授業の進め方~授業づくりで大切なポイント~|はじめての学級経営⑥
~「つまずきの正体」が見えてくる授業づくりのコツ~
学級経営の中でも、毎日欠かさず行う授業。
黒板の前に立ち、子どもたちと向き合うその時間。
でも、いざ授業が始まると、
「子ども達の反応が薄い」
「話を聞いてくれない」
「時間が足りない」
と感じることもありますよね。
実は、授業をスムーズに進めるには“教え方”以前に押さえておきたい「進め方の型」があります。
本記事では、誰でもすぐに実践できる授業の進め方、「授業の基本的なつくり方」と「時間管理のコツ」を紹介します。
最後まで読むと、今自分が授業のどこにつまずいていて、何を変えたらいいのかよく分かり、明日からの授業を変えていくヒントが手に入りますよ。
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<目的>
授業をスムーズに進めるための基本的な考え方を知る
<要点>
<授業を進める上で大切なこと>
1.子どもの「活動単位」を変えることを意識する
2.活動を時間で区切る
<授業が上達する3つの質問>
「子どもが何をするか?」
「何人で取り組むのか?」
「どのくらいの時間で取り組むのか?」
授業をつくるときはこの3つの質問に答えられるようにしよう!
<関連コンテンツ>
1.【授業づくりで大切なこと】「活動単位」とは?
活動単位とは、
「一人で学ぶのか」「ペアやグループで学ぶのか」「学級全体で話し合うのか」など、
子どもが“何人で・どのように活動するか”という学習のかたち
のことを指します。
たとえば、一人でじっくり考える場面もあれば、ペアやグループで意見を出し合う場面、全体で交流する場面もあります。
こうした活動の切り替えを意識することが、授業をスムーズに進めるカギになります。
授業がうまくいかない…
何から変えたらいいか分からない…
という時は、
「活動単位」と「時間」を変えていきます。
それが授業改善の第一歩です。
今回は「活動単位」「時間」を中心に解説します。
2.活動単位を変えて授業づくりを工夫しよう
まずは活動単位について詳しくみていきます。
「授業をスムーズに進める」と言われると、つい「自分(担任)が何を説明するか」「どんな教材を使うか」に目が向きがちになります。
ですが、授業の主役はあくまで“子どもたち”。
だからこそ、「自分が何をやるか?」より先に、
「子どもが何をするか?」「何人で取り組むのか?」
という視点で授業をデザインすることが大切です。
ここからは、活動単位の考え方と、授業の中での取り入れ方について具体的に見ていきましょう。
⑴ 授業の流れは「何をやるか」だけじゃない
授業がうまく進まない原因の多くは「活動の形」にあります。
「子どもが何人で学ぶか」という視点を授業デザインに入れることが、とても重要です。
授業には、大きく分けて以下の活動形態があります。
一人で考える
ペアやグループで話し合う
全体で交流する
これらを適切な順番で組み合わせることで、子どもたちの集中力を維持しながら、思考を深めていく授業になります。
⑵ 活動の順番にリズムをもたせる
授業の基本的な流れの一例を紹介します。
※【授業の型】について、詳しくは「はじめての学級経営⑧授業の流れ」で解説しています。
<授業の流れ 活動単位の変遷>
① 全体(あいさつ・課題把握)
② 一人(自力解決)
③ ペアまたはグループ(交流・学習)
④ 全体(全体での交流・学習のまとめ)
⑤ 一人(練習・振り返り)
⑥ 全体(ふりかえりの共有・あいさつ)
授業案:算数3年「長さ」導入(マットの横の長さを測ろう)
【めあて】
・マットの長さを正確に測ろう。
① 全体(あいさつ・課題の把握)
・教師がマット(体育用マットや教室に敷いたカーペットなど)を提示し、問いかける。
・「このマットの横の長さを測りたいんだけど、どうやって測ったらいいかな?」
・子どもたちに今日の学習のめあてを伝える。
② 一人(自力解決)
・「どうやって測る?どんなものを使えばいいと思う?」という問いに対して、
・ノートに自分の考えを書く。
例:手のひら、足、鉛筆、自分の身長、ものさし、巻き尺 など
「なぜそれがいいと思ったのか」まで書くよう促す。
③ ペアまたはグループ(交流・学習)
・2〜3人のグループで、「どう測るか」「その道具の良さ・困ること」を交流。
・「自分たちでマットの長さを実際に測ってみよう!」と実測活動へ。
→ 教師が用意したマットを班ごとに測定・記録。
④ 全体(全体での交流・学習のまとめ)
・測定した方法と結果を、各班から簡単に発表。
「〇〇で測ったら、□□cmくらいでした。だけど、途中で数がわからなくなりました」など。
