見出し画像

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(8)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動:クラスワーク


表紙写真:慶應義塾大学SFCプロジェクト発信型英語プログラム前身ACE(Action Communication English Proguram)の1年生プレゼンテーション風景



(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP (6)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(1回目|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP(7)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(2回目|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

に続き、使用テキスト『プロジェクト発信型英語DO Your Own Project in English/DYOPIE』Volume 1,Part 1, Unit 1に沿う本プログラム最初授業の活動:クラスワーク。

クラスワーク

[Step 1】15分日本語で挨拶・自己紹介・学業/趣味など情報交換

椅子机を教室の脇に動かし中央にスペースを作り、学生、教員、ゲストも含め全員が自由に動き回り日本語で自己紹介しながらしばし交流する。結構活発に情報交換をしていた。やはり一番ポピュラーな話題は趣味、得意な科目、将来の夢である。2003年5月に制定され、2005年4月に個人情報保護法が施行されたが、それ以前は、に抵触しないように注意しながら、(所属学部)、(学年)、出身地、出身校、住所、メールアドレス、電話番号、趣味、得意科目、履修授業、将来の抱負、クラブ活動、アルバイトなどの情報を交換していた。同法施行後は同法に抵触する項目は結構うまく避けながら話が弾んでいた。殆どが18才そこそこの若者たち、同年配でも初対面同士、これが意外にスムーズに溶け合い15分後にはすっかりコミュニケーションの輪が出来上がる。こうして「お互いに紹介し合い、コミュニケーションをする雰囲気作り」が整う。後に受講生の多くがこのプログラムで生涯の仲間ができたという人たちが多い。まさにこのテキストVolume 1, PART 1, Unit 1の[Step 1] がその出発点であったと思う。(注:括弧内の項目は複数の学部と学年が混ざっているケースのみ。)

筆者自身も担当教員としてほぼ全員と話した。少々外れるが、筆者は生を受けて18才までの幼少期から思秋期までの18年間、天候が許せばほぼ毎日富士山を仰ぎながら過ごした。見飽きることがないなかった。見るたびに違う美しさを装う。

浮世絵東海道五十三次(江尻)筆者少年時代この砂浜でよく遊んだ。

毎年入れ替わる学生もそう、年ごとに良い意味で違う。それはそうだ、富士山を囲む森羅万象のように、一人一人が育ってきた環境はそれぞれ、そして、時代背景も年ごとに様相を変える。そうした状況を新鮮なものとして受け入れそこから刺激を受ける姿勢が必要だ。よって十年一日の如くの授業ではなく、学生と共に毎年良い意味で違う授業を作るよう挑戦する、そのための第一歩と思いながら15分はあっと言う間に過ぎる。

[Step 2 ] 15分挨拶・自己紹介・学業/趣味など情報交換に必要な英語の語・句・表現ブラッシュアップ

全員そのままの場所で立ったまま、[Step1]での活動を英語で行うため、それに関連する英語表現を(ダイアログが必要な場合2人1組で)ジェスチャーも交え復唱しながらブラッシュアップする。中学校で習たものの今まで一度も使ったことが無い語句表現ばかり。(学生の感想)

"Introducing yourself"で検索し英語で挨拶するシーンの動画を見せるとより効果的だ。"How to Introduce yourself in English"など参考になる。


注意すべきは、1.名字・氏名、2.出身地 3.趣味 4.専攻 5.学年を交えた自己紹介だ。

A: Hello/Hi, how are you?/how do you do? My name is..../I’m..…
B: Hello/Hi, I'm…. Nice to see you/Good to see you…

名字と名前をひっくり返して、例えば、Yuji Suzukiと実際に発したことがない。筆者などは24才で渡米するまでその機会は皆無だった。筆者の名前yu jiも苗字su zu kiも結構発音しやすい。それぞれ2シラブルと3シラブル。

しかし、ながら、英語では yujiは最初のシラブルにストレスが掛かりYUU jiと、yuの/u/は/u:/と長母音になる。また、 苗字はsu ZUU kiとセカンド・シラブルにストレスが掛かり/u/は/u:/と長母音になることが多い。長目の名前、例えば、「勅使河原大二郎」になると、da i ji ro  te shi ga wa raとそれぞれ4シラブルと5シラブルになり、da i JI ROu te shi ga WA raとそれぞれ4シラブル目のROと5シラブル目のWAに一次ストレスが来る(小文字の太字は2次ストレス)だろう。

