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【授業展開のコツ】授業の流れ9ステップ|はじめての学級経営⑧

~「いつも同じ」で、子どもが安心して学べる教室に~

学級経営の中でも、毎日欠かさず向き合うのが「授業の時間」

朝の会が終われば、すぐに始まる授業。


日々の生活の中で最も多くの時間を占めるからこそ、その「流れ」を整えることが、学級の安定と成長につながります。


とはいえ、授業の組み立てに自信がないと、「どこで何をしたらいいのか分からない」「気がつけば時間が足りない」「活動がバラバラで子どもが集中できていない」など、さまざまな悩みに直面します。


授業には基本の「型」があり、それを身につけることで毎時間の授業がスムーズになり、子どもも先生も安心して学びに向かえるようになります。


何事も「守・破・離」

基本である「守」を身につけているからこそ、「破・離」へと成長していくことができます。


本記事では、授業を9つのステップに分けて授業展開のキホンを解説し、それぞれの場面で何を意識すればよいのかを具体的にお伝えします。


最後まで読むと、授業の基本的な流れを理解でき、授業の時間がもっと楽しくなりますよ。



▼youtubeチャンネルはこちら▼




<目的>


授業をルーティン化し、子どもも先生も安心して学べる教室をつくる


<要点>


<授業の流れで大切にしたいこと>
・授業の型を身につけ、ルーティン化する
・授業の型は全部で9ステップある
・「分かった!」「できた!」のタイミングは人それぞれ

<授業の型9ステップ>
①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
②導入
③一人の時間
④ペア・グループ交流
⑤みんなの時間(全体交流)
⑥つけ足しタイム
⑦まとめ
⑧練習
⑨ふりかえり


1.授業に「型」は必要か?【授業展開のコツ】

型に当てはめると、子ども達が窮屈に感じるのではないか?
いつも同じだと退屈な授業になるってしまうのでは


子どもを型にはめるというのは、不安もあると思います。

そこでここでは、前提として授業に「型」が必要である理由を解説します。



⑴「型」があるからこそ、授業は自由になる

授業はクリエイティブな営みです。

ですが、基盤となる「型」がなければ、自由に羽ばたくことはできません。

スポーツでも芸術でも、まずは基本となる「型」を身につけるところからスタートします。

授業も同じです。

型があることで、教師はその日の授業内容に集中できますし、子どもたちも「次に何が来るか」がわかって安心します。


予測可能な流れは、見通しを持って学ぶためにとても大切です。

この「授業の型」を身につけることは、「守・破・離」の「守」にあたります。

  • :決められた型や教えを守り、繰り返して基本を習得する段階

  • :基本をベースに工夫を取り入れ、型を発展させていく段階

  • :型から離れ、独自のスタイルを確立する段階


まずは型を身につけることで、それを発展させたり独自の個性を発揮させたりすることができます。



⑵「いつも同じ」だと退屈?実は、それが力になっていく

「毎回同じ流れで授業をしていたら、子どもが飽きてしまうのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。

