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南鳥島レアアース計画が 絶対に成立しない12の理由

日本政府が「国家戦略」として推し進める南鳥島レアアース採掘。
国内メディアは「世界初」「資源大国への道」「経済安全保障の切り札」と持ち上げるが、実態は技術・環境・経済・軍事・倫理、いずれの観点から見ても成立しない。

これは単なる失策ではなく、 国家の意思決定そのものが機能不全に陥っていることを示す “令和のインパール作戦” である。

本稿では、この計画がなぜ根本的に不可能なのかを、 採掘・環境・軍事・輸送・製錬・国際市場・国家意思決定 という問題を解剖していきます。

なお、あらかじめ言っておきたいのが、私だって実現可能性があるならば、自国のレアアース事業なんて喉から手が出るほど欲しい。
だが、調査した結果、「絶望的なまでに税金を垂れ流す 死の行軍になる」と知ってしまったので、その調査内容を公開しました。

それでは解説していきます。


■ 1. そもそも採掘地点が最悪の立地

まず前提として、レアアース泥があるのは南鳥島ではない。 南鳥島から さらに270km南方、つまりは日本の本土から 片道2000km以上 離れた海域だ。

採掘・輸送・補給・警戒のすべてが 往復4000kmの海上ルート に依存する。

必要となる船舶は、

  • 泥を運ぶタンカー

  • 燃料を運ぶ補給船

  • 作業員交代船

  • ポンプ船

  • 洋上プラント船

  • 警戒船

これらが常にピストン輸送を続ける。
当然、燃料は重油頼み。 CO₂排出は石油採掘以上になる。

「脱炭素のためのレアアース」が、脱炭素を徹底的に無視して破壊する行為になってしまう矛盾がここにある。

■ 2. 天候だけで破綻する

南鳥島周辺は太平洋のど真ん中で、

  • 台風

  • 熱帯低気圧

  • 高波

  • うねり

  • 長期の荒天

が頻発する海域。

深海採掘は「止めたら終わり」の事業であり、
止まることが前提の海域という時点で破綻している。

  • ポンプ船は水深6000mの揚泥管が揺れれば破断

  • 洋上プラントは荒天で自壊リスク

  • 燃料を安定輸送するのは困難

  • 補給が滞れば全てが崩壊

  • 洋上で修理は不可能

あまりにも悪条件が揃いすぎている。

■ 3. 国防的にも維持が不可能

この計画をフル稼働させるということは、 中国との国交断絶が前提にされている。 しかし、

  • 2000km離れた海域を守れない

  • 護衛艦を常時展開できない

  • 補給ルートが維持できない

  • 海賊的なゲリラ攻撃を防げない

つまり、戦時どころか平時ですら守れない。 国家戦略として論理がすで破綻している。

■ 4. 製錬は日本では絶対に不可能

レアアース製錬には、 強酸・強アルカリを何百回もかける化学処理が不可欠で、1トンのレアアースに対し2000トンの猛毒廃棄物が発生する。

中国が独占できるのは、

  • 猛毒廃棄物を垂れ流せる土地がいくらでもある

  • 自然保護や環境規制や土壌汚染を無視できる

  • 地元住民の反対運動を無視した強制移転が可能

  • 健康被害や人権を無視した労働環境を強要できる

  • これを行える独裁政治体制と国土があるから

採掘だけだったらアメリカが12%、オーストラリアが5%、世界シェアがあるが、日本よりも断然土地が広い国ですら精錬を中国に押し付けている状況(精錬の世界シェア  中国が92%)

なおさら土地が狭く、環境規制が厳しい日本では不可能。 放射性物質が少ないとかは関係ない、そもそも猛毒。 廃棄物を捨てる土地がない。

■ 5. 2013年に「無理」と結論が出ている

2010年、中国によるからレアアース輸出規制を受け、日本は国家プロジェクトとして調査を開始。 日本の陸地にはレアアースはない事が判明したが、2012年には海底に資源があることが発見され、2013年に採掘実験した結果、

  • 技術的に無理

  • コスト的に無理

  • 輸送が無理

  • 製錬が無理

  • 国防的に無理

  • 環境的に無理

  • 国際問題で無理

という結論が出ていた。レアアース泥の採掘も試験程度の量であれば2013年に成功させている。 そこから現在においても、大手メディアがこれほどまでに大礼賛するほどの進歩は別にされていない状況。

そりゃ13年も経ってるわけだから、それなりの技術躍進はしているが、「世界初!」という条件自体は、13年前にすでに達成済みの実験成果の延長をプロパガンダとして焼き直しているだけです。

■ 6. 深海採掘は不可逆の環境破壊行為

レアアース泥は水分90%以上。
洋上での分離工程で泥と海水が大量放出されるが、深海6000mの泥を曝すと以下の反応が起こる。

無酸素泥、深海微生物、金属イオンの溶出

レアアース泥には希土類だけでなく、鉄・マンガン・リン・バリウムなどが含まれる。 酸化により一部が溶出。  そして「深海レアアースは放射性物質が少ない」といっても相対的に少ないだけで、絶対量は存在する