ちなみに英語ではスペルoに一次ストレスが付いたり、最後がoで終わる場合は、自動的に2重母音[ou]になる。よって、敢えてohとせずoのままでもネイティブはda i ji rOuと発音するはずだ。例えば伊藤という姓はItoと綴れば自ずと[itou]と発音されるはず。敢えて表記したいならItohではなくItoeと綴る方が良いかもしれない(toe [tou])。Itohと綴ると [Itou]ではなく[ito:]と発音されイトよりイトーに近くなってしまう。英語のスペルは、音素(phoneme/o/と表記)と異音(allophone[ou]と表記)との対応が複雑で読み書きを難しくしている。教材・教授法開発には音韻論との関係で正書法(othography)を学ぶとよい。後述する筆者の恩師Charles W. Kreidler先生のThe Pronunciation of Englishなどがお勧めだ。

要は、英語はストレスアクセント日本語はピッチアクセント、日本語の各シラブルを均一に発音しようとすると、どうしても最後の方がグニュグニュとして聞き取りにくい。日本語でもそうなのに、英語で発音するとなおさらそうなってしまいがちだ。一度の説明を聞いてもすぐには呑み込めないが、毎回の授業で何度も繰り返すのでプログラムが進むにつれ自ずと難なく言えるようになる。もちろん学生にこんなややこしい分析を一々教える必要が無い。但し教員はこういうことを知っていると教材や教授法の助けになる。

A:What is your hobby?/Tell me what you like?
B: Oh, I like pyaing video games.

さて、趣味に移ろう。これは十人十色。若者たちは趣味にこだわる。そこでスクリーン上に130

Ultimate List: 1100+ Hobbies To Try in 2024 - Good Good Good
Examples of Hobbies - Simplicable

などのサイトを即興で探しスクリーンに映す。学生は趣味になると目が輝き見つけるのも早い。

https://simplicable.com/life/hobbies

幾つか例を挙げて発音の練習をするが、結構、多くの手が上がり捌ききれないことも。

しかし、十人十色、いや、万国万色といおうか、国によってそれぞれ特有の趣味がある。「日本の伝統文化一覧!芸能・武道・和食などジャンル別に解説! | 外国人向け伝統文化体験|モテナス日本」には、日本特有の文化それに伴う趣味がリストされている。日本の大学のクラブ活動はそれらに大いに関係する。1990年代に筆者の恩師の一人Charles Kreidler先生夫妻が来日された際にKreidler夫人の趣味が「切子」であった。大学ではfine artsを選考されたようだ。そこで江戸切子(えどきりこ)の店を探し当て案内した覚えがある。日本人に留まらず外国にも知れ渡っているものが多く、英語の名称はそのままローマ字でよさそうだ。ここではkiriko (glass/cut glass)でよい。judo, karate,sumoなどは問題ないが、そこまで知れ渡っていない日本の趣味については敢えて英語名称を探さずにそのままローマ字で綴り、それが何たるかを海外に広めていく、これも英語発信の一つの目標でもある。有名なところでは日本の価値観「もったいない」が、2009年ケニヤの国連環境特使 Wangari Maathai 氏が環境保全のスローガンとして使用したことで"Mottainai"は世界中に広がった。その意味するところに関心が集まり、発信活動を旺盛にする。趣味関心事は良いことであれば発信活動に効果的だ。

[Step 3] 15分 英語で挨拶・自己紹介・学業/趣味など情報交換

上記でおさらいした英語の語句表現を使い、[Step1]で行ったことを英語でする。多くの学生にとって人生初めて経験する英語での対話(dialogue)である。既に、日本語でコミュニケーション環境を整えているので、恥ずかしるがることも、躊躇することも無く、そのまままっしぐらに進む。次回触れる[Step 4]念頭に相手の氏名そしてその内容を英語でメモして歩き回る。大変新鮮な体験であるようで教室中に英語での対話が弾む。



千葉商科大学政策情報学部のアート好きのT.K.君は市川市のKikuchi-Art-Galleryに関心がありりことを伝えていた。その後日本語の資料・情報集め英語でプレゼンテーションした。(2005年)



日本人同士で英語で話す意味があるのか?とあるビジターの声があった。大ありだ。何語であれあらゆる言語および方言などの変種は、同一言語話者同士の連帯感を強める融合機能(the unifying function)と、その背中合わせに他言語話者を区別する分離機能(the separatist function)の両面を有する。筆者も米国留学中に体験した。米国は多言語社会であり、多くの言語が介在する。英語自体も多くの方言があり多様だ。