しかし、同じ流れが定着することで見通しをもつことができ、むしろ安心感と挑戦の芽を育みます。


さらに、活動の時間を変えたり内容が変わったりすることで、より学習の密度が上がっていきます

今回紹介する授業の流れは、自由進度学習や探究学習、議論スタイルの授業など、様々な授業スタイルに応用することができます。

まさに、授業の土台=「守」に当たる部分なのですね。


また、もし仮に子ども達が退屈を感じているのであれば、それも成長している証です。

授業に前向きになり、学び方が身についている証拠でもあります。

そこで、学習形態を「ペアにする?グループにする?」と対話的に決めていくことで、子ども達はより主体的に学習を進めることができます。


授業の進め方についてはこちらの記事「はじめての学級経営⑥授業の進め方」で詳しく解説しています。

理想はテンポよくかつ緩急のある授業です。


ですが、そのための土台は「授業を流せる」こと

周りにいる「授業がうまい先輩」も最初はスムーズに授業を流すことから始めています。

いきなり頂点を目指す必要はありません。


まずは「授業を流せるようになる」ことを目指しましょう。



話を戻しますね。

結論、授業の流れが同じでも退屈になることはありません

授業の中で活動時間の配分を変えたり、グループでのやり取りや探究的な課題を取り入れたりすれば、授業スタイルに変化が出ます。


同じ「流れ」の中で多様性を持たせることで、子どもたちは退屈することなく、より深く学んでいけますよ。

<授業に型は必要か? まとめ>
授業には「型」があるからこそ、自由になれる
→「守・破・離」の“守”として、型を身につけることが土台になる。
→ 基本の流れがあることで、教師も子どもも安心して学習に集中できる。

「型」で見通しがもて、学びやすさに直結する
 → 子どもが「次に何が来るか」が分かり、見通しをもって取り組める。
 → 授業の型は、安心感と挑戦心を育てる。

「毎回同じ流れ=退屈」ではない
 → 形式が同じでも、活動内容や時間配分で変化が出る。
 → 同じ「型」の中で多様な学習活動を行えば、学習の質が上がる。

「飽きた」という反応は、成長のサインでもある
 → 学び方が身についてきた証拠。
 → 学習形態を自分たちで選べるようにすれば、主体性も育つ。

この「型」はどんな授業スタイルにも応用できる
 → 自由進度学習・探究学習・議論型授業など、幅広く応用できる。


2.授業の9ステップ【授業展開の基本】

授業の基本的な流れとして、以下の9つのステップを意識してみましょう。

<授業の型 基本の9ステップ>
①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
②導入
③一人の時間
④ペア・グループ交流
⑤みんなの時間(全体交流)
⑥つけ足しタイム
⑦まとめ
⑧練習
⑨ふりかえり

この9ステップを覚えておけば、どんな教科・単元でも「型」を持って授業を組み立てることができます。



より具体的に、各ステップでやることをイメージしてみましょう。

<授業の型 基本の9ステップ イメージ>

①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
 
各教科の基礎知識をゲーム感覚で習得します。基礎学力を身につけ、授業に向けてのウォーミングアップをしていきます。

②導入
 
子ども達が「学びたい!」と思えるしかけを用意します。ここで「問い」を生み出し、子どもの心をつかめたら授業の勝ちパターンに入ります。

③一人の時間
 
導入から生まれた問いに対して、まずは一人で考えます。できる子はこの後の学習過程で周りに教えられるように、分からなくても今の自分の現在地を知るために、それぞれが自分の課題に向き合います。

④ペア・グループ交流
 
一人の時間での成果を仲間とシェアします。交流には「1伝える2比べる3決める4生み出す」の4つのレベルがあり、まずは「1伝える」ができるよう指導していきます。

⑤みんなの時間(全体交流)
 
クラス全体で交流をします。ここで教師はファシリテーションに徹し、学級全体で「思考の流れ」を追体験できるよう流れをデザインします。「分からない!」「こうかな?」「ああでもない、こうでもない」と意見が飛び交っているイメージです。

⑥つけ足しタイム
 
全体交流で話し合ったことをもとに、自分の意見に付けたしをしていきます。自分の「分からない」を解決するような意見、思い付かなかった別の意見など、交流を通して自分の考えが広がったきっかけとなった考えをメモしていきます。

⑦まとめ
 
導入で生まれた「問い」に対する「答え」を書きます。

⑧練習
 
「答え」を自分でうまく使いこなせるか、確かめるために練習をします。

⑨ふりかえり
 
この時間を通した「気付き」を書き記します。ペアでふりかえったりにこちゃんマークでふりかえったりするなど、簡易的な方法もあります。


ここまで読んでどう思われましたか?

