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ジャズ記念日: 9月7日、1962年@ニューヨーク “Big Band Bossa Nova”

Sep. 7, 1962 “Soul Bossa Nova”
by Quincy Jones Orchestra incl. Roland Kirk, Phil Woods, Jim Hall and others at A&R Studio, NYC for Mercury (Big Band Bossa Nova)

ジャズトランペット奏者で、マイケルジャクソン黄金期のアレンジャーとして大成するクインシージョーンズが辣腕ジャズミュージシャンを招集してボサノバのビッグバンドを編成、録音したのが本作です。

半年後にボサノバの名盤『ゲッツ/ジルベルト』(以下)でグラミー最優秀録音部門賞を受賞し、後にビリージョエル作品等で名を成すフィルラモーンのプロデュースという豪華な組み合わせだから音楽も録音も悪い訳がありません。

クラシック録音のように音場の広さと奥行き、多数の楽器の定位が捉えられている上に音の強弱がデフォルメされていて短い曲ながら印象深く、オーディオ試聴のリファレンス盤としても活用出来ます。

エルトンジョンの「素顔のままで」でアルトサックスを吹いたフィルウッズをはじめとする著名ミュージシャンも多数参加しており、軽快なフルートソロは盲目マルチプレーヤーのローランドカークです。

盲目の天才マルチリード奏者
ローランドカーク

ノリの良い楽しげなリズムを刻むピアノは、アルゼンチン人のラロシフリンです。名前を聞いてもピンと来ないかもしれませんが、その後に『ミッションインポッシブル(スパイ大作戦)』や『ダーティハリー』、『燃えよドラゴン』といった著名な映画音楽を作曲した偉大なグラミーウィナーです。

シフリンは、これだけに留まらず、あの「三大テノール」のグラミー受賞作品の有名アルバムでアレンジを手掛けています。本作品は、ジョーンズとシフリンの二大アレンジャーが若かりし頃に共演している演奏というだけでも、有り難みが増す気がしませんか。

一世を風靡した
カレーラス、ドミンゴ、パバロッティ

本作の作曲はジョーンズで、ユーモアに満ちた一度聴いたら忘れない印象的なメロディーが受けて、テレビ番組や映画に度々採用され、1998年フランス開催のサッカーワールドカップのテーマ曲として世界的な認知を得ています。

そしてあの、おバカ映画「オースティンパワーズ (1997)」のテーマ曲としても採用されています。以下、その映画の冒頭の一シーンのように、この音楽には、下手でも何故か踊りたくなるような不思議な魅力があります。この監督兼主役のカナダ人マイクマイヤーズ(ロックバンドのクイーン、そのボーカルであるフレディマーキュリーに焦点を当てた自伝映画「ボヘミアンラプソディー」にもプロデューサー役として登場)は音楽好きで、同映画にはアメリカを代表するシンガーソングライターのバートバカラックやエルビスコステロが登場しています。

話を戻して、ジョーンズのアレンジ手法の集大成がマイケルジャクソンの綿密かつメリハリの効いたプロデュース諸作で、『オフザウォール』、『スリラー』といったアルバムでバックバンドを実力者で固めたのは勿論、『Bad』に至っては、ジャズオルガン第一人者のジミースミスをソロで起用して全世界のスポットライトを当てています。そのストーリーはこちらからどうぞ。

そしてジョーンズ無しでは実現しなかったであろう豪華な顔触れによる記憶に残る名作は、”We Are The World”。

本作のレーベルは、ジャズとしては珍しくシカゴで設立され、それまで主流だったラジオではなく、ジュークボックスを使ったプロモーションにより成長を遂げたマーキュリーで、サラヴォーンやダイナワシントンを擁していました。このレーベルも他のレーベル同様に創設者の一人がユダヤ系で、ジャズへのユダヤ系人材の貢献は計り知れないものがあります。

さて、ジョーンズのゴージャスなアレンジはこちらでもご堪能ください。

最後に、マイケルジャクソンのバックバンドミュージシャンに興味がある方は、こちらもどうぞ。

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