1970年代のアフリカ系アメリカ人英語(African American Vernacular English =AAVEいわゆる黒人英語:別稿「Michael Jackson名曲I’ll Be Thereの”be"について(3/4)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki」参照)は、それを話すことによりAAVE話者特に若い世代の団結を強めた。同時にAAVE以外の英語方言とくに白人の標準英語(Standard English)話者とを分離する機能があった。大学のキャンパスではアフリカ系アメリカ人の活動家の学生同士はあえてAAVEを話し話者間の団結を強めたが、同時に大多数の標準語を話す話者とを敢えて分離していた感もあった。

敢えてではなく自ずとそうなった例としてよく見かけたのは、パーティ―などで日本人の学生同士三々五々かたまって日本語で話し、他の英語話者とある意味垣根を隔ててしまう残念な状況だ。英語力不足なのか、恥ずかしいのか、片隅で日本人同士がこそこそと話す光景を見て、英語をマスターしたくて留学しているのじゃないのかと言いたくなったことしばしば。これではネイティブ英語話者との間に垣根を作りいつまで経っても英語は上達しない。筆者は留学4年後1972-1973の1年間ハワイ大学に在籍したが、ワイキキなどに行くと多くの日本人の若者が集まり、4年も5年もハワイに滞在してもほとんど英語が話せないと多くの若者の姿を目にした。

アメリカのパーティなどは色々の言語話者が集まる。みな英語を話すことでは共通する。日本人同士もなるべく英語で話すことにより垣根は無くなる。日本人同士で英語で話す意味があるのか?とあるビジターからの声があった。大ありだ。米国はマルチ言語社会であり多くの言語が介在する。ただ英語が国語ではないが共通語だ。英語を話すことにより英語話者同士連帯感を強める、その第一歩である。よって[Step 3]では[Step 1]の活動を英語で行う。これは日本国内でも重要だ。外国からゲストを接待するとき、多分英語で話すことになろうが、そのゲストの脇で日本人同士が日本語で話したら一瞬にして垣根を作ってしまう。英語で話せばゲストも会話に入りやすくなり和むこと必至だ。


[Tip] 英語ネイティブ教員が日本語・日本文化に触れる機会を!

ALT(Assistant Language Teacher)から大学の英語のネイティブ教員(母語他言語母語と英語のバイリンガル話者も含む)の中には、日本文化にとても興味を持ち来日したものの、教室外で日本人との交流の機会が限られるという状況に置かれる場合が多い。日本人の多くは教室を離れても英語ネイティブ教員とは英語で話したがるので、英語ネイティブ話者の中でも特に英語教員は他の職種と比べ日本語を話す機会が少なくなってしまう。結果、何年も日本滞在しながらも日本語が話せず、結局英語ネイティブ同士が集まって日々を過ごし帰国することになる。ハワイで見た日本人グループと同じ負のスパイラルにはまってしまう。

これでは文化交流にならない。英語話者同士の連帯感が強まるかもしれないが、日本語話者との壁を作ってしまう。「プロジェクト発信型英語プログラムPEP」はマルチリンガル空間、英語のみならず、日本語、その他の言語も使いプロジェクト活動をする。よって、英語ネイティブも学生のプロジェクト活動に参加し触れながら様々な日本文化を体験し日本語を話す機会が増える。

一つの良い例が、筆者がアドバイジングをしている大垣市のキートス・ガーデン幼稚園(現幼稚園・保育園)園長平野宏司 ...の外国人英語教員は通常カリキュラムにも参加し保育園児、幼稚園児、保護者、教諭、事務スタッフと密に交流し全員が月日が経つにつれ友人も出来て日本語も堪能になり、仕事や近所づきあいも日本語でき、周辺コミュニティにすっかり溶け込んでいる。そういう環境づくりは、本人の努力も必要だが、ホストの国・機関の責任でもある。

キートス・ガーデン幼稚園の触れ合い風景(現幼稚園・保育園)園長平野宏司 
筆者とキートス英語教員の皆さん、出身地は様々な全員英語と日本語のバイリンガル, 幼稚園の先生たちと共同で活動を企画し実践している。(2025年6月)

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(9)...Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について に続く

公式サイト:For Lifelong English 英語活動情報誌


いいなと思ったら応援しよう!

鈴木佑治 N.Yuji Suzuki サポートいただけるととても嬉しいです。幼稚園児から社会人まで英語が好きになるよう相談を受けています。いただいたサポートはその為に使わせていただきます。