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【成瀬 日本語・英語・翻訳講座】言語・認識編(13)言語の情報構造

(↑のつづき)

近年、情報構造(Information Structure)の研究が盛んに行われ、多くの成果をあげている。

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たとえば、

「旧情報から新情報」という情報構造の原則がわかっている。

実際の言語表現では聴き手・読み手がすでに知っている情報を述べたあとで相手がまだ知らない情報を述べるというものだ。

この順番のほうが聴き手・読み手が理解しやすいからである。

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また

「文末焦点」「文末重心」という原則がある。

新しい情報や最も伝えたい情報はできるだけ文末に置くというものだ[1]。

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「ベハーゲルの法則/原則」と呼ばれるものもある。

内容が心理的に近い関係にあるものが文中でも近くに配置されるというものである。

英語にしても日本語にしても心理的に近いものを場所的にも近くにおくことが自然である。

それを無視した文章をつくることは言語の法則に反している。

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さらに、

同一カテゴリーに属する情報要素については構造的に複雑なものほど文やセンテンスの周辺部や外部へ置かれる傾向があるという法則/原則もある。

たとえば、英語では

〇 I give to John all the money that you have given me last year.

のように複雑な要素ほど周辺部(この場合は後部)に置かれている。

この to John と all the money that you have given me last year.を逆に置いて

△ I give all the money that you have given me last year to John.

とすることは、学校文法的には認められるが、実際にはかなり不自然である。

日本語では

〇「昨日妻がデパートから買ってきた赤い靴を/花子に/あげる。」

のほうが

△「花子に/昨日妻がデパートから買ってきた赤い靴を/あげる。」

よりも、自然に感じることだろう。

ところが英文和訳では、この語順が必然的にひっくり返ってしまう。

そうすると上に挙げた情報構造上の諸原則も守られなくなってしまう。

これが英文和訳の致命的欠点のひとつである。


[1]逆に、こうした原則に反する順番をとることで強調などの効果を生み出すこともできる。

(つづきは↓)

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