【第290回】 新機能 Summer '25 ハイライト:Marketing Cloud Engagement
Salesforce Marketing Cloud の 新機能 Summer '25 の情報が公開されましたのでハイライトの記事を書いてみたいと思います。
今回のリリースは 2025 年 6 月 6 日から 6 月 27 日の間にリリースされます。この記事を発表した現時点では、まだ機能がリリースされていませんのでご注意ください。その点、誤った情報があるかもしれません。
今回のリリースで最も注目すべきアップデートは、「ジャーニーの最後にあった待機アクティビティが不要になった」点です!この変更は、ジャーニーの設計において柔軟性を高め、より直感的な構築を可能にする点で、画期的と言えるでしょう!
・・・と、わざとらしく盛ってみましたが、正直に言うと、このアップデートを “目玉” として挙げるしかないあたりからも、今回のリリースがかなり控えめであることがうかがえます。Summer ’25 は、実際ほとんど目立った新機能がないと言っても過言ではありません。
一方で、Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition では、リピーターコンポーネントや Agentforce Campaign Designer といった華やかな新機能が登場しています。
この流れを見ると、Marketing Cloud Engagement から Marketing Cloud Next への移行が進行していることを感じざるを得ませんね。
今回の Summer '25 は相当控えめな内容ではありますが、これを踏まえて次の Winter '26 リリース に期待しつつ、Summer '25 でどのような機能がリリースされたのかを順に見て行きましょう。
前回の Spring '25 も記事にしていますのでご覧下さい。
Automation Studio 関連
① ファイル転送アクティビティのエラーメッセージの改善
ファイル転送アクティビティのエラーメッセージが改善されました。これらの変更は、エラー内容をより明確に伝えることを目的としています。ほとんどのユーザーにとって業務に支障をきたす可能性は低いと考えられますが、エラー処理を自動化している場合は、新しいメッセージに基づいて設定を確認し、必要に応じて調整を行ってください。
1. 拡張FTPのファイル場所のパスが間違っています
旧メッセージ: システムエラーのためインポートに失敗しました
新メッセージ: ファイル転送場所のURI設定が無効です。ファイル転送場所の設定を再確認して、もう一度お試しください。
2. 無効な Amazon S3 認証情報
旧メッセージ: 無効な Amazon S3 認証情報によるシステム エラー
新メッセージ: ファイル転送場所への接続に失敗しました。AmazonS3 の場所へのアクセスが拒否されました。
3. ファイル転送アクティビティがタイムアウトしました
旧メッセージ: FTPTimeoutException により FTA が失敗しました
新メッセージ: リモートサーバーでコマンドを実行中にエラーが発生しました。このファイル転送アクティビティを再試行する前に、リモートサーバーにフォルダまたはファイルが存在することを確認してください。
4. 期限切れの Azure Blob SAS トークン
旧メッセージ: BLOB SASトークンの有効期限が切れました。有効期限(se)
新メッセージ: Azure BLOB SAS トークンの有効期限が切れています。新しいトークンを生成し、ファイルの場所を更新してください。
5. フォルダが見つかりませんエラー
旧メッセージ: フォルダの場所が見つからないというシステムエラー
新メッセージ: このファイルのパスが見つかりません。アクティビティとファイルの場所のパラメータを確認してから、もう一度お試しください。
6. 認証キーがありません
旧メッセージ: 一般的なシステムエラー
新メッセージ: 認証に使用するキーがありません。ファイルの場所に関連付けられた認証キーが正しいことを確認してください。
Journey Builder 関連
① ジャーニーの最後に待機アクティビティが不要に
先ほどもお伝えした、今回の Summer '25 の目玉リリースです。😭
ジャーニーの設計時に「最後の待機アクティビティ」を追加する必要がなくなりました。これは、より効率的で柔軟なジャーニー作成を可能にする大きな変化です。新規ジャーニーではデフォルト配置されなくなります。
以前、私は以下の記事で、最後に配置された待機アクティビティが実際には無視されることを示していました。
しかし、今回のアップデートにより、「最後の待機アクティビティ」自体がデフォルトで配置されなくなります。これにより、マーケターはそれを、よりスマートにジャーニーを構築できるようになります。
