授業準備~持続可能な教材研究をしよう~|はじめての学級経営⑫
学級経営の中でも、毎日の積み重ねがもっとも成果に表れやすいのが授業づくりです。
けれど、授業準備に追われて毎日クタクタ……そんな若手の先生の声をたくさん聞いてきました。
では、限られた時間とエネルギーの中で、どうすれば持続可能な教材研究ができるのでしょうか。
実は、ポイントを押さえておくだけで、授業準備の質と効率は大きく変わります。
本記事では、
✅「何を使えばいいの?」
✅「どんな手順で準備するの?」
✅「いつやれば負担が少ないの?」
という授業準備・教材研究の疑問に、
具体的な方法とともにお答えしていきます。
最後まで読むと「これなら無理なく続けられそう!」と感じ、自信をもって授業づくりに取り組めるようになりますよ。
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<目的>
持続可能な教材研究で、心も体も健康に保ちながら、子どもの成長を促す授業をつくる
<要約>
<授業準備ツール3選>
①iPad
②紙のノート
③スマホ
<授業準備の手順 6ステップ(ベーシックVer)>
① 自分でやってみる
② ゴールと道のりを洗い出す
③ 授業のねらいを決める
④ 授業の流れを考える
⑤ 板書計画を書く
⑥ 活動時間の目安と準備物をメモする
<授業準備のタイミング4選>
①朝
②放課後
③帰宅後
④休日
<関連コンテンツ>
1.教材研究、何を使う?(ツール)
自分に合った授業準備のツールを見つける
教材研究をするとき、どのようなツールを使ってやるのが最適なのでしょうか。
ここでは、自分に合った授業準備ツールとその見つけ方について解説しています。
⑴ 授業準備ツール3選
私が実際に使っていた授業準備ツールは主に次の3つです。
①iPad
②紙のノート
③スマホ
一つずつ詳しくみていきましょう。
①iPad(Goodnotesなどのノートアプリ)

一つ目に紹介する授業準備ツールは「iPad」です。
紙のノートに近い感覚で、手書きができるのが魅力です。
写真やPDFを貼り付けて、教科書や指導書をデジタル管理することもできるので、これ一つで「ノート」「指導書」「教科書」すべての役割を担うことができます。
おすすめは、「Goodnotes」というメモアプリ。
有料ですが、非常に優秀です。
ページ数を気にせず記録できるので、長期的にデータを蓄積したい方にはiPadがおすすめです。
②紙のノート(子どもと同じノート)

2つ目は、ノートです。
実際に子どもが使うノートと同じものを使用することで、子どもと同じ視点に立つことができます。
算数であれば、自分で式や図を書いてみることで、「どこでつまずきそうか?」が具体的に見えてきます。
③スマホ(メモアプリ※標準搭載アプリやnotion)

最後に紹介する授業準備ツール「スマホ」。
時間がないときにサクッと記録するのに便利です。
スマホに標準搭載されているメモアプリでもいいですが、個人的におすすめなのな「notion」。
同じアカウントで入れば、Windows/MacどちらでのPCとでも同期することができます。
また、ページの中にさらにページをつくることができるので、「日付ごと」「教科ごと」など階層に分けて整理がしやすくなっています。
notionは熱狂的なファンが多く、検索するとニッチな機能もたくさん紹介されています。
ですが、教材研究で使うのであれば、「ページの中にさらにページが作れる」ということだけ覚えておけばOKです。
<notionで教材研究メモ>
Googleアカウントなどで登録した後、次のようなステップでページ内ページを作成できます。



