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shino_angle
祝われないパレード #シロクマ文芸部
夕焼けは、一瞬、煌めく。一日の終わり。誰にも祝われないパレード。
毎日続く同じ現象に意味を持たせる人間はどのくらいいるだろうか。
彼はベランダに出た。
町を包む赤い光が、彼も漏れなく包んで、赤く照らす。
「明日の気配、だな」
誰に言うでもなく、ぽつりとこぼされた小さな言葉さえ、赤く染まっている気がする。
彼は両の手のひらを見た。
夕日と同じ色だった。
まぶしく強い光は、もしかすると、祝ってくれているのだろうか。
そんな錯覚さえする。
「祝ってるわけ、ないよな」
赤の支配の中で、彼の胸のうちだけはそれを拒んだ。
どぷりと、黒が湧いた。
両手の赤が、いっそう鮮やかさを増した。
彼はうしろを振り返る。
ソファに横になっている彼女も、窓から差し込む長い夕日に、やっぱり赤く染められていた。
赤は、そっと溶け合っているのか、それとも際立たせているのか。
彼女が、赤く映えるように。
けれど、彼女を祝福している——、のでは決してなかっただろう。
「明日を奪って、ごめんな」
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2025.07.26 もげら
