ネコの絵本|風邪気味の娘|上条デイズ#12【連作ショートショート4】
上条靖之は、娘と二人、昼間から寝ていた。
とはいえ、本当に眠れるはずもなく、
寝たふりをしていた。
昨日描いた有名なキャラクター、
自分では気に入っている。
しかし、娘の表情に不安を覚えていた。
『自分だけのキャラが必要かな』
そんなことを考えていた。
そっと、自分の部屋に戻り、
ぼんやりと窓の外を見る。
ネコが可愛いよな。
動きは、大きいほうが良いよな。
子ども向けだけど、説教くさくなるのは嫌だな。
楽しいだけでも、少し違う気がする。
なかなか、考えがまとまらない。
真っ白な紙に、
ネコが転がるイラストを描いてみる。
ゴロゴロ、ゴロゴロ。
思い切って、描いていると楽しくなる。
娘の熱が下がるように、
焚き火の場面を描いて、最後に火を消す。
イラストを何枚か描いてから、
お話を後からつける。
イラストには、丁寧に色を塗る。
娘が寝ている部屋に、そっと戻る。
顔の丸いヒーローのぬいぐるみをどかし、
娘の横にそっと横になる。
先ほど作った簡単絵本は、娘の横にそっと置く。
規則正しく続いている寝息を確認して、
ゆっくりと目を閉じる。
『もう少し色鉛筆の使い方、ユーチューブで勉強しよう』
そんなことを考えているうちに、眠っていた。
→ じまにゃんさんみたいになりたい|風邪気味の娘|
上条デイズ#13【連作ショートショート5】につづく

