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65.2026年の春、それまで楽しく過ごしていた私に起こったこと②

これは、
「64.2026年の春、それまで楽しく過ごしていた私に起こったこと①」の
続きです。

まさかの出来事

2月から3月にかけての神経疲労がすっかり解消され、私は以前よりも軽やかな気持ちで過ごしていました。

こんなにすがすがしい気持ちで暮らせる日が来るだなんて、かつては想像さえできなかったのです。


そんな私が考えていたのは、
「今度は体をいたわる番だね」
ということでした。

これまで、メンタルの不調から体にはずいぶん無理をさせてきた自覚があったからです。

その翌日の晩のこと。
入浴中に右胸のしこりに気付き、愕然としました。

すぐに受診して検査をした結果は、乳がん。


検査直後に先生からはすでに、
「乳がんを疑っています」
と言われていました。

結果が出るのは一週間後。

乳がんを覚悟しながら過ごす日々が始まりました。

本当に怖かったもの

検査結果を待つ間、もちろん怖かったです。
緊張もしました。
でも、その状態は思ったより長く続きませんでした。

三日ほど経った頃です。
私はふと自分に問いかけました。

「私はどうしてこんなに緊張しているの?何が怖いの?」

すると、答えが返ってきました。
「死にたくない」と。

私は生きたい

この答えには、正直少し驚きました。
かつて希死思念を抱えていた私から出てきた言葉だったからです。

「私は生きたいの?」

「そう、私は生きたい」

ようやくここで本音がハッキリと顔を出したのでした。


生まれたくて生まれてきたわけではない。
私には存在価値はない。
家族に負担をかけるだけなら、いない方がみんなのため。
こんな思考を若いころから抱えていた私です。

でも、「生きたい」という
本心の声をキャッチしたとたん、私のこころの中は一転しました。

パッと霧が晴れ、さらに軽やかになり
なんだか楽しくなってきました。

これまで、
こうしろ!と人から強制されたり、
この枠におさまれ!と
圧力をかけられているような感覚がどこかにあった私。

でも、そのとき気付きました。

私は誰かのために生きているのではなく、
自分が生きたいから生きているのだと。

生きたいから生き、
やりたいことをやれている。
これは、私が選択していることなんだ。

この感覚をハッキリそしてじっくり味わったとき、
これまで私を苦しめていた何かから既に解放されていました。

迷いが消えた私の選択

検査結果はやはり乳がん。
その後の諸々の検査で、ステージⅡAとわかりました。
(がんの大きさと、転移がないことによる判定)

「生きたいから生きるんだ」という本音を認めた私の選択は
「治療して元気になること」でした。

さらに心の奥から出てきた声がありました。

「家族に負担をかけてでも、私は治療したい」という想いです。

「人に負担をかけるのならいなくなったほうがいい」
という思いを抱えていた私の、
これが本音です。

本音を認めると、不思議なくらい迷いが消え、
エネルギーが自然とわいてきました。

枯渇感をいやというほど味わってきた私にとって、
それはなんともありがたく嬉しい感覚です。

不安との付き合い方

もちろん、不安も怖さもまったくゼロになったわけではありません。
でも、それは自然なことです。

だから、自分を責めることも感情を無理になくそうとすることもしません。出てくるたびに観察する。
それだけです。

もし不安でいっぱいになり、悩んで悩んで悩み続けたら治るのなら
私はいくらでも落ち込んで悩みます。

落ち込むこと、悩むことは、
さんざんやってきたからいくらでもできます。

でも、そんなことで治るわけはなく、むしろ体にはよくないんですよね。
こころのあり方は体に影響しますから。

それも、これまで経験してきたことです。

だったら、余計なことは考えず
今大切で必要なことを淡々とやり、あとは楽しく過ごそう。

いつのまにか、そう決めていました。

この二十数年くらいの間に
学んで身に着けてきたことが
一気に作動してたどり着いた結論です。

今、余計な思考が幅をきかせることは、めったにありません。

それより、好きなことをやり楽しいことを考えていくという選択を自然としています。

検査結果を待つ日から現在も、
私は好きな縫いものに思い切り没頭しています。

私の乳がんを悪者にしないで

もうひとつ、気付いたことがあります。

不思議なくらいに、私は乳がんを嫌っていなかったのです。

私が元気に生き続けるために「治療する病気」ととらえているだけ。

面白いことに
「私の乳がんを悪者ときめつけないで」
とさえ思っているようです。

どうやら私は、
これは自分の大切な経験のひとつなんだと
考えているのだと思います。

見えてきた現実

家族にはその都度、全て報告しています。

夫は、かなり動揺したようです。
でも、私の回復を祈ってくれています。
「今はやりたいことだけやっていろ」と言って、
私のこころを軽くしてくれました。

実は、乳がんの遺伝検査を保険適用で受けられる条件が私には揃っていました。

それでもかなりの金額になるので躊躇していた私の背中を、
息子が押してくれました。

もし、遺伝性のがんであれば、息子にも遺伝している可能性が50%。

もし遺伝していたらと、息子に対する心配も出てきました。

ところが息子から出た言葉はこうでした。

「そんなこと言ったって、遺伝しているかしていないかのどちらかしかない」

「治療内容にも影響するんだから、検査するにきまってる」

「お金ならおれが出していもいいから受けるべき」

その言葉が頼もしく、気持ちがありがたく、泣きそうになりました。

これが、最近まで私には存在価値がないとこころの奥で決めつけていた私の、現実です。

現在の私

現在は、乳がんのサブタイプが判明し、手術の日程も決定しています。

遺伝検査の結果は陰性でした。
今回は、結果そのものよりも
「はっきりさせること」の安心感を味わいました。

乳がんとわかった4月から現在まで、私は体調よくすがすがしい気分で過ごしています。

こんな気持ちと体調で過ごせているのは、いつ以来なのかもう思い出せないくらいです。

この二十数年の間、学んで自分と向き合い、観察を続けて得てきたものが、今は間違いなく家族と一緒に私を支えてくれています。



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