【第477回】 Agentforce : 2026 年 2 月 新機能リリース ハイライト
Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能が追加されており、正直なところキャッチアップするだけでも一苦労です。
私自身も、「いつの間にか新機能が増えている」「結局どれが本当に重要なのか分かりづらい」と感じることが増えてきました。リリースノートをそのまま追うだけでは、全体像や優先順位が見えにくいのが実情です。
そこで今後は、Data 360 と同じように、Agentforce についても 毎月の新機能を要点だけ整理するまとめ記事 を継続していきたいと思います。
単なる機能紹介ではなく、「何が変わったのか」「どこにインパクトがあるのか」を分かりやすく整理していく予定です。
過去の記事
2026 年 2 月リリース ハイライト
2026 年 2 月のリリースでは、
Agentforce の音声機能、AI 評価機能、そしてエージェント構築基盤の強化
にフォーカスしたアップデートが追加されました。
主なポイントは次の通りです。
Agentforce Voice の拡張(SIP 対応)
音声 AI(Speech-to-Text / Text-to-Speech)
新しい Agentforce Builder の正式リリース
AI エージェントの成果評価(Task Resolution)
RAG の品質評価メトリクス追加
今回のアップデートの特徴は、
「AI エージェントを作る」機能だけではなく
「AI エージェントを評価・運用する」機能が強化されている点
です。
Agentforce は現在、
Experiences
Control
Operate
Context
Enterprise Trust
という 5 つの領域を中心に機能拡張が進められています。
今回のアップデートも、この構造に沿って追加されています。
それでは、各機能を順番に見ていきましょう。
Voice 機能の強化
Agentforce Voice が SIP に対応
今回のリリースで、Agentforce Voice の通話ルーティングが SIP(Session Initiation Protocol) に対応しました。
これまで Agentforce Voice では PSTN(電話回線)ベースの接続のみが提供されていました。
今回のアップデートにより、
SIP 経由の通話接続
企業の既存 VoIP システムとの統合
が可能になりました。
これは、Agentforce を コンタクトセンターや音声 AI システムと連携させる際に非常に重要な進化です。
企業の既存の音声基盤は多くの場合 VoIP で構成されているため、
SIP 対応によって Agentforce Voice の実装ハードルは大きく下がると考えられます。
今後、Agentforce が 音声エージェントの中核として利用されるケースも増えていく可能性があります。
Speech-to-Text アクション
Agentforce では、音声データをテキストへ変換する Speech-to-Text アクションが利用できるようになりました。
この機能では、
音声ファイルを入力
自動でテキストへ変換
AI ワークフローで利用
という処理を行うことができます。
対応しているフォーマットは次の通りです。
MP3
MP4
WAV
また、このアクションは
Agentforce Builder
Flow
REST API
Apex
など、複数の環境から利用することができます。
これにより、
コールセンター音声
音声メモ
音声問い合わせ
などを AI エージェントで処理することが可能になります。
音声データの AI 活用は今後ますます重要になるため、
Agentforce の音声対応は今後の大きなテーマの一つになるかもしれません。
エージェント構築
新しい Agentforce Builder の一般提供開始
今回のリリースでは、新しい Agentforce Builder が正式リリースされました。
このビルダーは、Agentforce Studio 内で AI エージェントを構築するための新しい開発環境です。
主な特徴は次の通りです。
Agent Script によるワークフロー構築
ロジック + 自然言語プロンプトの組み合わせ
トレース / デバッグ機能
エージェントの一元管理
Canvas / Script の両方の編集
特に Agent Script は重要な機能です。
Agent Script を使用することで、
条件分岐
アクション呼び出し
AI 推論
などを組み合わせた マルチステップの AI ワークフローを作成することができます。
これにより、Agentforce は単純なチャットボットではなく、
業務フローを実行する AI エージェント
として利用できるようになっています。
AI 評価と運用
Task Resolution(エージェント成果評価)
AI エージェントを実際の業務で利用する場合、
そのエージェントがどれだけ役に立っているのか
を評価する仕組みが重要になります。
今回のリリースでは、そのための機能として
Task Resolution が追加されました。
この機能では、
エージェントがタスクを完了できたか
どれだけ効果的だったか
をスコアとして評価することができます。
また、
スコア
評価理由
などは DMO(Data Model Object)に保存されます。
これにより、
レポート分析
AI 改善サイクル
を回すことが可能になります。
AI エージェントの運用では、
「作る」よりも「改善し続ける」ことの方が重要
と言われることも多く、この機能は非常に重要な追加と言えるでしょう。
RAG 評価メトリクス
AI の回答品質を評価するための RAG メトリクス が追加されました。
追加された指標は次の 3 つです。
Answer Faithfulness
回答が 参照データに忠実であるかAnswer Relevance
回答が ユーザーの質問に適切に答えているかContext Relevance
AI が 正しい情報源を参照しているか
これらの指標は、AIエージェントの品質管理において非常に重要です。
特に RAG(Retrieval Augmented Generation)を利用する場合、
正しい情報を取得できているか
取得した情報を正しく利用しているか
を評価する必要があります。
今回のメトリクスは、その評価を支援するものになります。
AI コンテキスト制御
Web 検索のドメイン制御
Agentforce の Web 検索機能では、
検索対象の ドメイン制限 を設定できるようになりました。
設定できる内容は次の通りです。
最大 10 ドメイン指定
アクション単位で設定
これにより、
信頼できる情報源のみ検索
AI の誤情報リスクを低減
することができます。
AI の Web 検索は便利な一方で、
誤情報やノイズを拾うリスクもあります。
そのため、このような 検索範囲の制御機能は、
AI エージェントの品質管理において重要な役割を果たします。
AI 開発機能
Prompt Builder の Resources パネル強化
Prompt Builder の Resources パネル が強化されました。
この機能では、
新しいアクションの追加
既存アクションの設定変更
API 情報の確認
などを行うことができます。
特に、プロンプトと Salesforce データの連携
を簡単に設定できる点が改善されています。
AI の精度は、プロンプトだけでなく
入力データ
コンテキスト
参照情報
にも大きく依存します。
そのため、このような プロンプト管理機能の強化は、
AI エージェントの品質向上に直結する改善と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
今回のアップデートでは、
音声 AI
AI エージェント評価
エージェント開発基盤
の 3 つの領域で大きな進化が見られました。
特に重要なポイントは、
Agentforce Voice の拡張
Task Resolution
RAG 評価メトリクス
の 3 つだと思います。
Agentforce は現在、
AI エージェントを構築するプラットフォームから
AI エージェントを運用・改善するプラットフォーム
へと進化している段階にあります。
今回のリリースは、その方向性をより明確に示しているアップデートと言えるでしょう。
今回は以上です。
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