・「短い定規だと何回も置き直さなきゃいけなくて大変だった」と振り返りを整理。
・最後に、巻き尺(メジャー)を提示・実演→正確な長さを共有。
・「長いものを測るには、巻き尺のような長くて曲がるものが便利」とまとめ。
⑤ 一人(練習・振り返り)
・教室の中で別の長い物(机2つ分の横幅、黒板の長さなど)を測る活動へ。
→ 今回は巻き尺を使ってチャレンジ。
・測った長さと道具をノートに記録。
⑥ 全体(ふりかえりの共有・あいさつ)
・今日の学習をふり返る時間。
・今日の学習で気付いたこと、分かったことを書くorペアで伝え合う。
・数人が発表。
このように「活動形態の単位」を変えながら授業を組み立てることで、子どもたちは飽きずに集中し続けることができます。
特に「一人→グループ・全体→一人」という流れを頭に入れておきましょう。
(一人)
一人の考えを深めたり、今自分がどこまでできるのかを確かめたりする
(グループ・全体)
グループや全体交流で他者の意見に触れる
(一人)
再び自分の考えを見直す
<参考記事>
⑶ 子どもと活動単位を“対話的”に決める
ペア交流にするか、グループで交流にするか対話的に決める
活動単位(ペアでやるか?グループでやるか?)は、教師がすべて決めなくてもOKです。
え?と思われるかもしれませんが、
むしろ、子どもと一緒に活動の進め方を考えることが、"学び方"を学ぶいいきっかけになります。
3、4人で意見を交換した方が学びが深まるときもあれば、
2人で考えを説明し合って、意見を比べ、深める方が適している場面もあります。
それを子ども達と一緒に検討して、より自分たちが成長できる方法を考えていく。
自分たちで学び方を考え、より全体の到達度が上がるよう工夫することで、前向きに学習するようになります。
例えば、自力解決の後に交流の時間を設けるとき。
その場で、次のように問いかけてみてください。
【対話例】
<活動形態を決める場面>
「このあと、友達と考えを伝え合う時間をつくろうと思ってるんだけど、ペアでやってみる?それとも、グループで話し合った方が学びになりそう?」
「この問題、いろんな考えが出てきそうだね。グループで交流してみる?どう進めようか?」
こうした声かけを通して、活動のスタイルを子どもたちと“対話的に”決めることで、
「どう学ぶか」に意識を向けるきっかけが生まれます。
ただし、特に学級づくりの初期や、新しい学習スタイルに慣れるまでは、ペア交流の方が安心して取り組める場合が多いです。
ペア交流に慣れてきて、ペア交流の学びの質が上がってきたら、グループでの交流方法を共有してみましょう。
教師の一声で決めるだけではなく、子どもと一緒に学び方を検討する経験も積み上げていきましょう。
<活動単位を変える まとめ>
⑴活動単位は大きく分けて3つあります。
→一人/ペアやグループ/全体
⑵授業では次のように活動単位を変えいくことが基本です。
→(一人)→(グループ・全体)→(一人)
★自分で考え、他の人の意見に触れ、再び自分の考えを見直します。
⑶活動単位を決めるときは、時に対話的に。
ⅰ小グループ交流に慣れるまでは「ペア」を中心にする。
ⅱ慣れてきたら、グループ交流も取り入れる。
ⅲ対話的に活動単位を決める。
★肌感ではⅲに到達するまで3か月はかかります。
3.【授業づくりのコツ】活動時間を見える化しよう

「子どもが何をするか?」「何人で取り組むのか?」
ここを意識することができたら、次なるポイントは「活動時間」です!
「どのくらいの時間で取り組むのか?」
活動時間の目安を知り、クラス全体にも共有します。
詳しくみていきましょう。
⑴タイマーで「活動に区切り」をつける
⑵ 時間の使い方を「見える化」する
⑴タイマーで「活動に区切り」をつける
「授業の時間が余ってしまったらどうしよう…」
「やることが多くて、時間内に授業が終わらない…(子どもに時間を守りましょうと言っているのに、これじゃ示しがつかない…)」
恥ずかしい話ですが、私は1年目のとき、こんなことで悩んでいました。
ですが、よくよく考えてみたら、授業時間の管理がうまくいかないのは当然のことでした。
時間が余ったり足りなくなったりするのはどうしてだと思いますか。
その原因としてよくあるのが"教師時計"で授業を進めていること。
(教師が時計を見て)
「そろそろ時間ですね。では、一旦手を止めましょう。」
そうです。
私は、"教師時計”で授業を進めていたから、定刻通りに授業を終わらせることができなかったのです…
このように活動時間の主導権を教師が握っていると、子どもはどんどん受け身になっていきます。
でも大丈夫です!脱・教師時計したい!