ちなみに、この記事の構成は…


このように整理してnotionに収納しています。
スマホでメモをして授業準備をしたい方には超おすすめです。
<机の上に何を準備すればいいの?>
以上3つのツールを紹介しました。
ちなみに、いざ授業準備をするタイミングになったら、
机の上には…
✅教科書
✅授業準備ツール
✅指導書
この3つを用意します。
教材研究には「指導書」が欠かせません。
一通り教材研究をした後に、必ず目を通しましょう。
特に本時の目標や指導要領との関連は確認しましょう。
学習指導要領という根拠をもとに、教員は授業をします。
⑵ 使いやすさを最優先に
「⑴授業準備ツール3選」では、授業準備に使える3つのツールを紹介しました。
そして、どのツールを選ぶのか、そのポイントは「継続できるかどうか」です。
生活スタイルや経験年数によっても使いやすいツールは変わります。
ちなみに私の場合「iPad→ノート→スマホ(毎日の授業)&ノート(単元案)」という変遷でした。
今の自分に合った無理のない方法を選ぶことが、持続可能な教材研究につながります。
<1.教材研究、何を使う?(ツール) まとめ>
⑴授業準備ツール3選
①iPad
→一括管理できて便利
②紙のノート
→子ども目線で準備ができる
③スマホ
→隙間時間に準備ができる
⑵使いやすさを最優先に
・今の自分に合った無理のない方法を選ぼう!
2.どうやって授業準備をする?(手順)
授業準備をする手順を理解する
実際に授業準備をするとき、何から始めたらいいのか分からない…
なんてこともありますよね。
そこで、ここでは、具体的な授業準備の手順を、
✅⑴基本的な「ベーシックVer」
✅⑵忙しいときに使える「ライトVer」
に分けて解説します。
理想は「ベーシックVer」です。
⑴ 授業準備の手順(ベーシックver)
基本的な授業準備の手順を6ステップに分けると以下のようになります。
① 自分でやってみる
② ゴールと道のりを洗い出す
③ 授業のねらいを決める
④ 授業の流れを考える
⑤ 板書計画を書く
⑥ 活動時間の目安と準備物をメモする
一つずつ詳しくみていきましょう。
① 自分でやってみる
授業準備は、指導書をみる前に「自分がやってみる」ことから始めましょう。
<自分でやってみる 具体例>
ⅰ問題を解く、教科書を読む
ⅱ考えを書いてみる
ⅲ実験や観察を自分でも体験する
こうすることで、子どもがつまずきやすいポイントや身に着けさせたい力が明確になります。
② ゴールと道のりを洗い出す(☆ここが一番大切!!)
授業は、ただ説明するだけでは子どもに届きません。
だからこそ、「どこに向かって、どんな道のりを歩むか」を設計します。
そのために、「ゴールと道のり」を書き出しましょう。
ⅰゴール=模範解答
ⅱ道のり=誤答、おしい回答、正しい回答、別解のバリエーション
つまり、ここでやることは
とにかくいろんな思考パターンを洗い出す!!
です。
ここでの思考パターンを洗い出すことで、
全体交流のとき「どんな流れで模範解答まで導くか?」を想像しやすくなります。
この思考パターンを頭に入れておくことで、教師はファシリテーターとして全体交流を盛り上げることができるようになっていきます。
<思考パターンを想定して、全体交流を盛り上げよう!>
まずは、下の板書例をご覧ください。