「私にはできない…」
「こんな理想的な流れになるはずがない…」


もしこんなことが頭によぎったなら、今すぐその考えを捨ててください(一切よぎらなかった人はこのまま「3.ステップごとのポイント」まで進んでください!)。


少し厳しい言い方になりますが、それは面倒だからと自分に都合のいい言い訳を脳が勝手に探しているだけです。


「現状維持バイアス」が働いているのかもしれません。

現状維持バイアスとは、「変化を避けて現状維持を求める、現在の状況よりも好転するとわかっていても行動できない心理傾向」のことを言います。


自分の可能性を自分で捨ててしまってはもったいないです。

せっかくこうして学んでいるのですから、自分の可能性を捨てないでください。あなたならきっとできます。


ちがいは、

知っているのか、いないのか、

やったのか、やり続けたのか、それともやらなかったのか

それだけです。

最終的に行動するかどうかは自分次第です。


少し説教くさくなりましたが、「自分の授業を変えたい!」と本気で思っていない人がここから先を読んでも意味がないので、伝えさせていただきました。


続けて各ステップ(学習過程)ごとのポイントを解説していきます。

<授業の型9ステップ まとめ>
①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
②導入
③一人の時間
④ペア・グループ交流
⑤みんなの時間(全体交流)
⑥つけ足しタイム
⑦まとめ
⑧練習
⑨ふりかえり


3.各ステップ(学習過程)ごとのポイント【授業の作り方・流れ】

各ステップごとに、教師がやっておきたい工夫を理解しよう

ここからは、学習過程ごとのポイントを解説していきます。



⑴ ベーシックタイム(目安:3~5分)

基礎・基本を「楽しく・繰り返し・習得する」時間にする

①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
 各教科の基礎知識をゲーム感覚で習得します。基礎学力を身につけ、授業に向けてのウォーミングアップをしていきます。

授業の冒頭、最初の3分間は「基礎基本を習得させる時間」として位置づけましょう。

ここで大切なのは、ゲーム性やチャレンジ性を取り入れることです。

✅暗記してクイズにする
✅タイマーをカウントアップさせて自己ベストを目指す

など。

「できない→できる」
「できる→昨日の自分よりできる」

とゲーム性を取り入れ、どの習熟度でも自分を高められるよう工夫します。


たとえば算数なら、既習の計算をフラッシュカードで確認したり、

理科なら重要語句をフラッシュカードでテンポよく出してクイズ形式にするなどの工夫があります。


この時間は「楽しく・短く・集中して」行うことで、子どもたちの頭と心を学習活動に切り替える役割を果たします。


詳しくは「はじめての学級経営⑨その1「授業の導入」ベーシックタイム」で解説しています。

型を決めておくと、子どもたちも安心して取り組めるようになりますよ。



⑵ 導入(目安:5分)

「何を学ぶのか」「なぜ学ぶのか」を分かりやすく提示する
短い時間で「?ハテナ」や「ワクワク」を引き出す

②導入
 子ども達が「学びたい!」と思えるしかけを用意します。ここで「問い」を生み出し、子どもの心をつかめたら授業の勝ちパターンに入ります。


授業全体の流れを決めるうえで、導入はとても大切な時間です。

ここで重要なのは次の2つです。

①「問い」を生み出すこと
②子どもの心をつかむこと

導入では、子ども達が「学びたい!」と思えるしかけを用意します。


ここで大切なのは、シンプルで分かりやすく、かつ「?」が残るようなサプライズがあることです。


問いや問題意識が自然とわいてくるような「?」のある導入を目指します。


今回は算数の例を用意しました。


<導入 具体例>

⑴黒板に三角形や円、四角形、その他さまざまな図形を掲示する

三角形だけ裏に「あたり」と書いておきます。

⑵「今からくじ引きをします。この中に当たりがあります。」

ゲームのルールを簡単に説明したら、くじ引きを始めます。選んだ図形の裏を見せて、何も書いていなければ「はずれ」です。「あたり」と書いていれば「あたり」になります。

⑶きまりを見つける

何度かくじ引きをしたところで、きまりを見つける子どもが現れます。その時点で一度くじ引きをやめて、めあてを作ります。

「きまりを見つけ、くじのあたりを当てよう」

その後はくじのあたりを予想して、その理由を書いていくと言った活動に入ります。こうすることで、子どもが「くじ引きのあたりをみつけたい」という興味をもち、「くじ引きのきまりってなんだろう?」という「?」疑問を抱くことができます。