最後の待機アクティビティが必要なケースも
とはいえ、待機アクティビティが完全に不要になるわけではありません。特定のシナリオでは引き続き重要な役割を果たします。たとえば次のような場合です。
「終了後にのみ再エントリ」の使用
ご存じの通り、「終了後にのみ再エントリ」は非常に便利な機能です。この設定を活用する際、最後に待機アクティビティを配置することで、再エントリのタイミングを柔軟に調整できます。再エントリを適切に制御するためには、最後の待機アクティビティが不可欠な要素となります。目標アクティビティの使用
目標アクティビティは待機アクティビティを出るタイミングで評価をされる仕組みのため、ジャーニーの最後で目標を評価したい場合は、最後の待機アクティビティが不可欠な要素となります。
このように、最後の待機アクティビティは特定の状況で引き続き有用であるため、シナリオに応じて適切に組み込むことが重要です。
② トランザクション送信の調整:保証されたステータスレポート
新しい「Sendable_Reconcilable_Data_Extension」データエクステンションテンプレートが導入され、SMS やトランザクションメール(例えば、注文確認や発送通知など)のメッセージステータスを、最大 72 時間のタイムフレーム内で確実に保証できるようになりました。


このテンプレートでは、送信設定がサポートされており、最終的なメッセージステータスは新しいデータビューに記録されます。さらに、このデータは保持ポリシーにより 7 日間保持されるため、複雑なレポート比較を行わずとも、マーケターはコンプライアンスを簡単に維持することが可能です。
これまでは API やイベント通知サービスなどを利用する必要がありました。
イベント通知サービス(ENS)とは、Marketing Cloud Engagement で利用されるイベント通知サービスです。これにより、特定のイベント(例:トランザクションメールの送信、オートメーションの完了など)が発生した際に、通知を送信できます。詳細は以下の記事をご確認ください。
レポート 関連
① エンゲージメントデータのデータ保持ポリシーの時期変更
この件は、すでに以下で記事にしており、新機能リリースというよりは、単なるお知らせになります。変更の期日が 2025 年 6 月 16 日 に変更となり、データにアクセスできる期間が 730 日(2 年)に変更されました。
② データストレージの使用状況を画面上で分析する
この機能は当初 Spring '25 で発表されましたが、リリースが延期され、今回の Summer '25 で正式リリースとなります。
これまで、データストレージの使用状況を確認するには、エクセル形式でのエクスポートだけが可能でしたが、新たに導入された「データエクステンション使用状況」ダッシュボードを利用することで、アカウント内のデータストレージ使用状況を直感的かつ視覚的に分析できるようになります。
さらに、画面から確認できないデータエクステンションフォルダに配置されているデータエクステンションには「Inaccessible Folder」が追記され、 識別しやすくなっています。これらのデータエクステンションを削除または、移動する場合は SSJS や API を利用してください。
アクセス方法
「設定」>「データ管理」>「データエクステンション使用状況」の順に進むことで、ダッシュボードにアクセスできます。

導入時期:この機能は 2025 年 6 月より段階的にリリースされる予定です。
モバイル関連
① すべてのプッシュ通知タイプで送信テストが利用可能に
Spring '25 の新機能リリースとして記事にしましたが、Mobile Push のテスト送信を使用することで、現在のワークフローを中断することなく、プッシュ通知、アプリ内メッセージ、受信トレイのメッセージの内容、パーソナライズ、デザインを確認できるようになります。
そして、今回のアップデートにより、すべてのプッシュ通知タイプで送信テストが可能になりました。これにより、実際に配信する前に、通知が期待どおりに動作するかを確認できるようになります。
カルーセルプッシュ通知:配信前にスムーズに動作することを確認し、ユーザー体験を最適化できます。
標準プッシュ通知:ボタン、アイコン、サウンドが設定された通知についても、送信テストを通じて動作を事前に確認可能になりました。
時期:この機能は、2025 年 6 月 から段階的に利用可能になります。
② MobilePush SDK バージョン 9.0 による新体験
MobilePush SDK に、新たにリッチメディアやイベント監視機能が加わり、さらに多彩で魅力的な通知体験が可能になりました。
主な機能
カルーセル テンプレート、インタラクティブ ボタン、カスタム アイコン、通知音を活用して、より視覚的で魅力的な通知を作成できます。
