【心の居場所最終話】「陽だまりの場所」上
お母さんに連れられて来たフリースクールは喫茶店だった。

pekomoguさんの喫茶店、
是非行ってみたいと思いました。
pekomoguさん
ありがとうございます!

「ここはフリースクールだと聞いて来たんですけど」
お母さんは不満顔で、『高瀬万尋』という名札の店員さんに詰め寄っていったけど、店員さんの柔らかな表情に少し勢いを失ったように見えた。
「はいそうです!少々お待ちください」
そう言うと、万尋さんは奥の方へ行った。
店の中では中学生くらいの人がお皿を洗っている…?
外には大きな畑があって、おばあさん達が僕と同じ小学生くらいの子供と、何かの苗を持って笑いながら話をしていた。
ここは何だろう?
僕が話に聞いていた『フリースクール』とは全然違う感じ。
店の掲示板に
『今日の予定 不登校生のご家庭フォーラム』
と書いてある。

実際にされている活動。
大変刺激になりました!
『それやったんかーい!』も
ありがとうございます!

明日の予定は『休職者フォーラム』。
この喫茶店でするのかな?

不定期開催や
月1回開催などもありだなと、
考えに幅が持てました。
ありがとうございます!

春のレクリエーションイベント情報……。
卓球大会&バーベキュー?
楽しそうだな。

とても共感したので
紹介させて頂きたいと思いました。
色々な発見をありがとうございます!

「すいません。お待たせしました」
『高瀬乃亜』という名札の人が来た。
この人が先生かな?
ニコニコしてて優しそう。
「ここは喫茶店ですよね?185というフリースクールはどちらなんですか?」
「はい、ここです」
乃亜先生は僕に目線を合わせるように少し屈んだ。
「お名前は?」
「き……菊澤春斗です」
「春斗くん、よろしくね。私は高瀬乃亜です」
え、本当にここがフリースクール?
喫茶店にしか見えないよ。
「ここがフリースクール?見たところ普通にお客さんのいる喫茶店ですけど」
お母さんの眉間にしわが浮きはじめた。
乃亜先生は笑顔のままうなずき、
「ご案内します」と、僕たちを導いた。
奥へ行くと、そこにはたくさんの本、何個かの机と椅子、そして仕切られた場所が見えてきた。その前に額縁が飾ってある。

読めば読むほど味わい深い詩。
そしてたくさんのご縁を
ありがとうございます!

部屋の前にあったこの詩に、僕は釘付けになった。
優しく包み込むような温かさ。
まるでこの店の雰囲気みたい。
「この詩、素敵でしょ?」
乃亜先生が話しかけてきた。
僕がうなずくと、微笑んで僕を見た。
「ここ185ハウスはね、みんなにとっての居場所。みんなの毛布や、陽のあたる野原になるのが目標なの」
……あれ?
お母さん、詩を見て遠い目をしている。
どうしたんだろ?
「こちらは人と交流することが苦手だったり、怖かったりする方のお部屋です」
乃亜先生の説明に、お母さんは首を傾げる。
「ここで授業なさるの?」
「いえ。ここは喫茶店とフリースクールの中間点で『自己受容室』と言います。別名『0対1の部屋』とも呼ばれる場所です」

『自己受容』という大切なキーワード。
勉強になりました。
manaさんありがとうございます!


物語になっていて分かりやすかったです。
石木さん、ありがとうございます!

一人でいたい時。
自分を見つめ直したい時。
誰とも交わりたくない時。
ここで飲み物を飲みながら、風景を見るも良し。
置いてある本を読んでも良し。
そんな場所だそうだ。
なんか面白そう……。
ちょっとワクワクしながら、僕は本を一冊手に取った。
背表紙の内側にノートが貼ってある。
なんだろ?
何気なく開いた。
”感動しました!主人公の考え方に共感して、泣いちゃいました……”
”感想ありがとうございます!私の超オススメ本なので、共感してもらえて嬉しいです!……”
本を読んだ人と、この本の持ち主との伝言板……なのかな?

ナルさん!
メッチャいいアイディア
ありがとうございます!

「本を共有して交流をしているんだよ」
乃亜先生は、さっきから僕の気持ちが分かるように話してくれる。
なぜかそれがすごく心地いい。
書店で売ってるような本だけではなく、素人が製本したっぽい本、ファイルでまとまっただけで『本』と言っていいか悩むものまであった。
でもその一つひとつに感想ノートが付いていて、その中は熱い感情が溢れていた。
……なんか、いいな。こういうの。
この本、面白そう。
僕も読んでみたいな。
ふと目を上げると、仕切られた小部屋が目に入った。
気になって近くへ行こうとすると、乃亜先生が説明してくれた。
「そこは心のウーバーイーツよ」

私が考えたウーバーイーツです。
発想をありがとうございます!

「心のウーバーイーツ?」
「悩んで苦しくてどうしようもないけど人に相談できない。でも助けて欲しい。そういうときに相談できる場所なの」
見ると小部屋ごとに1台ずつパソコンがあった。
「そこに悩みを打ち込むと返事が返ってくるの。やってみてもいいよ」
乃亜先生は僕に言っていたけど、その言葉にお母さんが反応した。
「AIが返事してくれるってことですか?」
「そうじゃないんです。この『部屋』には誰もいないんですけど、この『中』にはたくさんの人がいます。居場所に悩んだ経験をお持ちの『ネット185』の方々が」
「ネット185?」
お母さんは不思議そうな顔をしていたけど、僕は興味が湧き出てどうしようもなかった。
「僕やってみたい」
あ!思わず言っちゃった。
複雑そうなお母さんの顔。
でも、ダメじゃなさそう。
すると、乃亜先生は僕をコンピューターの前に誘った。
「ここに自由に打ち込んでみて。大丈夫。打ち込んだデータの記録は残らないから」
そう言うとお母さんを連れて、どこかへ去って行った。
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