Junior Parker - I Tell The Stories Sad And True, I Sing The Blues, And Play Harmonica Too, It Is Very Funky(1972)
笑顔を浮かべた自分の顔のお面?を手にもって苦悩の顔を浮かべるジュニアパーカー。くどいタイトルはあなたが悲しくも真実のブルースを歌い、ハーモニカを吹き、それがとてもファンキーだったことなんて言わなくともこのレコードを手に取った人なら皆知っていますと言いたくなりますが、そんな些細な突っ込みどころがあるほうがなぜか愛着がわくものです。本作はシカゴのP&Sレコーディングスタジオという場所で録音されたもので、プロデューサーのソニーレスターは麻布、ブリキ、包装箱で作られたスタジオに照明はなく、コントロールルームにはコンソールがなく機械はすべてガラクタをつなぎ合わせたものだったと回想しています。しかしそこのエンジニアの腕を褒め、本当に必要なのは耳とノウハウであるという主張を証明していると続け、楽しい思い出になったと締めくくっています。確かに劣悪な環境で録音されたとは思えないほど録音はよく、演奏からはブルースだけでなくR&Bやジャズ系の人も入れてほどよくファンキー&ソウルフルな演奏がリラックスして繰り広げられています。そんな演奏とほどよく甘く、いい意味でブルースらしくないパーカーのボーカルがぴったりはまった一枚です。
メンバー
ウェインベネット:ギター
マレイワトソン:トランペット
ジェイムズバージ:テナーサックス
ウィリーヘンダーソン:バリトンサックス
フロイドモリス:ピアノ、オルガン
リチャードエヴァンス、フィルアップチャーチ:ベース
ロバートクラウダー:ドラム
ソニーレスターにしてはかなり正確にクレジットを残しています。やればできるならなぜやらない?
Funny How Time Slip Away
フィルのごつごつとしたベースと哀愁あふれるギターにオルガンが切なくもどこか甘いブルースナンバー。ハーモニカも超絶技巧というわけではないですがその素朴さが哀愁あふれる演奏に溶け込んでいます。長い語りや甘いボーカルも哀愁があってとてもを良しです
Going Down Slow
タイトなドラムにのってほどよくファンキーなギターと甘いボーカルが緩く流れます。ギターのウェインベネットはバディガイ、ジミーリード、オーティスラッシュ、etc..とそうそうたるブルースマンのバックを務めてきた人物です。
Stranger In My Own Home Town
チャリーン、チャリーンという高音弦を使ったリフが印象的なファンキーブルース。ソロもほどよいテクニカルさで僕好みです。
Hard Luck Blues
イントロの語りとドラムの掛け合い、ピアノ、語りに近い歌い方といい王道のブルーススタイルの一曲。ハーモニカもいい感じです。
No-One Knows(The Door Is closed)
リチャードエヴァンスのファンキーなベースが光る一曲。ドラムもバーナードパーディを意識したようなたたき方でものすごくファンキー!参加作品は少ないですがラテンジャズが本職のようです。
I'd Rather Drink Muddy Water
絶倫男のフレーズを使ったアレンジが施されています。ホーンが絶倫男のあのブルージーなフレーズでガンガン迫ります。
My Jug And I (Got Up This Morning)
ファンキーなブルースナンバー。フィルのごつごつとしたぶっきらぼうなベースがたまらなくかっこいいです。
I Done Got Over It
ソウル風の曲でこちらのベースはリチャードエヴァンス。フィルとリチャードの聴き比べも楽しいです。セッションギタリストが弾きそうなブルージーだけどジャズ由来の洗練も感じる都会風のギターソロやシャウトも実にかっこいいです。
The Things I Used To
ホンカーテナーがかっこいいジャズ風でファンキーな一曲。