複数の CTA をサポートし、パーソナライズされた件名やメッセージ コンポーネントを追加可能です。
Inbox 2.0 を活用することで、配信が失敗した場合でもユーザーの受信トレイにメッセージを送信できます。
MobilePush イベント監視機能により、ユーザーのアプリ使用状況やプッシュ通知のインタラクション、配信成功状況を追跡できます。
これらの機能を利用するには、Android および iOS の MobilePush SDK をバージョン 9.0 以降にアップグレードしてください。
ヘルプに面白いことが書かれてありました。

はい、私、完全にデジャブを感じています。
この機能は、Spring '25 の新機能リリースに含まれていました。Salesforce 曰く、MobilePush SDK バージョン 9.0 は Spring '25 からロールアウトが開始され、Summer '25 リリースを通じて段階的に利用可能になるものなので、再掲出ということですね。
③ DLT テンプレートを活用した TRAI 規制への準拠(インド)
インド電気通信規制庁(TRAI)の規制に準拠するため、アカウントエグゼクティブにお問い合わせの上、デジタル台帳技術(DLT)テンプレートを有効化してください。
このテンプレートは、MobileConnect および Journey Builderのメッセージテンプレートに組み込まれており、キャンペーンプロセスの簡素化やスパムメッセージの削減を実現します。
④ TRAI 規則に準拠した SMS リンク短縮の活用(インド)
Marketing Cloud Engagement の URL 短縮機能は、インド電気通信規制庁(TRAI)の規則に準拠しており、SMS のブロックを防ぐ設計となりました。この機能により、DLT 承認済みヘッダー、カスタムまたは汎用ドメインの使用、および正確な SMS CTA の一致をサポートし、インド市場での効果的なキャンペーン実施を可能にします。
⑤ WhatsApp テンプレートと電話番号のリアルタイム監視
WhatsApp メッセージテンプレートの承認状況や、電話番号の接続状況をリアルタイムで監視できるようになりました。この機能により、常に最新のステータス情報を把握でき、WhatsApp キャンペーンをスムーズかつ効率的に進めることが可能です。
これは画面次第ですが、便利かもしれません。WhatsApp では、ビジネス向けメッセージを送信する際に、事前にテンプレートを作成して WhatsApp 側の承認を得る必要があります。この機能は、そのテンプレートが現在承認されているのか、まだ審査中なのか、または却下されたのかといったステータスをリアルタイムで確認するものです。これにより、キャンペーンの準備段階でテンプレート承認待ちによる遅延を防ぐことができます。
⑥ WhatsApp でインタラクティブメッセージを活用
動的な変数や画像、さらに魅力的なメディアタイプを組み込んだインタラクティブメッセージを作成して、WhatsApp フローをよりカスタマイズできます。
この機能により、顧客は以下のアクションを簡単に行えるようになります。
位置情報の共有
カタログの閲覧
メディアカードのカルーセル操作
パッケージマネージャー関連
① パッケージマネージャーがトリガー送信をサポート
パッケージマネージャーが、トリガー送信定義およびユーザー開始送信に対応するようになりました。これにより、これらの定義を簡単に作成・展開し、組織全体のプロセスを効率化できます。さらに、既存の送信プロセスを他のビジネスユニットにスムーズに展開し、運用の一貫性を保つことが可能になります。
いかがでしたでしょうか。
今回の Summer '25 リリースも、正直なところ個人的にはあまり魅力的ではありませんでした。これは Spring '25 リリースに感じた印象とほぼ同じですが、むしろ Spring '25 の方がまだ良かったと思える方も多いのではないでしょうか。
この状況からも、Marketing Cloud Growth & Advanced Edition に注力していることが明らかです。Marketing Cloud Engagement での進化を期待しているユーザーにとっては、やや物足りなさを感じる結果となったかもしれません。
さて、今回のリリースは 2025 年 6 月 6 日から 6 月 27 日の間にリリースされます。この記事を発表した現時点では、まだ機能がリリースされていませんのでご注意ください。
2025 年 6 月 23 日に、Salesforce から公式の「新機能リリースの斜め読み」が公開されました。
今回は以上です。
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