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KPI会議が機能する会社は、結果ではなく翌月の行動を決めている

KPIは設定している。
会議でも数字を見ている。
資料も作っている。
幹部も集まっている。

それなのに、翌月の現場行動が変わらない。

このような会社は少なくありません。

売上を確認する。
粗利を見る。
稼働率を見る。
事故件数を見る。
残業時間を見る。
営業件数を見る。
採用状況を見る。

数字は見ている。

でも、会議が終わった後に、営業がどの荷主へ動くのかが決まっていない。
配車係がどの仕事を見直すのかが決まっていない。
管理者がどのドライバーに何をするのかが決まっていない。
幹部が何をいつまでに進めるのかが決まっていない。

これではKPIは機能しません。

KPIは、見るための数字ではありません。
翌月の行動を決めるための数字です。

そして、KPIを現場行動に変える場所が会議です。


1.KPIはあるのに、なぜ会議後の行動が変わらないのか

KPIがあるのに現場行動が変わらない会社では、会議の目的が報告になっていることが多いです。

今月の売上はこうでした。
稼働率はこうでした。
事故は何件でした。
残業時間はこうでした。
営業件数はこうでした。
採用状況はこうでした。

ここまでは悪くありません。

問題は、その後です。

その数字を見て、次回までに何を変えるのか。
誰が動くのか。
いつまでにやるのか。
どの数字を見て進捗を確認するのか。

ここまで決まっていなければ、会議は報告会で終わります。

報告会で終わる会議では、現場は変わりません。

なぜなら、数字は共有されても、行動が決まっていないからです。

会議の目的は、過去を確認することだけではありません。
次の行動を決めることです。

2.KPIには先行指標と遅行指標がある

KPIを会議で使う時に、必ず分けて考えるべきものがあります。

それが、先行指標と遅行指標です。

遅行指標とは、結果として後から出てくる数字です。

売上。
粗利。
利益率。
受注件数。
事故件数。
離職率。
残業時間。
クレーム件数。

これらは大事です。
会社の状態を確認するうえで必要です。

ただし、遅行指標は結果です。
結果だけを見て、来月頑張ろうと言っても、現場は何をすればよいか分かりません。

一方で、先行指標とは、結果につながる前段階の行動やプロセスを示す数字です。

営業でいえば、重点荷主への接触数。
商談数。
提案件数。
見積提出数。
条件交渉件数。
次回商談設定数。
既存荷主へのヒアリング件数。

こうした数字です。

遅行指標は、結果を確認するための数字。
先行指標は、未来の結果を変えるための数字。

この違いを分けずに会議をすると、会議は反省会になりやすいです。

3.営業で見る、先行指標と遅行指標の違い

たとえば、営業会議で売上未達だったとします。

売上が目標に届いていない。
粗利も足りない。
受注件数も少ない。

これは遅行指標です。

結果として、何が起きたかを示しています。

ただ、ここで売上が足りないから来月は頑張ろうで終わると、営業行動は変わりません。

本当に見るべきは、その手前です。

重点荷主への接触は十分だったのか。
商談数は足りていたのか。
提案は出せていたのか。
見積は出せていたのか。
条件交渉は進んでいたのか。
次回商談の予定は取れていたのか。
営業が行きやすい荷主ばかり回っていなかったか。
会社として伸ばしたい荷主に動けていたのか。

これが先行指標です。

売上が足りなかったという結果だけを見ても、次の行動は決まりません。

でも、重点荷主への接触数が少なかったと分かれば、翌月はそこを増やす。
提案件数が少なかったと分かれば、提案準備と商談設計を見直す。
見積提出後の追いかけが弱ければ、フォロー期限を決める。
条件交渉が進んでいなければ、社長や管理者が同行する。

