看護師を辞めたいと思った私へ|合わなかったのは「仕事」ではなく「働き方」でした
「もう看護師を辞めたい」
これまで、何度もそう思いました。
仕事へ行くことがつらい。
休日も職場のことを考えてしまう。
このまま何十年も働き続ける自分を想像できない。
そんな状態になると、看護師という仕事そのものが嫌になったように感じます。
けれど今振り返ると、私が離れたかったのは、看護師という仕事ではありませんでした。
夜勤や残業、委員会、看護研究、職場の人間関係。
正社員として、仕事以外の役割まで背負い続ける働き方に疲れていたのです。
私は正社員と派遣を何度か行き来したことで、
「看護師を辞めるか、我慢して続けるか」
だけではなく、
「看護師を続けながら、働き方を変える」
という選択肢に気づきました。
急性期病棟で働いていた頃は、看護師を辞めたいと思わなかった
看護師になったばかりの頃、私は急性期病棟で働いていました。
夜勤があり、仮眠を取れない日もありました。
残業、委員会、看護研究、研修。
大変なことはたくさんありましたが、当時の私は、それが看護師の普通だと思っていました。
周りの看護師も同じように働いていたため、別の働き方があるとは考えていませんでした。
若く、体力もあり、新しいことを覚えることに必死だったこともあります。
当時は、看護師を辞めたいとは思っていませんでした。
今考えると、仕事に向いていたというより、ほかの働き方を知らなかったのだと思います。
派遣看護師を経験して、「当たり前」が変わった
その後、私は派遣看護師という働き方を知りました。
派遣先によって違いはありますが、私が経験した職場では、
・夜勤がない
・委員会や看護研究がない
・残業が少ない
・仕事とプライベートを分けやすい
・契約期間という区切りがある
という働き方ができました。
特に驚いたのは、定時で帰れることでした。
それまでの私は、勤務時間が終わっても仕事が残っていれば帰れないのが普通だと思っていました。
派遣を経験したことで、
「看護師でも、仕事が終わったら帰っていい」
「看護師だからといって、すべての役割を背負わなくてもいい」
と初めて知りました。
私の中にあった「看護師の働き方はこういうもの」という前提が、少しずつ変わっていきました。
それでも私は、正社員へ戻ろうとした
派遣の働き方が自分に合っていると感じながらも、私は何度か正社員へ戻りました。
派遣は不安定なのではないか。
年齢を重ねたら、正社員の方が安心なのではないか。
一つの職場で長く働いた方がよいのではないか。
そんな不安があったからです。
「今度こそ、正社員として長く働こう」
そう思って転職しました。
しかし、正社員へ戻るたびに、同じような苦しさを感じるようになりました。
夜勤や残業だけではありません。
委員会や会議、職場全体への責任、休日も続く仕事の緊張感。
私がつらかったのは、一つひとつの業務よりも、仕事から離れられない働き方でした。
正社員を3か月で辞めたとき、身体にも変化が出た
最後に正社員として入職した病院では、久しぶりに夜勤をしました。
以前はできていたはずなのに、夜に眠れないことが想像以上の負担になっていました。
月の休みは8日。
残業があり、会議もありました。
職場の人間関係にも気を使っていました。
仕事を始めてから、身体に湿疹が出るようにもなりました。
それでも最初は、
「まだ慣れていないだけ」
「今度こそ続けなければ」
「3か月で辞めたら、また職歴が増えてしまう」
と考えていました。
しかし、ある日ふと、
「私は、この働き方をあと何年続けるのだろう」
と思いました。
そのとき初めて、私は看護師を辞めたいのではなく、この働き方を続けることが苦しいのだと気づきました。
「看護師」「職場」「働き方」を分けて考えた
仕事がつらいとき、すべてをまとめて「看護師を辞めたい」と考えてしまいます。
けれど、私は次の3つを分けて考える必要がありました。
1.看護師の仕事そのものが嫌なのか
患者さんや利用者さんと関わること。
体調を確認し、必要な看護を考えること。
自分の経験を生かして働くこと。
これらまで嫌になったわけではありませんでした。
2.今の職場が合わないのか
人間関係、忙しさ、職場独自のルール、相談しづらい環境。
職場が変わることで、負担が軽くなる可能性もあります。
3.雇用形態や勤務条件が合わないのか
夜勤、残業、週5日勤務、委員会、役職、責任の範囲。
看護師を続けながらでも、これらを変えられる働き方はあります。
私の場合は、看護師の仕事よりも、正社員として背負う役割や、仕事から離れられない生活が合っていませんでした。
派遣に戻ったことで、看護師を続けられた
正社員を辞めたあと、私は再び派遣看護師へ戻りました。
派遣にも大変なことはあります。
人手不足の職場や、即戦力を求められる職場もあります。
派遣であれば、どこでも楽に働けるわけではありません。
それでも私には、
・夜勤をしない
・定時で帰る
・委員会や看護研究を担当しない
・職場との距離を保つ
・契約期間ごとに続けるか考える
という働き方が合っていました。
看護師を辞めなくても、自分が苦しかった部分を減らすことはできました。
その結果、私は現在まで派遣看護師として約4年間働いています。
同じ派遣先で1年以上続けられた経験もあります。
私は仕事が続かない人だったのではなく、続けにくい条件の中で、無理に頑張ろうとしていたのだと思います。
看護師を辞める前に、何から離れたいのかを考える
もちろん、本当に看護師を辞めたいのであれば、別の仕事を選ぶことも一つの選択です。
看護師を続けなければならないわけではありません。
ただ、今の仕事がつらいときは、次のように考えてみてください。
・人間関係が変わっても、看護師を辞めたいですか
・夜勤がなくなっても、辞めたいですか
・残業や委員会がなくなっても、辞めたいですか
・勤務日数を減らせても、辞めたいですか
・別の職場でも、看護の仕事はしたくないですか
条件が変わっても看護師を続けたくないと思うなら、看護師以外の仕事を考えてもよいと思います。
一方で、変えたい条件が見えてきたなら、看護師を辞める前に、職場や雇用形態を変える選択肢もあります。
大切なのは、周りが正解だと言う働き方を選ぶことではありません。
自分が何に苦しみ、何なら続けられるのかを知ったうえで、自分で選ぶことです。
私にとって必要だったのは、看護師を辞める勇気ではなく、自分に合わない働き方を手放す勇気でした。
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