「みんなの考え」の部分が全体交流での板書になります。
この板書では次のような流れで全体交流を進めています。
<全体交流の流れ イメージ>
ⅰけんじさん(=正しいけど不備がある回答)
→けんじさんは暗算でできるので、いきなり答えを出している。そのため、他の子からしたらどんな流れで計算したのかが分かりにくいです。
→他の子の「分からない」を引き出す
ⅱゆみ子さん(分かりやすいけど手間がかかる回答)
→ゆみ子さんは位取り表を使って、分かりやすく説明しています。ですが、その分手順が多く少し面倒です。そこで、「さくらさん」の意見が登場します。
ⅲさくらさん(模範的な回答)
筆算で計算していて、かつ計算をするときのポイントが書けています。
※けんじさん、ゆみ子さん、さくらさんの意見を順番に発表させるのではなく、この間にも交流が発生しています!
↓
☆けんじさん
→つけたしは?どう思う?(正解だけど、どうやって計算したのか、分からない!)
→☆ゆみ子さん
→つけたしは?どう思う?(分かりやすい!でもちょっとめんどくさい…)
→☆さくらさん
→つけたしは?どう思う?(なるほど!)
→まとめへ…
👆
この「☆」の子どもを教師が意図的に指名することで、全体交流の大筋を押さえることができます。
このように「ああでもない」「こうでもない」と話し合いながら、クラス全体で思考の流れを体験していきます。
全体交流でこのような流れを作れるのは、教師が「ファシリテーターの天才」だからではありません。
授業準備の段階で、子ども達の思考パターンを洗い出して、どのような流れで構成するかを決めていたからです。
つまり、このような全体交流は誰にでもできます。
ただし「正しい授業準備さえすれば」です。
授業準備の大切さが分かってきましたね。
③ 授業のねらいを決める
3つ目は「授業のねらいを決める」です。
ここでは「めあて」と「まとめ」を考えていきます。
ⅰめあて(問い)を考える
ⅱまとめ(答え)を準備する
つまり、
「今日は何を問いとして考え、どんな考えで終わるか」
ここを明確にしましょう。
まずは自分で考えますが、
最終的には指導書の「本時の目標」に沿った「めあて」になっていることを確認します。
④ 授業の流れを考える
授業の基本的な「型」をもとに、各活動で子ども達がすることを考えていきましょう。
「はじめての学級経営」では次のような授業の型を紹介しています。
<授業の型9ステップ>
①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
②導入
③一人の時間
④ペア・グループ交流
⑤みんなの時間(全体交流)
⑥つけ足しタイム
⑦まとめ
⑧練習
⑨ふりかえり
詳しくはこちらの記事「はじめての学級経営⑧ 授業の流れ」を確認してください。
ここでは「この型を守ること」が目的ではありません。
状況に応じて柔軟に変えるためにも、基本形を理解しておくことが大切です。
⑤ 板書計画を書く(←ここ重要!!)
板書は授業の「見える設計図」。
板書案を事前に書いておくことで、授業中に焦らずにすみます。
もし私が「今から5分で準備してこの授業をしなさい!」と言われたら、板書計画だけをして臨みます。
そのくらい板書計画は重要です。
<板書の代表的なレイアウト>
ⅰ横書き:3分割(めあて&見通し/全体交流での考え/まとめ&練習)
ⅱ縦書き:4分割(めあて/一人の考え/交流/まとめ)
百聞は一見に如かずです。
文字で説明するより見た方が速いと思いますので、私が過去に作った板書計画を紹介しますね。




⑥ 活動時間の目安と準備物をメモする
最後は「活動時間の目安と準備物をメモする」です。
授業準備で意外と抜けがちなのが「時間配分」と「持ち物の確認」です。
ⅰそれぞれの活動にかかる時間の見積もり
ⅱ必要な資料やプリント、ICT機器などの確認
これを一言メモするだけで、当日のスムーズさが格段に上がります。
こんなイメージです。

