荷主別に戦略を分けて考えるべき理由
すべての荷主が同じ価値を持っているわけではありません。
売上が大きい荷主が、会社を一番苦しめていることもあります。
だから戦略は、荷主別で考えなければ意味がありません。
売上の大きい荷主。
付き合いの長い荷主。
急な依頼にも応えてきた荷主。
社長としては、どれも大事にしたいはずです。
ただ、月末に通帳残高を見て、思ったほど資金が残っていない。
配車は埋まっているのに、現場は疲れている。
請求額は大きいのに、利益は薄い。
その違和感があるなら、一度見直すべきものがあります。
それは、荷主を売上額だけで見ていないか、ということです。
売上が大きい荷主ほど良い荷主である。
この前提は、運送業では危ないことがあります。
なぜなら、荷主ごとに残る利益も、現場負荷も、配車の組みやすさも、資金繰りへの影響もまったく違うからです。
営業を増やす前に、まず誰にどう勝つかを決める。
ここから、営業戦略は変わります。
1 すべての荷主を同じように見ていないか
運送会社の営業では、どうしても売上の大きい荷主に目が行きます。
大口の仕事がある。
毎月の請求額が大きい。
車両も埋まりやすい。
長年の付き合いもある。
たしかに、売上を作ってくれる荷主は大事です。
ただ、売上があることと、会社に残してくれていることは別です。
荷主ごとに見ると、かなり差があります。
単価は悪くないが荷待ちが長い。
売上は大きいが帰り便が弱い。
仕事量はあるが急な変更が多い。
現場の負荷が高く、ドライバーから不満が出やすい。
条件交渉がしづらく、原価が上がっても飲み込み続けている。
これらを全部同じ荷主として見ていると、判断を間違えます。
荷主は多いか少ないかではなく、どの荷主が会社を強くしているかで見るべきです。
ここが最初の認識転換です。
2 売上が大きい荷主ほど、会社を苦しめることがある
売上が大きい荷主は、経営上の存在感も大きくなります。
だからこそ、社長も簡単には見直せません。
断りにくい。
条件も言いにくい。
関係も壊したくない。
ただ、その荷主の仕事が本当に会社を残しているかは、別の話です。
たとえば、売上は大きい。
でも荷待ちが長い。
帰り便が弱い。
時間指定が細かい。
急な依頼が多い。
拘束時間のわりに粗利が薄い。
こういう荷主は、売上では会社に貢献しているように見えます。
でも実態としては、現場の余白を削り、配車を苦しめ、利益を薄くしていることがあります。
売上が大きい荷主ほど危ないのは、苦しさも大きく広がるからです。
小さな荷主なら一部の影響で済みます。
大口荷主で採算が崩れると、会社全体の体力を削ります。
大きい荷主は、必ずしも良い荷主ではありません。
ここが二つ目の認識転換です。
3 荷主別に見るべき数字は、売上だけではない
では、荷主別に何を見るべきか。
売上だけでは足りません。
最低限、見るべきは次のような点です。
その荷主で粗利が残っているか。
荷待ち時間は長くないか。
帰り便は組みやすいか。
拘束時間に見合う単価になっているか。
急な依頼や変更が多すぎないか。
ドライバーや配車担当への負荷が高すぎないか。
条件交渉の余地があるか。
その荷主への依存度が高くなりすぎていないか。
ここまで見ると、荷主の見え方は変わります。
売上は大きいが、会社を削っている荷主。
売上は中くらいでも、安定して利益が残る荷主。
今は小さいが、今後深める価値がある荷主。
関係は長いが、条件を見直さないと苦しい荷主。
会社全体の売上だけでは、この違いは見えません。
だから荷主別に見る必要があります。
数字を見る目的は、荷主を責めることではありません。
どの荷主と、どんな付き合い方をするかを決めるためです。
4 荷主は4つに分けて考える
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