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【第366回】 Marketing Cloud Next : パーソナライズの基本的な仕組みの整理

2024 年 Winter '25 で発表された Marketing Cloud Next とネイティブ統合された Salesforce Personalization(日本語名:パーソナライズ、旧名称:Einstein Personalization)では、ディープラーニングやビジネスロジックを活用し、ユーザーごとに最適化されたレコメンデーションを生成できます。

Spring '25 で Einstein Personalization から Salesforce Personalization に名称変更されました。

このソリューションの大きな特長は、ユーザーの行動データやビジネスコンテキストを取り込み、メール(Growth & Advanced Editions)やウェブサイト(Web Personalization Manager)など複数チャネルで、個々のユーザーに最適化された提案を提供できる点です。

注意:Salesforce Personalization では Salesforce Interactions SDK の実装が必要です。設定するには、開発者ドキュメントを参照してください。

ユースケース例

  • EC サイト:クロスセル・アップセルを最適化し、客単価を向上

  • メディアサイト:閲覧履歴に基づき関連コンテンツを提示し、回遊率を改善

  • 金融業界:ユーザープロフィールに応じた商品を提案し、コンバージョン率を強化

以下では、パーソナライズの基本的な仕組みの整理を行います。


レコメンダーの仕組み

※ 日本語環境では「レコメンダー」は「おすすめ」と表示されます。

① 目的ベースのレコメンダー(AI の機械学習による)

「ディープラーニング」を活用して、ユーザーごとに最適化されたおすすめを自動生成します。収益最大化やクリック率向上などの ビジネス目標に沿った最適化 が行われるため、成果を高めたい場合に有効です。

  • 既存の定義済み目的を利用できる

  • カスタム目的を設定することも可能

👉 [目的ベースのレコメンダーの詳細(Salesforce ヘルプ)]

注意点:目的ベースのレコメンダーを利用するには、事前に トレーニング(学習期間) を完了する必要があります。このトレーニングでは、レコメンダーが参照するエンゲージメントオブジェクト全体で、少なくとも 3 種類のエンゲージメントアクティビティ(例:閲覧、カート追加、購入)を記録しておく必要があります。

② ルールベースのレコメンダー(数学的計算による)

計算済みインサイトやランキングロジックなどの「数学的計算」に基づき、あらかじめ定めたルールでおすすめを提示します。「売上トップの商品」「最も閲覧された記事」など、 わかりやすい基準でのおすすめ表示 に適しています。

👉 [ルールベースのレコメンダーの詳細(Salesforce ヘルプ)]

補足:さらに理解を深めるには、以下の動画を視聴するのがおすすめです。


既存の定義済み目的を利用

パーソナライズには、あらかじめ 「収益最大化」「クリック数最大化」 の 2 つのデフォルト目的が用意されています。
これらを利用するにはこちらのヘルプページの設定を行う必要があります

カスタム目的の設定

その一方で、 Spring '25 の新機能リリースにより、自社のビジネス要件に合わせて 独自のカスタム目的 を定義することも可能になりました。

カスタム目的の定義手順

  1. 追跡する行動(エンゲージメントシグナル)の作成

    • 例:商品詳細ページの閲覧、カート追加、購入など

  2. 最大化/最小化の指定

    • 例:購入行動を最大化、離脱行動を最小化

  3. メトリクスへの集約とモデル学習へのフィードバック

    • 追跡した行動はメトリクスに統合され、機械学習モデルの最適化に利用されます

この仕組みによって、新規顧客の初回購入率の向上リピート購入の促進 など、自社固有の KPI に沿った最適化を実現できます。


レコメンダー検索条件(フィルター)

レコメンダーの設定の中で、検索条件(フィルター) を設定することで、表示するコンテンツをより精緻にコントロールできます。ここでは「含めたいもの」と「除外したいもの」を柔軟に調整することで、ユーザー体験の質をさらに高められます。こちらはオプションの設定です。

検索条件の種類(3 種)

  • 静的条件
    固定的な属性で絞り込み

    • 例:1,500 円以上の商品を含める、特定日以前に公開された記事を除外

  • 決定コンテキスト
    現在の閲覧状況に基づく絞り込み

    • 例:閲覧中の商品と同じ色の商品を表示、同じ著者の記事を含める

  • プロファイルデータグラフ
    ユーザーのプロファイルデータや履歴を活用

    • 例:過去 30 日以内に購入した商品を除外

👉 [検索条件の詳細(Salesforce ヘルプ)]


パーソナライズポイントの活用

パーソナライズポイントの役割

パーソナライズポイントは、パーソナライズの主要要素をまとめる フレームワーク(箱のようなもの) です。以下のような要素が含まれます。

  • データスペース

  • プロファイルデータグラフ

  • パーソナライズ種別

  • 応答テンプレート

👉 [パーソナライズポイントの詳細(Salesforce ヘルプ)]


パーソナライズ種別と応答テンプレート

  • パーソナライズ種別:表示するコンテンツのタイプを定義(レコメンデーション または 手動コンテンツ)

  • 応答テンプレート(旧名称:パーソナライゼーション スキーマ):パーソナライズされたデータとして返す項目を決定。レコメンデーションではアイテムデータグラフのルートオブジェクトとして使用される DMO のみが選択可能

決定とターゲティングルール

  • 決定:個々のターゲティングルールに付ける名前

  • ターゲティングルール:どの条件の時に、特定のコンテンツを表示するかを定義

複数の決定と優先度

1 つのパーソナライズポイントに複数の決定を追加できます。

  • 優先度は作成順に付与(最初が最優先)

  • 任意のタイミングで順序を入れ替え、優先度を変更可能

補足:さらに理解を深めるには、以下の動画を視聴するのがおすすめです。

Tips:手動コンテンツの活用
パーソナライズポイントや決定を活用して「手動コンテンツ」(背景画像・リンク・行動喚起テキストなど)を設定することも可能です。自動と手動を組み合わせることで、より効果的なパーソナライズが実現できます。


消費クレジットの確認

Digital Wallet により、Salesforce Personalization の消費クレジットのほぼリアルタイムの監視が可能になっています。使用状況の詳細な内訳が種別および期間ごとに表示されるため、一定期間のトレンドを把握できます。


いかがでしたでしょうか。

今回紹介した内容の一部は、Marketing Cloud Growth & Advanced Editions における「動的コンテンツ」やセグメントトリガーフローの「パス実験」にも活用されており関連しています。詳しくは以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

さらに理解を深めたい方は、Salesforce ヘルプドキュメントを読み込んだり、以下の Trailhead の学習モジュールを活用することをおすすめします。

また、記事中でもご紹介した動画がまとめられている 「Personalization - Partner Enablement」 は非常に有益なリソースです。こちらはぜひ一度ご確認いただくと良いと思います。

今回は以上です。


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