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【成瀬 日本語・英語・翻訳講座】言語・認識編(12)先取り理解・パターン理解

(↑のつづき)

先取り理解

私たちが言語を理解するときには、新しい情報を受けとって理解すると同時に、その次にどのような情報がくるかをつねに予測している。

「我輩は」と聞くと、
私たちはすでに「猫である」を先取って予測する。

「腹が減っては」であれば
「戦はできぬ」と予測する。

「犬も歩けば」であれば
「棒にあたる」が頭に浮かぶ。

こうした有名なものだけではなく、
「翻訳は」と聞くと次には
「面白い」
「難しい」
「いま勉強中である」
などがくると予測している。

一方、「翻訳は」と聞いて
「ごはんを食べたい」とか
「テレビを見た」などの情報が次にはこないことも予測できる。

こうした理解のあり方を「先取り理解」(Anticipation)と呼ぶ。

先取り理解=新情報を理解すると同時にそれに続く情報をつねに予測すること


動的理解と先取り理解は、言語処理の必須能力である。

母語ではこれらの能力は自然と身についていく。

日本人が日本語を使うときには、動的理解と先取り理解を駆動しながら理解を進めている。

だが外国語を理解する際には、これらの能力がうまく使えない。

そのため自分の耳や目の中に次々と飛び込んでくる情報を迅速に処理できず、情報が脳でオーバーフローし、思考がフリーズしてしまう。

英語を英文和訳しながら聞きとろうとするとき、この状態に陥って頭が真っ白になってしまった経験は、多くの方がお持ちではないだろうか。

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パターン理解

「パターン理解」(Pattern Recognition)とは、一部の情報から全体を類推して補完する認知過程をいう。

次に示す文を、皆さんは理解できるだろうか。

むかし、〇〇〇、あると〇ろに、お〇いさんと、〇ばあ〇〇が、い〇した。

もちろん、理解できるはずだ。

では、なぜ理解できるのか。

それは、私たちが

この文章のパターンを知っていて、みえていない部分については補完して理解しているからである。

パターン理解は言語特有のものではなく、人間のあらゆる認知活動の根幹である。

私たちはパターンのなかに生きているといってよい。

パターン理解=一部の情報から全体を類推して補完する認知過程


(つづきは↓)

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