短い時間で、「今日の学習が何につながるのか」「なぜそれを学ぶのか」が感じられるように設計してみましょう。

そして、「問い」を共有したら、めあてを書いていきます。

本記事ではここまでを「導入」としています。


導入の具体例については、「はじめての学級経営⑨その2"授業の導入"」で解説しています。


<導入の価値は科学的に証明されている>

学校教育で慣習的に行われている「授業の導入」には科学的根拠があります。

詳しくはこちらの記事「子どもとの関わり方に正解はある?ー『科学的根拠て』が示す"私たちが今できること"」で解説しています。


⑶ 一人の時間(目安:5分)

自力で考える時間。安心して“間違えられる”空気をつくる

③一人の時間
 導入から生まれた問いに対して、まずは一人で考えます。できる子はこの後の学習過程で周りに教えられるように、分からなくても今の自分の現在地を知るために、それぞれが自分の課題に向き合います。

導入のあとは、「一人の時間」です。

ここでは、まずは子ども自身に考えさせることを大切にします。


ポイントは、「ここで全員が完璧に理解する必要はない」ということ。

むしろ、自分の考えを持ったり、どこでつまずいているのかを自覚したりする時間にしていきましょう。


ここからは「一人の時間」に入るまでの流れをみていきましょう。


<めあてを書いてから「一人の時間」までの流れ>
①学習の見通しをもつ
②評価の基準を共有する
③自力解決の時間を決める


<①学習の見通しをもつ>

「一人の時間」ですることが大まかに分かり、「取り組み方」が分からず止まる子どもを減らす

めあて(問い)を書き終えたら、問いを解決するための道筋を考えます。

まずはこちらの板書例をご覧下さい。

板書例(参考『新編 新しい算数 3年上』東京書籍)

