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【第453回】 Agentforce : 2025 年 7 月 新機能リリース ハイライト

Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能が追加されており、正直なところキャッチアップするだけでも一苦労です。

私自身も、「いつの間にか新機能が増えている」「結局どれが本当に重要なのか分かりづらい」と感じることが増えてきました。リリースノートをそのまま追うだけでは、全体像や優先順位が見えにくいのが実情です。

そこで今後は、Data 360 と同じように、Agentforce についても 毎月の新機能を要点だけ整理するまとめ記事 を継続していきたいと思います。

単なる機能紹介ではなく、「何が変わったのか」「どこにインパクトがあるのか」を分かりやすく整理していく予定です。


過去の記事


2025 年 7 月リリース ハイライト

2025 年 7 月のリリースでは、
エージェントの実運用体験の向上と、品質評価の高度化 にフォーカスしたアップデートが追加されました。

特に注目すべきポイントは次の通りです。

  • エスカレーション体験の改善

  • 待ち時間の可視化

  • 会話履歴を含む高度なテスト対応

  • AI 応答のスコアリング導入

  • Gemini / Anthropic との連携強化

  • Geo-Aware Routing による低遅延化

全体としては、
「より自然な顧客体験」と「より精緻な品質管理」 を実現するための進化が中心となっています。


それでは、各機能を順番に見ていきましょう。


構築・テスト強化

強化されたエスカレーションエクスペリエンス

サービス担当者がすぐに対応できない場合でも、一貫したカスタマーサポートを提供できるようになりました。

エスカレーションが不可能な場合でも、お客様は Agentforce Service エージェントとの会話セッションを継続できるようになりました。エージェントは、エスカレーションを試行する前の会話コンテキストを保持します。

また、エスカレーショントピックをカスタマイズすることで、エスカレーションエクスペリエンスをより適切に管理できます。たとえば、エスカレーションが完了しなかった場合のエージェントの対応内容を指示できます。

これまで、エスカレーション時に人間担当者が不在の場合、AI エージェントは会話を終了してしまうケースがありました。

今回のアップデートにより、

  • 担当者が不在でも会話継続可能

  • 会話コンテキスト保持

  • エスカレーショントピックをカスタマイズ可能

となり、顧客が「取り残される」体験を防ぎます。


エスカレーションする際の待ち時間に関する顧客の期待の設定

「ルーティング担当者の空き状況を確認」アクションが追加されました。

顧客満足度向上のため、Agentforce サービスエージェントから担当者へ会話をエスカレーションする前に、担当者の空き状況を確認できるようになりました。「ルーティング担当者の空き状況を確認」エージェントアクションを使用して、担当者が対応可能かどうかを確認できます。

担当者が対応できない場合は、顧客に待ち時間の目安を提示し、待機するか後で再試行するかを選択できます。この標準アクションにより、担当者の空き状況確認の実装プロセスが簡素化されます。

できること

  • エスカレーション前に担当者の空き状況を確認

  • 推定待ち時間を提示

  • キュー参加または再試行の選択が可能

顧客に待ち時間を明示できるため、満足度向上につながります。

方法

この機能を有効にするには、「ルーティング担当者の空き状況を確認」フローのサービスチャネルを再選択し、該当アクションをサービスエージェントのエスカレーショントピックに追加します。特定の条件に基づいてアクションを実行する場合は、エスカレーショントピックに指示を追加します。


テストケースに会話履歴を含める

リアルなインタラクションデータを活用して、テストケーステンプレートを強化できます。Testing Center のテストケース作成時、または Testing API の入力として、会話履歴をオプションで指定できるようになりました。

これにより、過去の会話履歴を含むテストケースを作成・アップロードでき、より包括的で正確なテストが可能になります。

※ Testing API を使用するには、Agentforce が有効で、少なくとも 1 つのエージェントが有効化されている必要があります。

方法

テストは、設定の Testing Center または API 経由で作成できます。開発者がプログラムでテストを作成・展開する場合は Metadata API を使用し、テスト実行には Connect API を使用します。Agentforce DX を使用すれば、コマンドラインからの展開・実行も可能です。


詳細なエージェントの応答スコアを取得

Testing Center に 0〜5 点のスコアリング評価が追加されました。これまでの「Pass / Fail」だけでなく、より詳細な品質評価が可能になります。

これらの詳細なスコアは、エージェントのパフォーマンスをより深く理解するのに役立ちます。5 は、正確性と品質が最も高いことを示します。

メリット

  • 応答品質の段階評価

  • 改善ポイントの特定

  • チューニング指標の明確化

AI 評価を定量的に管理できるようになりました。


エコシステムの拡張

Gemini 2.5 モデルを使用する

Einstein プラットフォーム上の Salesforce 管理モデルとして、Vertex AI(Google)Gemini 2.5 Pro および Gemini 2.5 Flash のサポートが追加されました。プロンプトテンプレートなど、特定の機能でこれらのモデルを使用できます。

利用可能箇所

  • Prompt Builder

  • Einstein Studio

  • Models API

Google Vertex AI ベースのモデルが追加され、マルチ LLM 戦略が拡大しました。


Amazon Bedrock 上の Anthropic モデルが選択可能に

Agentforce は、従来 OpenAI をデフォルトのモデルプロバイダーとして使用していましたが、Amazon Bedrock 上の Anthropic を選択できるようになりました。

Salesforce が管理する Anthropic インスタンスは Salesforce の信頼境界内に含まれ、すべての LLM トラフィックは Salesforce の仮想プライベートクラウド(VPC)内に留まります。

特徴

  • Salesforce 信頼境界内で動作

  • Atlas 推論エンジン最適化

  • 英語のみ対応

  • マルチモーダル非対応

制限事項

  • 一部ケースでは OpenAI よりパフォーマンスやレイテンシが劣る場合がある

  • サポート言語は英語のみ

  • マルチモーダル機能は利用不可

方法

Amazon Bedrock 上の Anthropic を使用するには、セットアップの Agentforce エージェントページからモデルプロバイダーを選択します。


地理情報に基づいたルーティングをサポート

LLM リクエストが、Einstein Generative AI Platform インスタンスの所在地に最も近い OpenAI または Azure OpenAI インスタンスにルーティングされるようになりました。

以前は、すべての AI エージェントリクエストが米国の OpenAI にルーティングされていました。

メリット

  • レイテンシ削減

  • 応答速度向上

  • 国際ユーザー体験の改善

詳細

Agentforce 推論エンジンの呼び出しは GPT-4 Omni(GPT-4o)を使用します。米国内のリクエストは OpenAI GPT-4o(場合によっては Azure OpenAI GPT-4o)で処理され、米国外からのリクエストは最寄りの Azure OpenAI GPT-4o エンドポイントにルーティングされます。


今回は以上です。


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