二つの道の巡礼者【ただ歩くのが好きな旅人】
今週末の旅の行き先は、年に1回は必ず歩きに行っている熊野古道を含めた和歌山の旅。
実は私は、スペインのサンティアゴ巡礼路(略してカミーノ)800kmと熊野古道の中辺路ルート全てを両方踏破しており、「二つの道の巡礼者(Dual pilgrim)」認定を受けている。
えへん。
しかも1000番以内に入っている。
えっへん!
あちこちに自慢したいが、周囲に自慢しても凄さがいまいち伝わらないし、歩いた身としてはそこまで凄くもないというのが本当のところだし、ただちょっと珍しいくらいであり、微妙なリアクションをされるので、ここで自慢しておくことにした。
私こそが二つの道の巡礼者です!
自慢ですよ!
ちゃんと賞状までいただいたし、証拠にピンバッジも持っている。(バックパックにつけて色々海外を旅したため傷だらけだけど、めちゃくちゃ宝物。ステッカーは紀伊田辺で手に入るからたくさん持ってるけど。)
Dual pilgrimグッズもいくつか持っている。
熊野古道のシンボルの足が3本の八咫烏(やたがらす)とカミーノの貝殻のマークのモホンが並んだデザイン。






カミーノも熊野古道も、二つとも、道が世界遺産になっている珍しいもの。
愛してやまない二つの道なのだが、熊野古道を踏破してからも、時々気に入った道だけを春や秋になると歩きに行っている。
もう全部歩いたのにまた歩きたくなるのは、熊野古道にしかない魅力があるからで、これは歩いてみないと伝わらないと思う。
いにしえの人たちがアリンコのように列を成して歩いたので、「蟻の詣」と呼ばれたらしい。
よくこんな森の中をコンプレッションタイツも履かずに自販機のない時代に歩けましたねお殿様、と思いを馳せてしまう。
祖母が亡くなってしばらくしてから、なんとなく熊野古道を歩きに行った時、山の尾根のところで急に大雪が降ったと思ったら思いがけず積もって、怖いくらいの静寂が来て、尾根を抜けたところで雪が止んで太陽が出てきて、足元の草むらに1メートルくらいの虹が出たことがある。
あの体験は、思わず何かを感じずにはいられなかった。
それから、早朝の森の中で野生のフクロウと目があったり、足が痛くてたまらないのに、急に足の痛みが取れる瞬間があったり。
とまあ、神がかっている気がして仕方ない道。
熊野古道は、たとえ正月だろうと大型連休だろうとあまり人に出会わない。いつも大体空いている。
コロナ禍前に道で出会ったのは、外国人、特にスペイン人やヨーロッパの人たちが大半で、道中のバスは日本人は私1人だけなんてこともあった。
休憩時やバスでの移動時や温泉などでは人と出会うが、歩く道中は、1日のうちにすれ違う人が数人いるかいないかの時がほとんど。
そこは静かになれる場所。
静かにただ歩きたくなったら、熊野古道に戻りたくなる。
歩いた後は必ず川湯温泉か湯の峰温泉に浸かって体を休めて、また次の日も歩いて、最後に熊野本宮大社にお参りして、日本一の鳥居の大斎原に行って熊野川の青さをしばらくぼーっと見て、大阪へ戻る。
私にとっての熊野古道は、大阪から和歌山の山奥へやって来てそこに身を置くこと。
自分のルーツのいにしえの日本人がこの道で魅了された何かを、自分も毎回見つけて帰れること。
紀伊の山々や熊野川を見ながらお弁当を食べること。お茶を飲むこと。
温泉の露天風呂で野生の鹿や猿に挨拶すること。
これらすべてが私の熊野古道セット。

(コロナ禍前のとある熊野古道の宿)
一方スペインのカミーノでは、歩いて食べて飲んで、洗濯して喋って笑って食べて飲んで眠る。それの繰り返し。
温泉はないが、巡礼仲間と交代で入るシャワータイムも並んで行う手洗いでの洗濯も、これはこれで楽しい。
スペインは、海外の巡礼仲間との交流の楽しみや、街の中を通り過ぎて行ったり、ぶどう畑を通り抜けたりする楽しさがあった。
そもそも私は信心深くなくて、キリスト教信者でもないし神道にもそれほど精通していないから、「巡礼者」とか「巡礼」と言われると少し恐れ多い気持ちになる。
ただ楽しんで歩いてるだけだし、全然お祈りとかしてないし、手を合わせたりも正直に言うと形だけだし、邪な願いが多い。痩せますようにとか、大金が転がり込みますようにとか。
そんな態度の私であろうと、ヤコブも神様も受け入れてくれる懐の深さがあると信じて、都合の良い、良いとこ取りの一ジャパニーズが文化として味わせてもらっている。
歩くことを通して体験できるのも良い。
私は走るのは嫌いだし、ハードな運動も苦手だが、歩き続けるのはかなり好きなので、ちょうど良い。
と言ってもところどころ相当ハードだが、多分ちょうど良い加減なんじゃないかと思う、あくまで自分にとっては。
これ以上キツいと歩きたくなくなるし、森や山の道がなければ魅力はなくなるし。
ちょっとキツいレベル寄りではあるが、それがまた良い。
登山やマラソンと違って限界が来るようなことはなく、ゆっくりと歩くのをやめなければそれなりにいつかは着くので、道のりの険しさはそこまで気にならない。
しんどいながらも、道を楽しむことに気持ちを注げるのがちょうど良い。
書いてるうちにもう歩きたくなってきた。
週末が楽しみである。
過去の熊野古道の写真を。
次はどんな景色が待っているか楽しみである。









追記:
ちなみに、今回はいつもと違って、減量のための合宿という意味合いを熊野古道に込めることにした。
いつも、森の中を歩きながらドカ食いしたり、常に何かを食べ続けていて、昼ごはんを何回も食べているのだが、今回はバテない程度に食べはするがちょっと食事を意識的に抑えつつ歩いたら、これ、かなり効くんじゃないか?という仮説を持って取り組む。
私は学生時代帰宅部だったので、合宿とかいうイベントがどういうものかはよく知らないんだけど、1人減量合宿ということにして取り組む。
一番ハードな道をチョイスする予定。
最近駅でエスカレーターに乗らずに階段を軽快に下れる(登りはまだエスカレーターに乗らせてください)ようになったから、熊野古道の道で、日々の筋トレとダンスの効果を試したい。
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