月刊AIレポート 連携編(通巻8号)
月刊AIレポートの兄弟企画|連携ツール・IDE特集(通巻8号)
~AIが増えすぎたので、役割ごとに並べてみた~
今月の一言
「AIを増やした月ではなく、手を動かす感覚を取り戻した月だった。」
先月は「定番を探す旅」に出た。
n8n、Dify、Activepieces、Flowise、Langflow
世の中にはAIを繋ぐためのツールが溢れている。
連携をやるようになって、はじめて気づくことが、多かった。
私はLLMを10種類も使えば十分だと思い込んでいた。
既に300種類以上もあるAIから最適な一つを自動的に選択する時代、
もう普通になっていた。どれも同じではない。
しかし、この1か月を振り返ると、私が最も長い時間を過ごしたのはDifyでもn8nでもなかった。Zedだった。そして、思い出したようにNode-REDを再び触っていた。
今月は「AIをどう繋ぐか」よりも、
「どこまでAIに任せるか」を考える月になった。
今月の一言まとめ
● 今月の推し:Zed
● 今月の再発見:Node-RED
● 今月の注目テーマ:AIのHUB戦争
● 今月の結論:AIを増やすより、入れ替えられることの方が重要だった
特集1:Zedに1か月住んでみた
正直なところ、今月の主役はZedだった。最初は「軽いエディタ」くらいの認識だった。しかし使い始めると印象が変わった。
速い。
静か。
画面がうるさくない。
必要なものだけが前に出ている。
VS Codeを長く使っていると、気づけば拡張機能が増えていく。GitLensのような便利な拡張も入れる。確かに視覚的には分かりやすい。
でも、便利になればなるほど、自分で覚えなくなる。
Zedは少し違う。Gitを勝手に実行しない。代わりにコマンドを提案してくれる。最後に実行するのは自分だ。だから自然にGitの感覚が戻ってくる。
便利なのに、学習の機会を奪わない。この距離感が心地よかった。コードを書くことだけならCodebuffでも十分だ。むしろコード生成だけなら、あちらの方が強い場面も多い。それでも私はZedを開いていた。
※Zedは、素のIDEです。
理由は単純で、「開発している感覚」があったからだ。
軽量なエディタの中にワークスペースがあり、必要な時だけLLMを呼び出せる。そしてエージェントを乗り換えても、作業環境そのものは変わらない。
最近話題になり始めたACP(Agent Client Protocol)の思想も、まさにそこにある。
AIは入れ替わる。
しかし作業机は残る。
今月の私は、その考え方に強く共感した。

特集2:Node-REDが今さら大復活した
今月もう一つの発見がNode-REDだった。Node-REDは昔からある。IoT向けのノーコード開発環境として有名だ。
※Node-REDは、素のローコード環境です。
※大復活したのは、私個人の話しです。
センサーを繋ぐ
HTTPを叩く
MQTTを扱う
工場や設備管理の現場でも動いている。正直、私はOllamaを繋ぐつもりで久しぶりに立ち上げた。
ところが結局、
今月は一度もOllamaノードを(Node-REDに)置かなかった。その代わりに作ったのは、もっと単純な仕組みだった。
noteの「スキ」通知を
GmailのIMAPで受け取る
そこからブラウザへ渡す
するとフォロワーさんのページへ楽に訪問できる。
ただそれだけだ。
AIは使っていない。しかし十分に便利だった。ここで大事なことに気づいた。私たちは最近AIを繋ぐことばかり考えている。
しかし実際には、従来のノードを繋ぐだけで解決できる問題がまだ大量に残っている。しかも、その過程で自分のスキルも少しずつ伸びる。
Node-REDは「全部自動化する道具」ではなかった。
ちょうど良く手を動かさせてくれる道具だった。と、ここまで
「AIは使っていない」と書いたが、
Node-REDのノードをきれいに設計したのはAI。
つまりAIにNode-REDをデザインしてもらった。
特集3:AIのHUB戦争が始まった
今月もう一つ気になったのは、AI業界全体の流れだ。最近の競争は「どのAIが賢いか」ではなくなりつつある。むしろ、
「どの場所がAIの集まるHUBになるか」
という競争が始まっている。その代表がOllamaだ。以前はローカルLLM実行環境という印象だった。しかし今では多くのツールがOllamaを前提に連携している。
その上にOpen WebUIが乗る
さらにn8nやDifyが接続する
Node-REDもそこへ参加できる
そしてZedのようなIDEからもアクセスできる。
つまり、AI本体よりも、AIを受け入れる土台の方が重要になり始めている。
これは先月には見えていなかった景色だ。
📰 ニュース速報
🟢 n8n、MCP時代へ本格突入
n8nは2026年に入り、MCP(Model Context Protocol)対応を急速に強化中。MCP経由でワークフローを公開したり、ClaudeやCursorなどのAIクライアントから直接ワークフローを実行・編集できるようになってきた。
さらに4月には、「ワークフローを実行する」だけでなく、
「ワークフローそのものを生成する」
機能も追加された。n8nは単なる自動化ツールから、AIエージェントの実行基盤へ進化し始めている。
🟢 Zed、ACPエコシステムを拡大中
Zedが提唱するACP(Agent Client Protocol)が少しずつ広がり始めている。
ACPの考え方はシンプル。エディタとAIエージェントを分離する。エージェントを乗り換えても、作業環境は変えなくていい。2026年初頭にはACP Registryも公開され、対応エージェントを共有する仕組みが整備された。
「AIを選ぶ」のではなく、「好きな作業机にAIを差し替える」
という発想が現実味を帯びてきた。
🟢 MCPは「標準規格」へ
去年まで一部の開発者が騒いでいたMCPだが、2026年は明らかに状況が変わった。MCP対応ツールは急増し、AIエージェントが外部ツールを利用するための事実上の共通規格になりつつある。
最近の議論は「MCPを使うべきか」ではなく、「どのMCPを繋ぐか」へ移行している。
🟡 Open WebUIは「Ollamaの画面」ではなくなった
以前は「Ollama用の便利なWeb画面」という扱いだったOpen WebUI。しかし最近は、
複数モデル管理
プラグイン
ワークスペース共有
ローカルAIの統合管理
などを備え、ローカルAIのポータル的な立場に近づいている。Ollama単体ではなく、Open WebUIを入口に据える構成も増えてきた。

まとめ:AIを増やすより、残すこと
今月はDifyをほとんど触らなかった。n8nも深掘りしなかった。
その代わりに
Zedを使い続けた
Node-REDを触り続けた
ESP32(エッジの板) を久々に触った
FreeBuffでCLI的なAIを使いまくった
どちらも、人間の仕事を全部奪わない。少しだけ手伝ってくれる。だから自分のスキルが残る。AIが進化するほど、全部任せたくなる。でも今月の私は逆のことを学んだ。
AIを増やすことよりも、AIを入れ替えられること。
そして、
自分の能力を残してくれること。
その方が長く付き合える道具になる。
次号予告
Node-RED、n8n、Difyは本当は競合なのか?
それとも役割の違う仲間なのか?
実際に連携させながら考えてみます。
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