上の板書の左下、問題の真下の板書をすることで、一人の時間での学習の見通しをもたせます。

【板書見本】
(一人)
①式
②計算
③せつ明
 言葉、図、位取り表…


学習問題(365円の…)に対して、どのようなやり方で解くのか?を子ども達と決めていきます。

<問い(学習問題)>
「365円のノートと472円の色えん筆を買います。代金はいくらですか。」

<問題への取り組み方(学習課題)>
①式
→まずは式を立てる

②計算
→次に式を計算する

③せつ明
→言葉や図などで自分の考えを整理し、説明できるようにする

始めは、板書してから説明するなど、一方的に教師から伝えてもOKです。

慣れてきたら、じょじょに子ども達と対話的に決めていきます。

<問いかけ 例>
「この問題を解くには、まず何をしたらいい?」
「式を立てたら、どうする?」
「答えが分かったら他にできることはある?」

ポイントは、ここで共有することは「解決するための大まかな道筋」に留めることです。

算数の例の場合だと、

「たし算で解きます。」
「筆算で解きます。」
「筆算はこうやりましたね。」

と具体的な解決策を教えるのはおすすめしません。

一見、子どもにやさしい指導のように思えますが、

これでは子ども達が「自分の足で歩いで転ぶ」ことができなくなってしまいます。


「分からない→分かる」
「できない→できる」

「分かる」「できる」まで到達するには、まず「分からない」「できない」ことに自分で気付く必要があります。

また、「分かる」「できる」子であっても、他の解決方法を探したり、自分の考えを整理したりすることで理解をより深めることができます。


だからこそ、具体的な解き方や考え方はまずは自分で考えることが大切です。


<授業のイメージ>

授業を登山にたとえるなら、

導入で「あの山に登りたい!」と子ども達が感じ、

めあては「あの山の頂上まで登ろう」

学習の見通しは「この登山口からあの山に登りましょう」

と教師が導くといったイメージです。


参考:宮澤悠維教育研究所

「一人の時間」では、"登山口から登る"ことは教えますが、それ以降の道のりは自分で考えます。


登山口でキョロキョロして前に進めない子もいれば、

間違った道に行く子もいれば、

なんとか登り切れたり、

はたまたすいすい登っていったり、

ちがう登り方はないかと、いろいろな道を開拓したり…


最低限の行き方だけ伝えて、あとはそれぞれの歩き方で進んでいきます。


そのために、「学習課題(大まかな道筋)」を共有し、学習の見通しをもたせることが大切です。


<②評価の基準を共有する>

ふりかえりで自己評価するための基準を事前に伝える

到達目標(B評価、A評価)の基準を共有します。

先ほどの算数の例で言えば、B評価が「三桁+三桁のたし算の筆算ができる」なら、

「手順①式」なら「普通の顔」
「手順②計算」までできていれば「にこちゃん😊」
「手順③説明」までできていれば「にこちゃん花丸😊💮」
二つ以上の方法で説明できたら「にこちゃん花丸😊💮+葉っぱ🍃」

のように伝えます。


高学年であれば、

「good!」「great!」「excellent!」
「 B」「A」「S」

など、クラスの子ども達に伝わりやすい評価方法で構いません。

学齢に合った自己評価の仕方であれば方法は何でもOKです。

最終的な自己評価は「⑨ふりかえり」で行います。

そのため、「③一人の時間~⑧練習」までの過程を経て、最終的にどこまで行けたか、で自己評価をします。


この評価基準を事前に共有することで、学習の質が上がります。

たとえば「⑦つけたしタイム」で

「自分で一つ考えを書けたな。もう一つ考えをメモしたら花丸に葉っぱ🍃が付けられる。○○さんの意見が参考になったからノートにメモしておこう。」

と、評価基準を知っていることが、学習の質を上げる上での一つの動機付けになります。


評価基準を「一人の時間」の前に共有しておくようにしましょう。



<③自力解決の時間を決める>

「一人の時間」の活動時間を決め、学習の見通しをもつ

学習の見通しをもつことができたら、最後に活動時間を決めます。

<活動時間の決め方>
①教師が「何分くらいでできそう?」と問いかける

②子ども達が指で「3」「5」など表現する
 ※一斉に声で言ってもいいですが、他の人の声にかぶせようとうるさくなるため。

③教師が全体の平均くらいの時間に設定する
 声かけ例「〇分くらい人が多いので、〇分にします。では、どうぞ。(タイマースタート)」


そんなことしたら、素っ頓狂な時間配分になるのでは?と思うかもしれませんが、

はじめはそうなります。(笑)

なったらなったで、こんなに時間必要なかったね。で終わりです。


反対に、決めた時間が経過した時点で、過半数が書ききれていないような状況もありますよね。

その場合は、時間を追加します。

<時間を追加するときの例>
「時間になりました。もう少し時間が必要な人はいますか?」
→過半数(目安)が挙手したら追加する


板書にも時間を追加したことが分かるように追記します。

板書例(参考『新編 新しい算数 3年上』東京書籍)

↑左の「一人 5」→「一人 6」のようなイメージです。

板書することで、自分たちが設定した時間と実際にかかった時間の"ズレ"が可視化されます。

この"ズレ"をシェアすることで、時間の見積もりをする力を養います。


たった一つの数字と斜線を書くだけ。


そんな地味な作業ですが、これがあることで、

子ども達は少しずつ時間の調整力が身に付いていきますよ。


このようにして活動時間を共有し、活動に区切りをつけ、学習の見通しがもてるようにします。



⑷ ペア・グループ交流(目安:2〜5分)