  • 硫化物・還元鉄・マンガンが酸化

  • 深海微生物が海面に上げられ死滅

  • 無酸素泥で溶存酸素を大量に消費

  • 局所的な貧酸素区域が発生

  • 水の透過率低下 → 光合成阻害

  • 表層の植物プランクトンが減少

  • 海洋生物が泥を誤食

  • 魚類に粒子が付着し呼吸障害

  • サンゴ・海藻が死滅

  • 食物連鎖の崩壊

  • 放射性物質が年月と共に高濃度化

これらは技術力でどうにかなる問題ではなく、近隣は死の海と化す。

深海での鉱物採掘が国際的に凍結・禁止の方向にあるのは、この環境リスクがあまりにも大きいからだ。

海底油田の採掘が、井戸の仕組みで海底から「」で吸い上げるのとは違い、レアアースはあくまで鉱物だ。
つまり海底を点ではなく「破壊」ことになる。 しかも年月とともに面が広がっていく、さらに泥を吸い上げて分離させる過程で9割以上が不要物であり海上放出が必須なことも、環境汚染の差は段違いだ。

だからこそ

■ 7. 採れても国際市場は買ってくれない

現在、世界37カ国以上が『深海採掘で得た鉱物資源は使用しない』という国際声明に賛同している。
これは「環境に優しい国アピール」とかいう理念ではなく、現実的な市場判断だ。

  • ESG(環境・社会・ガバナンス)

  • SDGs

  • サプライチェーン監査

  • Scope3排出量

  • 国際的な環境規制

  • 投資家の倫理基準

これによって、Google Apple Microsoft Intel NVIDIA Meta Samsung Ford BMW Volvo Tesla などなど有名な大企業は深海採掘由来資源の不使用を表明している。 日本企業のパナソニックやソニーも同様。 環境破壊資源を使えば 企業価値そのもの が毀損するからだ

つまり

■ 8. 「商業化」の議論自体が成立しない

「何年後に商業化できるようになるか?」という議論は無意味だ。
市場が拒否する資源に、商業化は存在しない

深海採掘レアアースは、

  • 環境破壊の象徴

  • ESG違反

  • 国際的批判対象

  • 企業のブランド価値を毀損

売れない資源を採るために、
国家予算を数十兆円規模の予算を投じる狂気。

なので

■ 9. 「できる・できない」の問題ではない

よくある反論にこういうものがある。

  • 昔は飛行機も不可能と言われた

  • 宇宙開発も不可能と言われた

  • 技術は進歩する

  • やればできる

しかし、深海の環境汚染、生態系の回復には、数百〜数千年かかるため、これは事実上の不可逆的破壊になる。
いかに困難かは前述したが、大量の燃料を使って船をピストン輸送させ、海底を削って海上に泥を放出する環境破壊行為。

日本の技術力が高いから「世界初」なんじゃない。
各国が「技術的には採掘可能でもこんなことやってはいけない」と判断しているというだけ。

もし、これらの環境破壊を防ごうというのであれば、「吸い上げた泥を放出せず全部本土に持って帰る」 しかない。
片道2000キロ、往復4000キロもあるため、重油を消費しまくってCO2を吐き出しまくることになる。

採掘した泥は9割以上が不要分のため、輸送コストは安く見積もっても10倍以上に跳ね上がる。 ありえないほどの国家予算を使う上、重油依存が悪化、時代を逆行し環境汚染を深刻化させる。

■ 10. 日本の意思決定文化が壊れている

六ヶ所村再処理工場は「4年で完成予定」のはずが30年かけても完成せず、国家予算を17兆円浪費。

福島原発事故に至っては15年経った今もデブリが耳かき1杯分しか取れておらず、賠償金含め20兆円超を投じても進展ほぼゼロ。 なのに原発を再稼働しようとしている。

共通点は、「不可能だと分かっていても止められない」 南鳥島計画も同じ構造。 希望と精神論で突っ走り、現実から目を逸らし続けている。

さらに南鳥島も原発作業と同じくNORM(放射性物質)を扱う作業になるため、作業時のガスマスク科学防護服の着用および放射能を洗い流す特殊な除染設備が必要になるが、洋上でこれをやれというのは無謀。 6000mのパイプラインや 洋上プラントや 輸送タンカーなども、使用するほど放射能汚染が濃縮されていくという問題まで抱えている。

『中国レアアースよりも放射性物質の濃度が少ないんですッ』とか関係なく、「濃度×総量×時間」たとえ濃度が半分でも倍の泥を扱ったり倍の時間晒されたら同等の被爆量になるという事は知っておくべき。

レアアースを中国に握られてるのは日本だけでなく世界共通の問題。 そして領海が日本よりも大きい国なんていくらでもあるのに、どこの国も海底レアアース資源量の調査すらしていない。 ここに答えが出ている。

■ 11. メディアは政府広報しか報じない

  • 技術的課題

  • 環境破壊

  • 国防上の脆弱性

  • 製錬の不可能性

  • 国際規制の流れ

  • 2013年に「無理」という結論がでた

これらをほぼ報じない。

代わりに報じるのは、

  • 「世界初」

  • 「日本の技術力」

  • 「資源大国への道」

  • 「希望」

これはまさに、 大日本帝国の大本営発表の構造そのもの。

■ 12. だから「令和のインパール作戦」と呼ばれている

第二次大戦、大日本帝国時代のインパール作戦の特徴は:

  • 成功の見込みがない

  • 補給線が維持できない

  • 地形・気候が最悪

  • 兵站を無視

  • 現場の声を無視

  • 上層部が精神論で押し切る

  • メディアが批判しない

  • 失敗が見えているのに止めない

南鳥島レアアース計画は、 これらすべてに一致している。

■ 結論

南鳥島レアアース計画は、

  • 技術的に成立せず

  • 環境的に許されず

  • 国防的に維持できず

  • 商業的に売れず

  • 製錬が不可能で

  • 国際的にも認められない

“国家規模の幻想”でしかない。

必要なのは技術ではなく、 現実を直視して撤退を判断できる国民の意思決定能力だ。
 


以上になります。 記事が良かったと思った方はこちらの記事も合わせてどうぞ。



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