このように、先行指標を見ると、翌月の行動が具体化します。

営業会議で大事なのは、売上が足りたかどうかだけではありません。
売上につながる行動が、正しい方向に、十分な量で行われていたかです。

4.会議で遅行指標だけを見ると、反省会で終わる

遅行指標は大事です。

売上が足りているか。
利益が残っているか。
事故が増えていないか。
残業が増えていないか。
離職が起きていないか。

これを見なければ、会社の状態は分かりません。

ただ、遅行指標だけを見る会議は、反省会になりやすいです。

売上が足りませんでした。
利益率が悪化しました。
事故が増えました。
残業が増えました。
採用が進みませんでした。

そして最後に、

来月は頑張りましょう。

これでは現場は変わりません。

なぜなら、何を頑張るのかが決まっていないからです。

遅行指標で結果を見る。
先行指標で行動を見る。
そのうえで、次回までの行動計画を決める。

この流れが必要です。

会議は、結果を見て終わる場ではありません。
結果を見て、次の行動を調整する場です。

5.翌月の行動は、先行指標と結びつけて決める

KPI会議で本当に大事なのは、翌月の行動と先行指標を結びつけることです。

たとえば、営業で利益率改善を目指すとします。

その場合、来月は利益率を改善しようだけでは足りません。

どの荷主に動くのか。
何件接触するのか。
何件提案するのか。
何件条件交渉を進めるのか。
誰が同行するのか。
いつまでに見積を出すのか。
次回会議で何を確認するのか。

ここまで決める必要があります。

つまり、翌月の行動計画は先行指標とセットで決めるべきです。

重点荷主への接触を何件にする。
提案件数を何件にする。
条件交渉を何件進める。
見積提出後のフォローを何日以内に行う。
次回商談設定率を見る。

こうした先行指標があるから、営業は何をすればよいか分かります。

管理者も確認しやすくなります。

行動量は足りているのか。
重点荷主に動けているのか。
提案の質は足りているのか。
途中で止まっている案件はないか。
支援が必要な商談はどれか。

ここまで見えるようになります。

KPI会議は、数字を見て評価する場ではありません。
翌月の行動を設計する場です。

6.経営者と管理者が見るべきは、方向性と行動量である

KPI会議で経営者や管理者が見るべきことは、大きく2つです。

1つ目は、正しい方向に行動できているか。

営業であれば、ただ訪問件数が多ければよいわけではありません。

会社として伸ばしたい荷主に行けているか。
採算の良い仕事につながる相手に動けているか。
条件交渉が必要な荷主に向き合えているか。
行きやすい荷主、話しやすい荷主だけを回っていないか。

ここを見る必要があります。

行動量が多くても、方向がズレていれば成果にはつながりません。

2つ目は、行動量が足りているか。

方向が正しくても、行動量が少なければ結果は出ません。

重点荷主への接触が少ない。
提案件数が少ない。
見積提出後のフォローが弱い。
条件交渉が先送りになっている。
次回商談の設定ができていない。

この状態では、売上や粗利という遅行指標は変わりません。

つまり、経営者や管理者が会議で確認すべきなのは、

正しい方向に動けているか。
行動量は足りているか。

この2つです。

そして足りない場合は、責めるのではなく調整する必要があります。

なぜ動けていないのか。
時間がないのか。
優先順位が分かっていないのか。
提案資料が足りないのか。
一人では交渉しにくいのか。
社長や上司の同行が必要なのか。
現場情報が不足しているのか。

