【給食の目的とは?】"楽しい給食"になる3ヶ条|はじめての学級経営⑭その1
~笑顔になる給食の時間をつくろう~
学級経営の中でも、子どもたちの本音や関係性がよく見えるのが「給食の時間」。
配膳をして、並んで、座って、食べて、片づける。
その一つひとつの場面に、学級の空気がにじみ出ます。
「え、あの子、給食ほとんど食べてない…」
「なんで毎日あの子が配膳してるの?」
「いただきますの声、バラバラだったな」
こうした何気ない違和感に気づけるかどうかが、学級の成長するかどうかの分かれ道になります。
ですが、「楽しい給食時間をつくる指導」って、案外教えてもらっていないですよね。
そこで、本記事では「理想的な給食の時間って?」をテーマに、子どもたちが安心して食べられる給食時間のイメージと、実現に向けた第一歩をご紹介します。
最後まで読むと、理想的な給食の時間をイメージすることができ、自分のクラスに合った「よい給食時間」をデザインできるヒントが手に入りますよ。
<楽しい給食にするためのロードマップ>
⑴理想を知る←★今回はここをやるよ!★
・楽しい給食の3ヶ条(はじめての学級経営⑭その1)
⑵現状を把握する
・「給食の時間」手順の細分化(はじめての学級経営⑭その2)
⑶問題解決する
・給食の指導(はじめての学級経営⑭その3)
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<目的>
「理想的な給食の時間」を知ったうえで、給食指導に臨む
<要約>
<楽しい給食になる3ヶ条>
⑴時間
⑵量
⑶仲間
<学校給食法の目的 まとめ>学校給食のゴールは…
給食を通して子どもの体と心の成長を助け、食べものや食べ方について正しく学べるようにすること
<楽しい給食の3ヶ条 "チェックリスト">
⑴時間:食べる時間をしっかり確保しよう
⑵量:自分に合った量を調整しよう
⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう
<関連コンテンツ>
「はじめての学級経営⑭給食の時間」は全3記事になっています。
【はじめての学級経営⑭その2】
【はじめての学級経営⑭その3】
👆この記事の続きです
1.楽しい給食の3ヶ条
楽しい給食になる3つの条件を知ろう!
「給食の時間」と聞いて、どんな光景を思い浮かべるでしょうか。
「子どもたちが楽しそうに食べている」
「落ち着いた雰囲気の中で、にこやかに会話している」
「配膳も片付けもスムーズに進んでいる」
こんな給食時間を毎日過ごせたら、子どもたちはきっと学校生活が好きになりますよね。
そのために必要なのが、「楽しい給食の3ヶ条」です。
<楽しい給食になる3ヶ条>
⑴時間
⑵量
⑶仲間
一つずつ詳しくみていきましょう!
⑴ 時間

<楽しい給食の3ヶ条>その1
食べる時間が十分にある
「楽しい給食の3ヶ条」一つ目は、【時間】です。
給食の時間がバタバタしていて、食べる時間がほとんどない…という状態では、子どもたちも落ち着いて食べられません。
準備が整い、「いただきます」から「ごちそうさま」までの間に、食事に集中できる十分な時間を確保することが大切です。
⑵ 量

<楽しい給食の3ヶ条>その2
自分に合った量を食べられる
「楽しい給食の3ヶ条」二つ目は、【量】です。
「これ全部食べなきゃダメなの?」
「足りない…」
など、
食事量の面で困っている子どもが多いのも給食時間の特徴です。
一人ひとりが自分の体や気持ちに合った量を受け取り、食べられる環境が必要です。
⑶ 仲間

