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【ペット保険は本当に必要なのか?】タンス貯金で十分派に伝えたい、見えない費用の落とし穴

よく、こんなお話を耳にしたり投稿を目にします。「ペット保険に加入するよりも、タンス貯金にしておいた方が得だ」と。

保険の掛け金と実際の補償額を考えたら、結局タンス貯金しておいて、もしもの時にそこから出した方が、計算してみたら得だと思ったというお話です。

なるほど。掛け金も年々高くなり、補償額も保険会社が70%負担と言っても「年間○○円まで」「1回〇円まで」といった制限があるため、健康な子ほどそう思うのだと思います。

ただ、私はこの考えの中に「予防歯科」についての考えが抜けているのでは?と思ってしまうのです。

年1回のスケーリング、実際の自己負担額は?

基本的に、人と同じように3か月に1回程度のペースで検診しつつ、全身麻酔をかけてのスケーリングをいつするかの相談を獣医師とし、年1回程度の全身麻酔のスケーリングをしていくという考え方があります。

費用は状態や抜歯する本数などでも変わってきますが、抜歯なし・入院が無い状況で、私の歯科の主治医の所ですと平均9万円ほどかかります。ここから保険適用分(70%負担)で支払われる分を抜くと、実際の自己負担額はおおよそ毎回2万5千円程度です。

我が家の愛犬のチワワが加入している70%負担プランの場合、掛け金は大ざっぱに月額4,000円、年間で48,000円。ここから、少なくとも年間6万5千円は保険から出していただいていることになります。
(アニコムの場合保険利用6~19回までは更新料が上がらず、5回までだと割引されます、つまり?)

これでも、タンス預金の方が良いでしょうか?

ただ、保険会社のプランにもよりますし、全身麻酔を躊躇する年齢や状況麻酔のリスクが上がる病気などになった時などはまた別途考慮する必要はあると思います。

なぜ「歯科治療=保険」に行き着かないのか?

さて、この考えに行きつかない、行きつきにくい理由は何かあるのではと考えた時、2つほど思い当たりました。

1:歯科治療は保険適応外ではないか?と思っている
2:予防歯科に対する意識が薄い、もしくは抜けている

2の重要性を伝える為に私はnoteで記事を書いていますが、今回は1を誤解している方が大変多いということについて。これには訳があると感じています。

例えば、私が加入しているアニコムのペット保険の歯に関する治療のQ&Aには、おおむねこう書かれています。

病的な症状がなく、ケアもしくは美容目的で歯石取りを行う場合は、補償対象外です。 ただし、歯周病等の歯科口腔内症状があり、治療を目的として行う歯石取りは補償の対象になります。(中略)保険金請求をされる際は、必ず傷病(症状)名の記載が必要となります。

アニコムよくあるご質問FAQへのリンク。

※アニコム損保と東京海上日動はペット保険を共同販売しているため、閲覧環境によってはリンク先が「東京海上日動」のデザインで表示される場合がありますが、内容はアニコム公式のものです。

問題となるのは「歯石取り」の認識です。 ただ表面の歯石をとるだけでは、美容目的のケアになる可能性があります。最近では無麻酔歯石取りが獣医師以外の手でおこなわれているようですが、これは治療とみなされていないからこそ、まかり通っている節があります。

もちろん、保険会社酸やプランによっては歯に関する治療が一切保証外と言う場合もありますので保険選びの際は確認されてくださいね。

「美容」ではなく「治療」としてのスケーリング

これとは別に、進行しつつある歯周病をくい止めるためにポケットの中の歯石を綺麗にし、場合によっては歯肉組織を取り除く「キュレッタージ」という処置をすることは立派な治療です。

状況によっては、「フラップ手術」と言って、視野角を確保したり組織から剥離することで歯石や感染した組織を徹底的に取り除く処置をする必要がある場合もあります。これは文字通り”手術”ですので、無麻酔では無理だとお分かりかと思います。

初期の初期の歯周病でこうですので、進行していればいるほど処置時間が長くなり、麻酔をかけている時間も上がるため麻酔によるリスクも上がり、歯周病の重度に再度(再発するまでのスピード)なるリスクも上がり、当然手術費用も跳ね上がるという、何もいい事がないと感じます。

私は保険会社に申請する際、獣医師さんに申請してもらっています。悪くなる前の処置は「予防」に思えるかもしれませんが、そこは検診でタイミングを獣医師と相談し、その指導の下で決めているので、「治療ではない」と判断されるわけがないと思っています。早期発見、早期治療なのですから。

この辺りが文章だと良く伝わらないかもしれませんが、過去に私が書いている記事を読んでくださった方なら、「これは予防のための治療だね」というのと、「予防と言いつつ、治療になっていない美容だね」というのがわかっていただけるかな?と思っています。
そして、一般的には大ざっぱに「歯周病は怖い」としかわかりやすく伝えるためか書かれてないことが多いので、麻酔をかけるリスクよりも処置せずに放置する事のリスクが見えてきにくい、これがペット保険とタンス貯金を天秤にかけた時に歯科治療が視野に入りにくい理由だと思っています。

ですので、どうしても難しいお話になるのですが、出来る限りわかりやすく伝わるよう、歯周病がどんなメカニズムで体の中でどのように怒っているか記事をたくさん書いてますのでよろしければ読んでみてくださいね。

これまでのケアが「貯金」になるシニア期

うちの愛犬のシニアのレオン君はもう13歳を過ぎましたので、先日、最後の全身麻酔下のSPR(スケーリング・ルートプレーニング)と、抜歯をしました。

上手に歯磨きをしていても、どうしてもいずれ抜かなくならないといけなくなる場合もあるし、手入れが難しい歯、悪くなりそうな歯は抜いておいたり、形を整えてメンテナンスしやすくしてもらいました。あとは彼が命を全うするまで、ケアしてあげるだけです。

歯周病は高齢になると重症化するリスクが上がります、その時には重症でも麻酔をかけての処置が出来ないという事は避け、奇麗にプロの処置が入った状態、飼い主さんの歯磨きの技術とワンちゃんが受け入れる状態を作って準備しておくのが大事なところと思います。

これは今までの磨き残しの癖の把握など、過去取り組んできたことが「貯金」となり、これ以降「消費」していくイメージです。

定期的な麻酔下のスケーリングは、やりたくてもできない方や、どうしても嫌だという方もいるでしょう。 なので絶対にこうしなければいけない、という事ではないのですが、「これらの取り組みを考えるか・そうでないか」で、ペット保険に関する考え方は全く違うと思うのです。

またこの時期には私が入っている保険プランでは対応が厳しいので、その頃には別の入院や手術に特化した保険の見直しは必要と思ってます。


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Kさん@動物看護師|歯周ケア&ドッグインストラクター よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!