(右上)青文字の「<準>…」が準備物
以上が基本的な授業準備の手順6ステップでした!
⑵ 授業準備の手順(ライトver)
「言ってることは分かるけど、どうしても授業準備に使える時間が少ないんだよなぁ…」
そんなときのために、「時短でもできる!これだけは押さえたい授業準備の手順(ライトver)」を紹介します。
どうしても時間がないときは、以下の3つだけでも準備しましょう。
①めあて(問い)とまとめ(答え)を決める
②授業の流れまたは板書計画をざっくり書く
③活動時間と準備物をメモする
最低限必要なのは、
✅スタート(めあて)とゴール(問い)
✅それまでの過程(板書計画か授業の流れ)
✅授業で使うモノ(準備物)
この3点です。
どうしても時間がない時は、この3つを押さえて授業準備をしましょう。
<ライトVerの注意点>
ライトverだと模範解答が頭に入っていない場合が多く、授業中に展開を即興で考える必要があります。
板書計画も頭の中にある前提なので、実際に授業をするときに、やや難易度が上がることを理解して使いましょう。
<2.どうやって授業準備をする?(手順) まとめ>
① 自分でやってみる
→まずは自分で問題を答える、手を動かす
② ゴールと道のりを洗い出す
→全体交流での流れをつくる
③ 授業のねらいを決める
→最後に指導書「本時の目標」を確認
④ 授業の流れを考える
→「授業の流れ9ステップ」に当てはめる
⑤ 板書計画を書く
→全体の流れをイメージする
⑥ 活動時間の目安と準備物をメモする
→最後に、「時間」と「モノ」を確認しよう!
3.いつやる?授業準備(タイミング)
自分に合った授業準備をするタイミングを見つける
「授業準備をいつやるのがベストか?」という絶対解はありません。
ですが、自分に合ったタイミングを見つけることはできます。
私の場合、
✅帰宅後に準備する
✅放課後、子ども達が下校した後に取り組む
✅休日に一週間分まとめてやる
✅朝、その日の授業を準備する
とあらゆるタイミングを試して、最終的には「朝」に落ち着きました。
ここでは、自分の生活に適したタイミングで授業準備ができるよう、授業準備のタイミングを紹介します。
⑴ 授業準備のタイミング4選
授業準備のタイミングを4つ、紹介します。
①朝(おすすめ度:★★★)
②放課後(おすすめ度:★☆☆)
③帰宅後(おすすめ度:☆☆☆)
④休日(おすすめ度:★☆☆)
教材研究は「いつやるか」も重要です。
時間帯によって効率や集中力が大きく変わります。
①朝 → ◎
・時間制限があるから集中できる
・頭がすっきりしていて考えがクリア
・予定をこなしている実感がモチベーションにつながる
②放課後 → △
・時間はあるが、疲れていて集中力が切れやすい
・校務や会議に割り込まれるリスクあり
③帰宅後 → ✖
・頭が働きにくい
・ダラダラしてしまう
・公私の区別がつきにくく、自己嫌悪に陥りやすい
④休日 → △
・まとまった時間は取れる
・ただし、「休日も仕事モード」になりやすく、長期的には心身のバランスを崩す恐れあり
結論として、おすすめは朝です。
早起きが難しい場合は、夜に下準備(問題を解いておくなど)をしておくと、翌朝スムーズに進められます。
⑵ 生活スタイルに合ったタイミングを見つけよう
一番大切なのは、無理のないタイミングで教材研究をすることです。
「子どもの送り迎えが合って朝に教材研究ができない!」
ということもあると思います。
様々な方法を試してみて、自分に一番合うタイミングを見つけていきましょう。
一番避けたいのは、授業準備をせずに授業に臨んでしまうこと。
これが続くと、子ども達のフラストレーションが溜まり学級が停滞。
トラブルが多発して、結果として仕事量が増えてしまうなんてことも…
自分のためにも子ども達のためにも、
5分でも10分でも構わないので、授業準備をするタイミングを見つけましょう。
<学習のまとめ>

今回は学級経営の基本である「授業準備」について解説しました。
まとめると、
<はじめての学級経営⑫授業準備 まとめ>
1.何をつかう?
→ノート、iPad、スマホ。自分が一番使いやすいものでOK!
2.どうやって準備する?
→最低限この3つだけは!
①めあて(問い)とまとめ(答え)を決める
②授業の流れまたは板書計画を書く
③活動時間と準備物をメモする
3.いつやる?
→おすすめは朝!ただし、自分の生活スタイルに合わせて、無理なく継続できる時間を見つけましょう。
<1.教材研究、何を使う?(ツール) まとめ>
⑴授業準備ツール3選
①iPad
→一括管理できて便利
②紙のノート
→子ども目線で準備ができる
③スマホ
→隙間時間に準備ができる
⑵使いやすさを最優先に
・今の自分に合った無理のない方法を選ぼう!
<2.どうやって授業準備をする?(手順) まとめ>
① 自分でやってみる
→まずは自分で問題を答える、手を動かす
② ゴールと道のりを洗い出す
→全体交流での流れをつくる
③ 授業のねらいを決める
→最後に指導書「本時の目標」を確認
④ 授業の流れを考える
→「授業の流れ9ステップ」に当てはめる
⑤ 板書計画を書く
→全体の流れをイメージする
⑥ 活動時間の目安と準備物をメモする
→最後に、「時間」と「モノ」を確認しよう!
<3.いつやる?授業準備(タイミング) まとめ>
①朝(おすすめ度:★★★)
②放課後(おすすめ度:★☆☆)
③帰宅後(おすすめ度:☆☆☆)
④休日(おすすめ度:★☆☆)
お疲れさまでした!
この記事を通して、「今更こんな当たり前のこと聞けない…」と困っている先生の力に、少しでもなれていたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お相手はもみじでした。
また次の記事でお会いしましょう👋
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