とにかく“量をこなす”がポイント。
交流の習慣をつける

一人で考えたあとは、必ず誰かと考えを共有する時間を入れましょう。

この交流は、授業の核をつくる大事な場面です。

ここで意識したいのは、とにかく「量」。

毎時間のようにペアやグループで話す時間を設けることで、「交流して考えるのが当たり前」というクラスの文化が育っていきます。


まずはペア交流からスタート。

自信のない子どもが先に話しやすいように、「一言目」を指定しておくとスムーズです。

<交流の一言目 例>
言ってもいいですか。
話していいですか。

参考:宮澤悠維教育研究所

慣れてきたら、交流のレベルを少しずつ上げていきましょう。

以下のようなステップを意識すると成長が見えやすくなります。

<交流レベルのステップアップ例>
レベル1
自分の考えを「伝える」
レベル2
お互いの意見を「くらべる」
レベル3
よりよい意見を「きめる」
レベル4
新しい意見・アイデアを「つくる」



⑸ みんなの時間(目安:8〜15分)

全体で“ゴールを共有する”ための交流。
教師はファシリテーターに

小グループでの交流のあとには、全体での共有タイムを設けましょう。

この「みんなの時間」は、授業の目的や学習のゴールをクラス全体で共有するための場です。

教師の役割は、単に「発表させる人を選ぶこと」ではありません。

子どもたちの考えをつなげたり、問いを投げかけて深めたりするファシリテーターになることが大切です。

キーワードは、

「どう思う?」

という問いを繰り返し投げかけること。

また、交流が広がるよう、一人の時間やグループ交流のなかで「これはクラスに共有したい!」という意見を見つけておきましょう。

そうすると、全体共有の時間も自然と「意味のある発表」になります。

🔸教師の声かけ例
「さっき〇〇さんが面白いことを言ってたよね。どう思う?」
「この考え、今までとどう違う?」

事前に交流の中で発表させたい意見を見つけ、意図的に指名することで、自然な流れをつくります。

発表者は意図的に指名しながら、「考えが広がる流れ」を意識して構成していくことがポイントです。



⑹ つけ足しタイム(目安:1〜2分)

“他の人の考え”から学ぶ習慣をつくる

全体交流のあとは、「つけたしタイム」を設けましょう。

これは、友達の意見を聞いたうえで、自分のノートに学びを追記する時間です。

子どもには、青鉛筆を使って追記することを提案します。

「ここは友達の考えで気づいた」
「ここをなおしたい」

といった内容を書き足すことで、“他者から学ぶ”感覚が育っていきます。


黒板にも工夫を入れましょう。

子どもたちの意見は黄色チョークで目立たせて書いておくと、「どの意見を付け足そうか?」と迷わず確認できます。

🔸教師の声かけ例
「友達の発表で“なるほど!”と思ったところを青で書こう」

たった1〜2分でも、学びがぐっと深まり、次の練習やまとめの時間への橋渡しになります。



⑺ まとめ(目安:3分)

「学習問題=問い」に対する「答え」を書く時間。
学びの核心を言語化する

授業の終盤には、「まとめ」の時間をしっかり確保しましょう。

ここで目指すのは、学習のめあて(学習問題)に対する“解決策(答え)”を自分の言葉で書けるようになることです。


たとえば、「三角形の面積を求めよう(学習問題)」というめあて(問い)に対しては、

「三角形の面積は底辺×高さ÷2で求められる」と答えられるようにします。


この「問い→答え」の構造を定着させることで、学習が深まるのはもちろん、テストで問われる力(思考を言語化する力)にも直結します。


初めは一緒に書いてもOK。

次は、答えの一部を空欄にして子ども自身に補わせる。

さらに慣れてきたら、冒頭の書き出しだけを提示して、あとは自分で完成させるように促します。

最終的には、キーワードをヒントとして板書した上で、自分の言葉でまとめを書かせることを目標にします。


🔸教師の声かけ例
「今日は“問い”に対して“答え”を自分の言葉で書いてみよう」
「キーワードは板書してあるよ。使ってOKです」


⑻ 練習(目安:5分~10分)

