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くだらなくて壮大な親子の話――人類滅亡後の知的生命体

先日の2026AMJ以降、倅の周りが少し賑やかになっている。
ある部門の楽曲賞にノミネートされ、残念ながら受賞は逃したものの、その直後からいろいろな話が舞い込んでいるようだ。

倅とはよく話をする。スイッチが入ると2時間でも3時間でも会話は止まらない。

僕の方が「そろそろ立つか」と逡巡していることの方が多いのかもしれない(笑)

でも、大概は楽しい。

例えばこんな具合だ。昨年の日記より。

昨夜は友達関係の話から始まり、AIの話になり、やがて「もし人類が滅びて、別の生物が知的生命体になったら?」というところまで話が飛んだ。

僕は、鳥類じゃないかと言った。
とりわけ、カラスだと。

倅は言う。

「確かにカラスは頭がいいけど、手がない。指がないから道具が作れない」

僕は返した。
「鳥の先祖、始祖鳥には指があった。進化の過程で、指の機能だけが先祖返りを起こす可能性はあるんじゃないか」

「面白い」と倅は言った。

僕はさらに聞いた。
「じゃあ、熊はどうだろう?」

倅は少し考えてから言った。
「熊も頭はいい。でも文明を築くのは難しいかもしれない」

確かに熊は、母親と子熊の時期を除けば、基本的には単独で生きる動物だ。
一方、カラスは仲間同士で情報を共有し、協力し合い、鳴き声によって意思疎通もしているように見える。

文明を築くには、知能だけではなく、社会性やコミュニケーション能力も必要なのかもしれない。

僕は昔、バリ島の山の麓で友人とキャンプをしたことがある。
朝、目覚めると頭上では鳥たちが盛んに囀り合っていた。
しばらく耳を澄ませていると、「これは何か会話しているな」と思った。
もちろん、何を話しているのかは分からない。
けれど、もし「快楽指数」のようなものがあるのなら、その会話はかなり高い数値を示しているように感じた。

後に知ったのだが、鳥が言語を持ち、仲間同士でコミュニケーションを図っていることは、鈴木俊貴教授らの研究によって明らかになっている。

シジュウカラは文法を理解し、時には仲間を欺くような「嘘」をつくことさえあるという。

そんなことを思い出すと、もし知的生命体が鳥だったとしても、案外、不思議ではないのかもしれない。
飛びながら道具を作るカラスの知的生命体は、果たしてどんな文明を築くのだろう。

平地ではなく、山や高地に都市を作るんじゃないか、と倅。

確かに、飛翔できる彼らにとって、人間には踏み込めない異界である山の方が、むしろ都合がいい。
生活圏も地上より空、空間の方が時間的に長いだろうから、空間利用の知恵が発達するかもしれない。
土地を所有するという価値観など、持つはずもない。
むしろ、気流の流れの位置取りに価値を見出すかもしれない。
建造物も、地上に積み重ねる思考ではなく、いち早く空中浮遊の都市を考えるのではないか。
反重力装置の発明も案外早いかも。

そんなことを話しながら、

「この年にもなって、こんなことをマジで考えるなんてなあ……」

と呟いた。

すると倅は言った。
「今どの株価がいけるか、みたいな話をするオヤジより、よっぽど面白いよ」
――

倅の周囲が慌ただしくなってきたこともあってか、最近はこんな長話をしていない…

また、くだらなくて壮大な話をしたいものだ。

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「虚空門GATE」監督 小路谷秀樹 Hideki Koujitani 『ヒグマカルマ』は現在も北海道・東北で取材と撮影を続けています。 もし活動を応援していただける方がいましたら、サポートいただけると制作継続の力になります。 いただいた支援は、移動費・撮影費として大切に使わせていただきます。