ここを確認して、次の打ち手を決める。

これが管理者の仕事です。

7.KPI会議では、モチベーションを維持することも大切

KPI会議というと、数字で詰める場になりがちです。

なぜできていないのか。
なぜ足りないのか。
なぜ行動していないのか。

もちろん、確認は必要です。

ただ、数字で詰めるだけの会議では、現場のモチベーションは下がります。

特に先行指標は、すぐに成果へつながらないことがあります。

重点荷主に接触している。
提案もしている。
条件交渉も進めている。
でも、売上や粗利にはまだ反映されていない。

この時に、遅行指標だけを見て結果が出ていないと詰めると、現場は苦しくなります。

だから、会議では先行指標を見ることが重要です。

正しい行動が増えているか。
重点荷主に向かえているか。
提案の数が増えているか。
交渉が前に進んでいるか。
次につながる商談が作れているか。

これを確認することで、まだ結果が出ていなくても、正しい方向に進んでいることを評価できます。

モチベーションを維持するには、小さな進捗を見えるようにすることが大事です。

結果だけを見ると、まだ足りないになります。
先行指標を見ると、前に進んでいるが見えます。

KPI会議は、現場を追い込むための場ではありません。
正しい行動を続けられるように、確認し、支援し、調整する場です。

8.会議で決めるべきことは、数値計画と行動計画である

KPI会議で毎回決めるべきことは、単なる感想ではありません。

次回までの数値計画と行動計画です。

数値計画とは、次回までにどの先行指標をどれだけ動かすかです。

重点荷主への接触数。
商談数。
提案件数。
条件交渉件数。
見積提出数。
次回商談設定数。

これを決める。

行動計画とは、その数字を達成するために何をするかです。

誰がどの荷主に行くのか。
いつ商談を入れるのか。
どの提案を出すのか。
誰が資料を作るのか。
どの案件に社長や上司が同行するのか。
いつ進捗確認するのか。

ここまで決める。

この2つがない会議は、報告会で終わります。

逆に、数値計画と行動計画が決まる会議は、翌月の現場行動を変えます。

KPIと会議を連動させるとは、こういうことです。

9.会議後の確認がなければ、KPIは定着しない

会議で行動計画を決めても、次回確認しなければ定着しません。

前回決めた重点荷主への接触はできたのか。
提案は出せたのか。
条件交渉は進んだのか。
見積後のフォローはできたのか。
次回商談は設定できたのか。

そして、できなかった場合は、なぜできなかったのかを見る。

本人の問題だけにしないことです。

時間がなかったのか。
優先順位がズレていたのか。
現場情報が足りなかったのか。
提案内容に不安があったのか。
荷主との関係性が弱かったのか。
上司の支援が必要だったのか。

ここまで確認して、次の行動を調整します。

KPI会議で大事なのは、できた、できないを判定することだけではありません。

正しい方向に進めるように調整することです。

会議で決める。
現場で動く。
次回確認する。
ズレていたら調整する。
足りなければ支援する。
進んでいれば継続する。

この流れができると、KPIは形だけの数字ではなくなります。

10.まとめ KPI会議は、結果を確認する場ではなく、次の行動を調整する場である

KPIには、先行指標と遅行指標があります。

遅行指標は、結果を見る数字です。

売上。
粗利。
利益率。
受注件数。
事故件数。
残業時間。
離職率。

これらは会社の状態を確認するために必要です。

ただし、遅行指標だけを見ても、翌月の行動は変わりません。

行動を変えるためには、先行指標を見る必要があります。

営業でいえば、

重点荷主への接触数。
商談数。
提案件数。
見積提出数。
条件交渉件数。
次回商談設定数。

こうした数字です。

そして会議では、遅行指標で結果を確認し、先行指標で行動を確認する。

そのうえで、

正しい方向に行動できているか。
行動量は足りているか。
次回までにどの数字を動かすか。
誰が何をするか。
管理者はどこを支援するか。
モチベーションを保つために、どの進捗を評価するか。

ここまで決める必要があります。

KPI会議は、数字を見て終わる場ではありません。
翌月の行動を決め、実行状況を確認し、必要に応じて調整する場です。

経営者や管理者の役割は、現場を数字で詰めることではありません。
現場が正しい方向に、必要な量の行動を続けられるようにすることです。

そのために、KPIと会議をつなげる。

そして会議で、数値計画と行動計画を決める。

ここまでできて、KPIは初めて現場を動かす道具になります。

今回はいつもより長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回は、この流れをさらに人材育成に接続して、
行動管理は、人を詰めるためではなく、人を育てるためにある
というテーマで整理します。

このnoteでは、運送会社の営業、配車、採用、組織づくり、会議、法対応まで、現場と経営の間にあるズレを整理して発信しています。
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