学んだことを“使う”時間。
習得を定着に変える

「まとめ」で学んだことを、実際に使ってみる時間が「練習」です。

ここでは、子どもが“理解したつもり”から“本当に使える”状態へとレベルアップすることが目的です。


全ての問題を一緒に解く必要はありません。

大切なのは、重要な問題を厳選して一緒に解くこと。そして、あとは子どもたち自身が選べるようにすることです。

🔸練習問題の設計例
重要な1問は一緒に解く(ステップ確認)
残りの問題はレベル別で提示し、自分に合った分量を選ばせる
丸つけ用の答えを渡し、「丸つけをする力」も育てる

練習は、単なる反復ではありません。

自分で考え、判断し、訂正し、積み上げる時間でもあります。



⑼ ふりかえり(目安:1~5分)

客観の「まとめ」から、主観の「ふりかえり」へ

授業の最後には、自分自身の学びを見つめ直す「ふりかえり」の時間を取りましょう。

ここでは、「今日の授業で何を感じたか」「どんなことに気づいたか」など、主観的な視点で書くことを大切にします。


🔸ふりかえりの書き出し例
「気づいたことは…」
「今日は〇〇ができるようになった」
「次はもっと〇〇をがんばりたい」
「○○さんの意見を聞いて考えがこう変わった」


また、時間がない時は、ペアでふりかえりを共有したり、「にこちゃんマーク」などの自己評価の形式を取り入れたりすることで、ふりかえりが楽しく習慣化されていきます。

🔸ふりかえりのアイデア
・文章でふりかえる(書き出し指定)
・にこちゃん3段階評価
・ペアと一言ずつふりかえりを伝え合う

右下のにこちゃんがふりかえりの一例


ふりかえりが終わったら、ノートチェックをさっと行い、授業をしっかりしめくくりましょう。

「気づいたことは…」から始める
or
ペアで話す
or
にこちゃんマークで達成度を自己評価

→教師がノートをチェックしてフィードバック

私がノートチェックをするときは、

「はんこの数」評価
「考えが二つ書けているね」などと声かけフィードバック

をしていました。


この時間があることで、学びを「自分のもの」にして授業を終えることができます。


<学習のまとめ>

今回は学級経営の基本である「授業の流れのルーティン化」について解説しました。

まとめると、

<授業の流れ 要点>
・授業には「型」が必要。型があることで、先生も子どもも安心して授業に集中できる。
・授業の9ステップを意識することで、毎時間の授業が安定する。
・それぞれのステップには目的があり、少しの工夫で学びの質が大きく変わる。

<授業の型9ステップ まとめ>
登山をイメージしてみよう!

①ベーシックタイム(ウォーミングアップ)
→登山をする前の"準備運動"
②導入
→「あの山のてっぺんに登りたい!」と子どもに思わせる"しかけ"
③一人の時間
→登山口からスタートして、まずは一人で登ってみる
④ペア・グループ交流
→一度集合場所に集まり、数人で経過報告をする
⑤みんなの時間(全体交流)
→全員で、最適な登山道を検討しながら頂上まで登る
⑥つけ足しタイム
→山頂に到達した後に、参考になった登り方を自分のノートにメモする
⑦まとめ
登山口から頂上までの登り方を"誰でも分かるように"言葉にする
⑧練習
→形が似ている別の山に登って、⑦の使い方をたしかめる
⑨ふりかえり
→山を登ってみて、"自分が気付いたこと""自分の変化"を言葉にする

授業では、他にも

✅山の毒虫を排除する(=安心感のある教室にする)

✅一緒に登る仲間との接し方を教える(=交流の取り組み方)

など、教師としてできることはたくさん。

本当に奥が深いです。


とはいえ、すべてを短期間で学ぼうとするのは難しい。

ですから、今回紹介した「授業の型」をまずは身につけましょう。

応援しています!


この記事を通して、「今更こんな当たり前のこと聞けない…」と困っている先生の力に少しでもなれていたらうれしいです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

お相手は、もみじでした。

また次の記事でお会いしましょう👋


▼はじめての学級経営シリーズ▼

※シリーズ各記事の概要とリンクを掲載しています。



<参考>


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