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【すごい博物館186】成田空港 空と大地の歴史館:開港を巡る対立と歩み寄りの経緯が伝わる!

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■成田空港 空と大地の歴史館とは

2026年6月に訪問

千葉県成田市にある「成田国際空港(通称:成田空港)」A滑走路の南東側には「航空科学博物館」がありますが、その敷地内の駐車場エリアには、空港の建設に至った地域の歴史や経緯などを紹介している「成田空港 空と大地の歴史館」という施設もあります。

首都圏の航空需要増加に対応するため、成田空港は昭和53年(1978年)に「新東京国際空港」という名称で開港しましたが、その建設を巡っては、推進側と地元住民の間に対立が生まれ、犠牲者が出るなどの問題も長く続いたということです。

その、いわゆる「空港問題」の歴史的経緯を後世に残すことなどを目的に、平成23年(2011年)にこの施設が開設され、現在は「NAA歴史伝承委員会」が運営しているということです。

おおむね八角形の館内を時計回りに巡ることで、成田市三里塚の地に空港建設が計画されてから、激しい反対運動がおこり、開港後に話し合いの場が持たれ、その後共生の理念が生まれるようになった、という歴史変遷を掴める構成になっていました。

館内の解説は日本語でしたが、スマートフォンで案内WEBサイトにアクセスすることで、日本語の他に多言語で音声ガイドを聞けるサービスもありました(フリーWi-Fiも用意されていました)。

1.どんなところへ/2.空港のはじまり

成田空港の建設が決まった場所には、江戸時代から続いていた村や、戦後に開拓された村、さらに宮内庁が管理していた牧場などがあったのだそうで、当時の生活風景の写真や、鍬などの農具が展示されていました。

新たな国際空港の計画が立ち上がり、成田市三里塚に決まるに至った経緯や、住民側が「一坪共有地運動」や「一木運動」などの反対運動を展開していたことが紹介されていました。

3.1970年前後の社会

空港問題が立ち上がった高度成長期の1970年代(昭和45年以降ごろ)とはどんな時代だったのかが、当時の雑誌・漫画・レコードを眺めながら感じ取れるようになっていました。

4.流血の日々

用地買収や土地の代執行などを巡り、実力行使を進める国・空港公団側と、抵抗する地元反対派との間で激しい衝突が起こり、けが人や死者が出ることもあったことがパネルや資料で解説されていて、反対同盟が使っていたというヘルメットや火炎瓶、離陸を邪魔するためのバルーンなども運動の激しさを物語っているようでした。

衝突が起こっていた時期に、映画監督の小川紳介さんが反対派の農民たちの生活に入り込み、闘争の様子を記録したドキュメンタリー映画を製作していたことを伝えるコーナーも設けられていました。

5.成田開港/6.長く重い時間

「管制塔占領事件」により予定より遅れたものの、昭和53年(1978年)5月に成田空港は開港し、首都圏の空の玄関口としての役割が始まり、利用者も徐々に増加していったそうです。

空港の運用開始後には、国と反対同盟による話し合いがもたれるようになり、問題解決へ向けた「駆け引き」が続けられたのだということです。

7.シンポジウムと円卓会議/8.地域にさす光

平成3年(1991年)から3年間にわたり、国・空港公団と反対同盟での、公開によるシンポジウムや会議が行われ、最終的に国が土地収用決定申請を取り下げることなどの「3つの合意」が成立したことで、反対派の多くの人たちが運動を終えるようになったのだそうです。

そして、地域社会の再生と再建に向けた動きが始まるとともに、共生への努力も続けられ、平成21年(2009年)にはB滑走路の供用開始にもつなげることができたことが紹介されていました。

9.成田空港の今・未来

最後のコーナーでは、対立の時代を乗り越えた空港と地域が、今後は「共生」と「共栄」という理念を持って未来に進むことを目指していることがアピールされていました。

企画展示室

期間ごとにテーマを変えた展示を行う部屋では、訪問時には、「まつりと祈り~空港になる地域 暮らしの記憶~」と題して、今後の空港拡張工事によって転居が行われる地域にあるお寺や神社、お祭りなどの行事を記録した写真やビデオが紹介されていました。

■まとめ

現在のインバウンド受け入れにも成田空港は欠かせない施設となっていますが、その成り立ちには、開発に取り組む人たちと、地元住民の方々の長年にわたる苦悩や努力があったという事実を改めて学ぶことができた歴史館でした。

成田市さくらの山で撮影

私自身、海外旅行やLCC搭乗の際に成田空港を利用させていただく機会も多いので、「共生」と「共栄」の考えによって、空港と地域がより栄えていってほしいなと感じました。

なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。

<良かった点・いまひとつだった点>

〇「空港問題」の歴史的経緯が時系列に理解できた
〇闘争に使われた実物の道具や書類などが目を引き印象的だった
〇企画展のテーマ選択が絶妙で常設展の情報を補う効果を感じた
△問題に思う点は特にありませんでした

■インフォメーション

詳細はホームページで確認を

開館日・時間
 火~日曜日(月曜日は休館、祝日の場合は翌日、8月は前日開館)
 10:00 - 17:00(入館は16:30まで)
料金
 無料
アクセス
 駐車場あり
 京成バス千葉イーストまたはJRバス関東の航空科学博物館停留所 徒歩約5分
住所
 289-1608 千葉県山武郡芝山町岩山 113-2(航空科学博物館敷地内)

以上です、ご覧いただきありがとうございました。

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