【歯科開業サバイバルシリーズ:第4回】結婚は共同経営の調印式。失敗しない配偶者選びと家族経営の極意(前編)
メンバーシップ限定連載『歯科開業・経営サバイバルシリーズ』の最終回となる第4回をお届けします。
これまで「マインド」「資金・エリア」「ハコ・DX設備」と、開業におけるハード面のリアルなお話をしてまいりました。
最終回となる今回のテーマは、医院の30年の寿命を身内から決定づける究極の防衛策、【配偶者選び・家族経営の極意】です。
最初に、これから独立を目指す若いドクターたちへ、最も耳の痛いスタンスを提示します。 「将来、経営者になるつもりなら、今付き合っている相手の『選び方』から考え直しなさい。なぜなら歯科医院経営は、家族経営から始まるからです」
結婚をロマンスや感情論だけで「えいやっ」としてしまうと、経営者になったとき、「いらない苦労」をしょい込んでいることに気が付きます。
経営者にとって、結婚とは「共同経営の調印式」であり、配偶者は「最初のチーフ(または副社長)」になります。ここを掛け違えたまま城(医院)を作ると、内側からじわじわと崩壊してしまうことになりかねません。
いやいや、誰と結婚してもいいんですよ。そこはお好きにすればいい。
事実、「奥様は一切歯科医院の経営にタッチしていない」個人経営の歯科医院も存在します。最初から最後までそれでいけるのであれば、「あり」です。
ただ。この究極の求人難の時代(しかも今後はもっと大変になってくるのが目に見えている)、奥様という存在を「最初からなかったこと」にする経営と、最初から巻き込んでいくスタイル、どっちが強いと思われますか?
今回はまず、世間からは羨ましがられるものの、現場では最もドロドロした問題が溜まりやすい「Dr + Dr(歯科医師同士)夫婦」の光と影について、綺麗事抜きで解説します。
1. 「Dr + Dr」夫婦の光と影:お互いの高いプライドが激突する地雷原
親や周囲から「ドクター同士の結婚なんて安泰ね」「将来は分院展開かしら」なんて気楽に言われませんでしたか?
大変なんですよまじで。(遠い目)
同じ資格、同じ高い専門性、そして同じ「一国一城の主」としての高いプライドを持った人間が、一つのハコ(医院)に何も決めずに収まるとどうなるか。 診療方針、経営の方向性、仕事へのスタンスのすべてにおいて、お互いの主張がバチバチに激突する修羅場と化します。
院長である夫が「この症例はこうだ」と言っている横で、副院長である妻がスタッフに向かって「私はそうは思わない。こうやって」と指示を出す。
スタッフの前で平気で繰り広げられる夫婦喧嘩。これを見たスタッフはどう思いますか? 「どっちの言うことを聞けばいいの?」と迷走し、現場の風通しは最悪になり、医院の格(ブランディング)は奈落に落ちていきます。
2. 方向性とスタンスのズレという「お金の問題」
ドクター夫婦が揉める原因の根本は、以下の2つのズレです。
「仕事への方向性(お金の問題)」のズレ: 夫は「分院展開して手広く稼ぎたい!」と思っているのに、妻は「そこまでリスクを負わずに、目の前の患者さんを堅実に診たい」と思っている。あるいはその逆。
「仕事へのスタンス(労働量)」のズレ: 片方は「週6でバリバリ働いて自費を回したい!」のに、もう片方は「ほんとはそんなに働きたくない、プライベートも大事にしたい」と思っている。
この「スタンスの不一致」を放置したまま開業すると、売上が上がっても下がっても、お互いがお互いに対して「なんで俺(私)ばっかりこんなに苦労して馬車馬のように働いているんだ」と不満が溜まり続け、最終的には経営だけでなく家庭まで破綻します。
✂️ ─── ここから先はメンバーシップサロン『歯科医院の経営と現場をつなぐ研究室』限定記事です─── ✂️
ここからは、ドクター同士の夫婦が「お洒落な奴隷」にならず、最強のビジネスパートナーとして機能するための冷徹な3つの住み分けルールを提示します。「どちらがメインなのか」を決める本当の意味、そして子どもが生まれたときまでの時間軸を逆算した「稼働契約」の結び方をパキッと解説します。本気で身内から強い組織を作りたい先生だけ、この先へ進んでください。
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