そんなときに力を発揮するのが“タイマー”です。
<タイマーのメリットと使い方>
タイマーを使用して活動時間を視覚化する
時間意識が自然と高まり、集中力もアップします。
おすすめは「タイムタイマー」や「大きめのデジタルタイマー」。
教室の後方からでも一目でわかるサイズ・表示のものを使いましょう。
そして活動時間を決めるときも、これまた子ども達と対話しながら決めていきます。
活動に入る前には、ぜひこんな対話を取り入れてみてください。
【指導例】<活動時間を対話的に決める>
「今から一人の時間です。どのくらい時間が必要ですか?」
(子どもが、指で何分くらい必要だと思うか、意思表示をする)
「じゃあ、〇分くらいの人が多いから、〇分にしてみようか。どうぞ。」
(終わったら)
「もう少し時間がほしい人はいますか?」
(過半数※超えるようなら)
「ではあと1分追加します。どうぞ。」
「時間になりました。途中の人も一旦、手を止めましょう。」
※あくまで目安です
“対話的な時間設定”は、子どもが自分の学習時間を見積もる力を育てます。
ぜひ取り入れてみてくださいね。
⑵ 活動時間を「見える化」する
「どんな活動を、どのくらいの時間で取り組むのか?」をクラス全体に共有しましょう。
具体的には、黒板の左端に“授業の流れと時間配分”を簡単に書く。
これだけでOKです。
例)
・ 一人で考える(5分)
・ ペアで話し合う(3分)
・ 全体で発表(10分)

このように“流れ+時間”を共有しておくと、子どもたち自身が学習の見通しをもって行動できます。
3.【授業づくりで大切なこと】“なんとなく授業”を卒業しよう
授業の進め方がうまくいかないと、「自分の指導力が足りないのでは…」と悩むこともあるかもしれません。
でも、うまくいかない原因は「内容」だけでなく「構成」にもあります。
活動形態と時間の使い方を工夫することで、授業の流れは格段に改善します。
そしてその変化は、子どもたちの集中力や学習の深まりにもつながります。
大切なのは、「何を教えるか」と同じくらい、「どう学ばせるか」に目を向けることです。
①「子どもが何をするか?」
②「何人で取り組むのか?」
③「どのくらいの時間で取り組むのか?」
この3つの問いに答えられるようにしてから、授業に臨むことで、徐々に授業をスムーズに進行できるようになっていきますよ。
今までの自分のやり方を変えるというのは不安もあると思います。
でも大丈夫です。できます。
自分を変えようとするなら。
あなたのような存在を必要としている子ども達がたくさん待っています。
頑張りすぎず、でも、頑張ってください。
そんなあなたを応援しています。
<学習のまとめ>

今回は学級経営の基本である「授業の進め方」について解説しました。
まとめると、
<授業を進める上で大切なこと>
1.子どもの「活動単位」を変えることを意識する
2.活動を時間で区切る
<授業が上達する3つの質問>
「子どもが何をするか?」
「何人で取り組むのか?」
「どのくらいの時間で取り組むのか?」
授業をつくるときはこの3つの質問に答えられるようにしよう!
<授業の流れ 活動単位の変遷>
① 全体(あいさつ・課題把握)
② 一人(自力解決)
③ ペアまたはグループ(交流・学習)
④ 全体(全体での交流・学習のまとめ)
⑤ 一人(練習・振り返り)
⑥ 全体(ふりかえりの共有・あいさつ)
<活動単位を変える まとめ>
⑴活動単位は大きく分けて3つあります。
→一人/ペアやグループ/全体
⑵授業では次のように活動単位を変えいくことが基本です。
→(一人)→(グループ・全体)→(一人)
★自分で考え、他の人の意見に触れ、再び自分の考えを見直します。
⑶活動単位を決めるときは、時に対話的に。
ⅰ小グループ交流に慣れるまでは「ペア」を中心にする。
ⅱ慣れてきたら、グループ交流も取り入れる。
ⅲ対話的に活動単位を決める。
★肌感ではⅲに到達するまで3か月はかかります。


<要点>
・授業には「何人で学ぶか?」の視点を取り入れること
・活動形態は一人→複数・全体→再び一人、というリズムが効果的
・タイマーと黒板を活用して、時間と活動を“見える化”すること
・子どもと対話的に進めることで、主体的な学びを促せること
理想はテンポよくかつ緩急のある授業です。
ですが、そのための土台は「授業を流せる」こと。
周りにいる「授業がうまい先輩」も最初はスムーズに授業を流すことから始めています。
いきなり頂点を目指す必要はありません。
まずは「授業を流せるようになる」ことを目指しましょう。
この記事を通して、「今更こんな当たり前のこと聞けない…」と困っている先生の力に少しでもなれていたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お相手はもみじでした。
また次の記事でお会いしましょう👋
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