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閃きとは何か――時空との接続

日々、人は絶え間なく意識活動を行っている。

腹が減った。 眠い。 あいつが憎い。 なぜあの人は振り向いてくれないのだろう。 自分はあの人より上なのか、下なのか。 今日の仕事はどうしよう。

そんな思考が、頭の中を絶えず流れ続けている。

ところが、ごく稀に、その流れとはまったく質の異なる意識が訪れることがある。

まるで視界が一気に開けるような感覚。

心が軽くなり、自分でも思いもよらなかった発想が、どこからともなく現れる。

僕にとって、それは「閃き」が訪れる瞬間だ。

昔から「天啓が降りる」という表現があるが、その感覚に近いのかもしれない。

その瞬間だけは、自分の内側だけで考えているというよりも、自分を超えた何かに触れているような気さえする。

だからこそ、その閃きを前にすると、不思議な高揚感が生まれる。

しかし翌日になると、その輝きは急に色あせることがある。

「そんなことを考えていたのか」

そう自分で苦笑しながら、引き出しの奥へしまい込んでしまう。

ところが数年後、その引き出しが不意に開くことがある。

そして、かつては突飛に思えた考えが、驚くほど現実味を帯びた姿で再び現れる。

あのときは早すぎただけだったのかもしれない。

あるいは、自分自身がようやく、その閃きに追いついたのかもしれない。

だから僕は思う。

閃きとは、単なる思いつきではない。

普段の意識では届かない場所へ、一瞬だけ触れた痕跡なのではないだろうか。

それが宇宙なのか、無意識なのか、あるいは人類がまだ名前を与えていない何かなのかは分からない。僕的には「時空」という言葉がしっくりきている。

ただ、その瞬間、人はいつもの自分とは少し違う場所に立っている。

そして、そんな瞬間が人生の中で少しずつ増えていくこと。

それこそが、本当の意味で「生きている」と感じられる時間であり、至福と呼べるものなのかもしれない。

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「虚空門GATE」監督 小路谷秀樹 Hideki Koujitani 『ヒグマカルマ』は現在も北海道・東北で取材と撮影を続けています。 もし活動を応援していただける方がいましたら、サポートいただけると制作継続の力になります。 いただいた支援は、移動費・撮影費として大切に使わせていただきます。