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心と言葉の日本語文法(15)日本語文の分析(7)【例題5-1】「ほら、川の向こう岸にはきれいなひなげしの花がたくさん咲いているよ。」

(↑のつづきです)

【例題5】
ほら、川の向こう岸にはきれいなひなげしの花がたくさん咲いているよ。

【解説】
これを、学校英文法の文節概念を用いて分析すると、次のようになる。

ほら|川の|向こう岸には|きれいな|ひなげしの|花が|たくさん|咲いているよ。

このような分析をしても、なんの役にも立たない。

いっぽう、これを「心と言葉のグローバル日本語文法」モデルで分析すると、次のようになる。

最初の「ほら」の部分は、「伝達」を表明する機能=対人的モダリティを担っている。

ここでは、相手に対する「呼びかけ」「注意喚起」の機能である。

「ほら」
  ↑
対人的モダリティ(伝達)(相手への呼びかけ、注意喚起)

次の「川の向こう岸には」の部分は、②の「認識」に対する「判断」を表明する機能、すなわち「対事的モダリティ」を担っている。

ここでは、「~は」のかたち(係り助詞)を利用して
「川の向こう岸に(は)」
という叙述内容を
場のなかでの「話題(トピック)」として「判断」して取り立てている。

それと同時に、
この「川の向こう岸に」の部分は、
①の事象に対する「認識」の機能、すなわち「命題」も担っている。

ここでは、いま話している話題の事象の「場所」を指し示している。

「川の向こう岸には」
     ↑
認識&判断=命題&対事的モダリティ
(「川の向こう岸に」を思考として認識、「川の向こう岸には」をトピックとして主体的に取り立て)

このように、複数の機能を担う表現のことを、三上章の用語にあわせて「兼務の表現」と呼ぶことにする。

つまり
「川の向こう岸には」の部分は、
①の事象に対する「認識」=命題(「川に向こう岸に」)
を表明する機能を担うとともに、
②の事象に対する「判断」=対事的モダリティ(「川の向こう岸には」
を表明する機能も
同時に担っているということである。

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