謝とある種の驚嘆を感じている。「わたしにはとても続かない」という意味で。

 翻って、便利な介護用品はもちろん介護の概念すらなかった時代、現役主婦のミヨ子さんは舅姑を自宅でお世話し、看取った〈293〉。いったいどのくらいの「困難」があったのか。家事も農作業もしながらのお世話を負担に思わなかったはずはない。その分をいま返してもらっている、と考えれば、介護される側の家族としては少しは気分が楽だが、介護の大変さが減じるわけでもない。

 介護現場に少しだけ近づいてみると、考えさせられることはますます増えるのだった。

〈293〉ミヨ子さんの舅姑の介護については「文字を持たなかった昭和 介護」として「 (1)当時の状況」~「(23)まとめ」で述べた。

いいなと思ったら応援しよう!