Lonnie Smith - Think(1968)
ロニースミスのブルーノート第一弾。会社はこの新しいオルガン奏者にかなり期待をかけたのか自社からはベテランを、さらにアトランティックとプレスティッジからも腕利きを呼び寄せています。そしてもちろんメルヴィンも。彼はロニーの一枚目の作品にも参加していて、同世代のオルガン奏者を前に張り合っています。音楽全体を見ると16ビートこそないものラテンリズムの導入、ヒット曲のカバーとジャズファンク前夜と言った内容でその熱気も相まってただならぬものを感じます
メンバー
ロニースミス:オルガン
デイヴィッドニューマン:テナーサックス
リーモーガン:トランペット
メルヴィンスパークス:ギター
マリオンブッカーjr:ドラム
プーチョ:ティンバレス
ノルベルトアペラニス、ウィリーヴィベンス:コンガ
Son Of Ice Bag
ヒューマセケラのカバー。ティンバレスやコンガをドラムセットに置き換えたようなプレイと低くうねるオルガンベースが圧巻です。メルヴィンのソロは音色こそまろやかなもののシーケンスフレーズやブルースフレーズなどいなたいフレーズを繰り出します。ニューマンやモーガンのソロも泥臭いです。ロニースミスのソロは泥臭さのなかにのちに見せる奇抜さが滲んでいます。
The Call Of The Wild
スピリチュアルな雰囲気の長いイントロが印象的な曲でプーチョとラテンソウルブラザーズのパーカッション隊が参加。イントロが終わると短いテーマを挟みパーカッション隊の長いブレイクへ。プーチョのティンバレスに二つのコンガが絡みます。キレのいいメルヴィンのリズムをバックにゴボゴボと湧き出るようなベースと少し捻くれたオルガンが暴れます。おおらかでアーシーなテナーはさすがファットヘッド。メルヴィンの正確でダレない刻み方や裏方に徹する姿勢はロックンロールやR&Bで鍛えた職業意識でしょうか。最後はまたイントロと同じスピリチュアルなテーマで終わります。
Think
アリサフランクリンのカバーでアドリブよりメロディをいかにファンキーに弾くかを重視しています。こうしたスタイルをスパークスは特に新しいスタイルを創造したことにはならないと思うとしつつも、仕事のためのコマーシャルな受け入れられやすいものでありながら演奏する側はジャズの醍醐味を味わえる音楽を作ろうという努力が結果的に創造的な行為となったんじゃないかとも回想しています。彼のインタビューからは人柄の良さを感じられると同時にミュージシャンとしてシーンに関わっていたからこその鋭い洞察が多数あります。
Three Blind Mice
トラディショナルでソロ1番手がメルヴィン!マリオンブッカーのファットバックドラムにのってシーケンスを混じえた短いソロを披露して2番手はリーモーガン。リーダー作ではハードバップから新主流派、さらにその先となんとか時代に追いつこうと試行錯誤していた頃ですが吹っ切れたかのようにシンプルかつキャッチーなアドリブを披露します。
Slouchin'
再びパーカッション隊が参加。まずはメルヴィンのソロから。ジョージベンソンと間違えそうなほどスタイルが似ていますがシーケンスのクドさはジョージ以上です。マリオンブッカーはロニースミスやジミーマクグリフと共演経験のあるドラマーですが一方でデビュー前のジミヘンあるいは彼がいたカーティスナイトのバンドにもいた少しメルヴィンにも通ずる経歴の持ち主です。