<楽しい給食の3ヶ条>その3
仲間と一緒に楽しく食べられる
最後は、【仲間】です。
もし自分が子どもだとしたら、どちらの食事がより楽しいと感じるでしょうか。
✅①たったひとりで黙々と食べる食事
✅②仲間と会話をしながらいただく食事
「②仲間と会話をしながらいただく食事」の方が楽しいと感じる人は多いはずです。
同じメニューでも、"仲間との会話"によって楽しさや満足感はまるで違ってきます。
仲間と共に過ごす時間こそ、学校給食の大きな価値です。
【まとめ】<1.楽しい給食の3ヶ条>
⑴時間:食べる時間が十分にある
⑵量:自分に合った量が食べられる
⑶仲間:仲間と楽しく食べられる
2.【給食の目的】「時間・量・仲間」が大切な理由
学校給食法をみて、「時間・量・仲間」が大切な理由を理解しよう!
給食の時間には法律的な裏付けがあることをご存じでしょうか。
それが「学校給食法」です。
先ほど紹介した「楽しい給食の3ヶ条」。
実はこの3条件、すべて「学校給食法」を根拠にしています。
ここでは、「学校給食法」の【第一条(この法律の目的)】と【第二条(学校給食の目標)】について解説していきます。
「え~、条文を読むなんてめんどくさい…」
と思ったそこのあなた!
安心してください!
ざっくり分かりやすくした解説も一緒に書いていますから、そちらを読んでもらえたらOKですよ。
⑴ 学校給食法の目的【ざっくり解説!】

学校給食法の目的を理解する
まずは学校給食法第一条(この法律の目的)をご覧下さい。
(この法律の目的)
第一条 この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とする。
長い!!!
学校給食法の目的を一文でまとめるとこんな感じです。
<学校給食のゴール>
給食を通して子どもの体と心の成長を助け、食べものや食べ方について正しく学べるようにすること
学校給食の目的は、
「給食を通して子どもの体と心の成長を助け」
つまり、
学校教育法の目的は、子どもの心身の健全な発達を支え、
そして、
「食べものや食べ方について正しく学べるようにすること」
言い換えると、食に関する正しい理解と判断力を育てることです。
新学期が始まって初めての給食の時間。
これで「給食は何のためにあるのか?」を子ども達に説明できますね。
(給食指導の始め方)目的を伝える
「給食はただごはんを食べる時間じゃなくて、みんなが元気に大きく育つための大切な時間なんだよ」
「それに、食べものについての正しい知識や、自分に合った食べ方を考える力を育てるためにも給食はとっても大事なんです」
「つまり、給食はおいしいだけじゃなくて、「体も心も育つ学びの時間」ということなんだね」
以上が「学校給食法の目的」になります!
<学校給食法の目的 まとめ>学校給食のゴールは…
給食を通して子どもの体と心の成長を助け、食べものや食べ方について正しく学べるようにすること
⑵ 学校給食の目標【ざっくり解説!】

学校給食法の目標を理解する
学校給食法の【目的】が分かったところで、続いて【目標】をみていきましょう。
<目的と目標のちがいって?>
目的:最終的にたどり着きたいゴール
目標:そのゴールに近づくための「チェックポイント」や「やることリスト」
たとえば…
・目的
「健康な体を手に入れたい」
・目標
「毎日30分歩く」「おやつは週2回までにする」「夜は11時までに寝る」
というわけで、ここからは「学校給食のゴールにたどり着くための"やることリスト"」を見ていきましょう!
以下、学校給食法第二条に示された「学校給食の目標」です。
条文は余裕があるときに読めば大丈夫ですよ。
(学校給食の目標)
第二条 学校給食を実施するに当たつては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。
一 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
二 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
三 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
四 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
六 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
七 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
こちらも読んでいると眠くなるので、言葉を変えていきます!
<学校給食の"やることリスト">
1.体を元気にするために、バランスのとれたごはんを食べる
2.食べ物の選び方や食べ方を学んで、自分で健康を守れるようになる
3.みんなで楽しく食べて、やさしさや協力する心を育てる
4.食べものが自然のめぐみからできていると気づいて、いのちや自然を大切にする
5.農家さんや料理してくれる人たちなど、ご飯を作ってくれる人たちのがんばりに「ありがとう」と思える心を育てる
6.日本の昔からある料理や色んな場所の食べ方について知る
7.食べものがどこからどうやって届くのかを知る
ここまで読んで気付いた方は鋭いですね。
そうなんです。実は…
「楽しい給食の3ヶ条」はこの(学校給食の目標)をもとに作成しています。
まず、「1.体を元気にするために、バランスのとれたごはんを食べる」ためには、
【しっかり食べられる時間】が必要ですよね。
そして、「2.食べ物の選び方や食べ方を学んで、自分で健康を守れるようになる」ためには、
【量の調整】が必要。
さらに、「3.みんなで楽しく食べて、やさしさや協力する心を育てる」ためには
【仲間との楽しい給食】であることが大切になります。
つまり、【給食には「時間・量・仲間」が大切な理由】は、
「学校給食法の目標に書いてあるから」です!
まとめです。
毎日の「給食の時間」では…
その1【しっかり食べられる時間】
その2【量の調整】
その3【仲間との楽しい給食】
この「楽しい給食の3ヶ条」を守ろう!
3.楽しい給食の3条件を実現しよう!

