英文センテンスの構文がとれないとき、どうするか(4):-ed形を述部動詞であると無意識に思い込んでいないかどうかを再確認する
前回の最後に、私はこう書きました。
「なお逆にいえば、「準動詞(現在分詞、過去分詞)であって助動詞(法助動詞、第一助動詞)がついてないものは、述部動詞ではない」ということです。これもまた英文センテンスを読み取る際に最も頼りになるマーカーのひとつです。」
なぜこうしたことを書いたかというと、じつは
私たち日本人には、「準動詞のかたち(-ed形、-ing形、他)は述部動詞である」と無意識に思い込んでしまう傾向が非常に強く見られる
からです。
とくに複雑な英文を読み慣れていない初級者や中級者には、その傾向が目立ちます。
日本語では、「働く」は間違いなく「動詞」ですね。しかしながら、これまで何度も書いたように、英語ではそうではありません。
英語では、「worked」というかたちは、ふたつの文法的役割を果たします。ひとつは、述部動詞の過去時制、そしてもうひとつが「準動詞」(現在分詞、過去分詞、to不定詞)です。
そして「準動詞」とは何かをオンラインで検索すると、
「動詞の性質を持ちながら、名詞、形容詞、副詞として働く」
との説明が出てきて、さらに
「1つの文のメイン動詞(ここでいう述部動詞のこと)にはなれない」
という説明も出てくるはずです。
そうです、「準動詞」(non-finite verb)の文法的な働きは、名詞・形容詞・副詞なのであって、「述部動詞」(predicative verb)にはなれないのです。
ところが、複雑な英文のなかに「worked」と出てくると、私たちは無意識のうちに、それを「worked=働いた、作動した」と直訳してしまい、そうして、これらが動詞である、すなわち「述部動詞」であると思い込んでしまうのです。
例をみてみましょう。
He came home, worked to the bone.
ここに出てくるworkedは、述部動詞の過去時制ではありません。形容詞の働きをしている準動詞(過去分詞)です。納得できないひとは、workedをtiredに入れ替えて
He came home, tired to the bone.
として、比べてみてください。
そうすると、このセンテンスの意味が
「彼は、働きすぎて(へとへとに疲れて)、家に戻った」
であることが納得できるかと思います。
以下にSPMC分析も載せておきます。
He (S)
came home, (P)
(being) worked/tired to the bone (M)
ところが非常に多くの日本人英語学習者が、このセンテンスをぱっと見て、workedを、準動詞(過去分詞)ではなく、述部動詞の過去時制だと判断してしまうのです。SPMC分析をすると、次のとおりです。
He (S)
came home, (P)
worked to the bone (P)
この分析が無理筋であることは、workedをtiredに変えてみるとわかります。
なお、
He (S)
came home, (P)
and (C)
worked himself to the bone (P)
なら、OKです。ただし、意味は変わります。
(「彼は家に帰った。そしてへとへとになるまで働いた」)
今回は、ここまでです。次回は、この続きです。