楽しい給食を実現する方法を学ぶ
ここからは、楽しい給食の3ヶ条【時間・量・仲間】をどのように実現するかを考えてみましょう。
<楽しい給食の3ヶ条 "チェックリスト">
⑴時間:食べる時間をしっかり確保しよう
⑵量:自分に合った量を調整しよう
⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう
一つずつ詳しくみていきます。
⑴時間:食べる時間をしっかり確保しよう

<⑴時間:食べる時間を確保しよう>
① 時間を意識した流れをつくる
②時間を固定・見える化する
① 時間を意識した流れをつくる
準備や片付けに時間がかかってしまうと、食べる時間が短くなってしまいます。
ポイントは、給食の流れをルーティン化することです。
たとえば、
✅配膳係がスムーズに動けるよう、動線を確認・練習する
✅「配膳10分」「食事25分」など、時間配分を明確に伝える
✅チャイム後すぐに準備ができるよう、授業を定刻で終える
こうした細かな指導・工夫の積み重ねが、「ゆとりある食事時間」につながります。
給食の準備から片付けまでの流れは【「はじめての学級経営⑭その2「給食の流れ」】で詳しく解説します。
② 時間を固定・見える化する
ごちそうさまの時間が分からないだと「あと何分あるの?」と不安になる子も多いですよね。
そのため、給食の「準備」「食事」「片付け」の時間配分をあらかじめ共有しましょう。
たとえば、
12時15分→給食準備開始!
12時30分→いただきます!
12時50分→ごちそうさま!
12時55分→「もう少し食べる!」の人も終わり!
13時→片付け終了!(給食ワゴン運搬)
さらに、ごちそうさままでの"のこり時間"をタイマーなどで見える化します。
このように食事の時間・タイムスケジュールを共有することで、クラス全体で見通しを持てるようにします。
⑵量:自分に合った量を調整しよう

<⑵量:自分に合った量を調整しよう>
① “最初から減らす”文化をつくる
② おかわりタイムを設ける
① “最初から減らす”文化をつくる
「全員同じ量の給食を全部食べなさい」と指導してしまうと、給食が苦痛な時間になります。
同じ年齢の子どもであっても体の大きさや食べる量は異なります。
そのため、一律で同じ量を配膳するというのはあまりいい仕組みでは言えません。
食が細い子にとって「みんな平等に同じ量を食べる」というシステムは、
「二郎系ラーメンでみんな一律で野菜マシマシで完食してね!」
と言われているようなものです。
私が子どもなら学校に行きたくなくなります。
(決して、二郎系ラーメンを悪く言っているわけではありませんよ(笑)、たとえです!)
最初から食べられる分だけ受け取るよう指導し、「食べきる成功体験」を重ねさせることが大切です。
二 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
自分に合った量を調整して「健全な食生活を営むことができる判断力」を育てて、
「食べられた!」という成功体験から「望ましい食習慣」を養っていきましょう!
※これ以降の内容も含め、具体的な指導方法については【はじめての学級経営⑭その3「給食指導」】で解説します。
② おかわりタイムを設ける
「食べられる子はおかわりOK」とすることで、食への意欲がある子も満足できます。
ただし、「いつからでもおかわりOK」にしてしまうと"早食い競争"になってしまいます。
「いただきますから10分経ってからおかわりタイム」のような仕組みをつくり、適切な時間で食べるよう指導していくことが大切ですね。
⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう

<⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう>
①「食事中の適切な会話」を教える
② 集まって食事をする
① 「食事中の適切な会話」を教える
三 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
3.みんなで楽しく食べて、やさしさや協力する心を育てること
この(学校給食の目標)を実現するために、「食事中の適切な会話」を教えていきます。
ポイントは3つです。
①声の大きさは「となりに聞こえるくらい」
②食事を妨げる行動は✖
③食べる気持ちをなくさせるような言葉は✖
給食では「適切な栄養の摂取」つまり、"しっかり食べられること"が最優先になります。
そのため、
✖①「大声を出して気分を悪くさせる」
✖②「向かいの人を笑わせて牛乳を吹かせる」
✖③「下品なことを言って食事する気を失せさせる」
このような行為はNGです。
"食事をしながら会話も楽しむ"ことを大切にしましょう。
② 集まって食事をする
せっかく、同世代の仲間で集まって食事をするのなら、集まって食べたいですよね。
私の場合、コロナ禍や学年統一になってしまった場合を除いて、
①班単位で給食を食べる
②2班以上、合同にしてもOK。
としていました。
担任が班を回っていた時期もあったのですが、子ども達の関係性を育むことを優先するために、途中からは班の中には入らないことが多かったです。
「みんなで楽しく食べる」ために、担任として環境整備をしていきましょう。
以上、<⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう>でした!
【まとめ】<3.楽しい給食の3条件を実現しよう!>
⑴時間:食べる時間を確保しよう
① 時間を意識した流れをつくる
②時間を固定・見える化する
⑵量:自分に合った量を調整しよう
① “最初から減らす”文化をつくる
② おかわりタイムを設ける
⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう
①「食事中の適切な会話」を教える
② 集まって食事をする
\システムで楽しい給食になる!/
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<学習のまとめ>

今回は学級経営の基本である「給食の時間」について解説しました。
まとめると、
【まとめ】<1.楽しい給食の3ヶ条>
⑴時間:食べる時間が十分にある
⑵量:自分に合った量が食べられる
⑶仲間:仲間と楽しく食べられる
<学校給食の"やることリスト">
1.体を元気にするために、バランスのとれたごはんを食べること
2.食べ物の選び方や食べ方を学んで、自分で健康を守れるようになること
3.みんなで楽しく食べて、やさしさや協力する心を育てること
4.食べものが自然のめぐみからできていると気づいて、いのちや自然を大切にすること
5.農家さんや料理してくれる人たちなど、ご飯を作ってくれる人たちのがんばりに「ありがとう」と思える心を育てること
6.日本の昔からある料理や色んな場所の食べ方について知ること
7.食べものがどこからどうやって届くのかを知ること
【まとめ】<3.楽しい給食の3条件を実現しよう!>
⑴時間:食べる時間を確保しよう
① 時間を意識した流れをつくる
②時間を固定・見える化する
⑵量:自分に合った量を調整しよう
① “最初から減らす”文化をつくる
② おかわりタイムを設ける
⑶仲間:安心して食べられる雰囲気をつくろう
①「食事中の適切な会話」を教える
② 集まって食事をする
この3つを大切にすることで、子どもたちにとって給食の時間が「楽しい」「安心できる」ものになります。
これで「給食の時間での理想の子どもの姿」を知ることができましたね。
そして、はじめての学級経営⑭給食の時間【その2給食の流れ】【その3給食指導】では、
この理想に近づくために、
✅現状を把握
(給食の流れを細分化してどこが遅いのか、見極める)
✅問題を解決
(給食の「準備」「食事」「片付け」の指導法を身につける)
できる具体的な実践方法を解説していきます。
お疲れさまでした!
この記事を通して、「今更こんな当たり前のこと聞けない…」と困っている先生の力に少しでもなれていたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お相手はもみじでした。
また次の記事でお会いしましょう👋
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