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(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(9)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動:ディスカッション・セッション

[表紙写真]2013年8月学童保育の時間を利用してPEP小学生レベル特別研修3日間の2日目,英語プロジェク最終発表用スライド作成に励む東日本大震災自主避難児童,立命館大学PEP受講大学生と地元帰国子女高校生ボランティアと。(筆者撮影)

ピアノで自己アッピールする児童、カメラ撮影で友達紹介する児童(2013年8月,筆者撮影)
ランチ・プロジェクト児童によるSmall World Restaurant 前の児童作成メニュー掲示板(2013年8月,筆者撮影)

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP (6)...テキストDYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(1回目|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP(7)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(2回目|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP(8)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(3回目|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

に続き、使用テキスト「『プロジェクト発信型英語Do Your Own Project in English/DYOPIN 』Volume 1,Part 1, Unit 1に沿う本プログラム最初授業の活動discussion sessionについて。


【Step 4】2人または3人一組になりクラス全員にお互いを英語で紹介する (30分)

人を紹介するスキルは職場で相当役立つ、英語のみならず日本語でも


【Step 1】できるだけ多くの人と自己紹介し許される限り互いの情報を交換し、【Step 3】で同じ活動を英語で行っている過程で、自ずと2人、3人、4人の集まりができる。英語による情報交換が自主的に行われている証拠だ。

慶應義塾大学SFC UNI 1 Step3の風景 (前身テキストActivating College English(1994年)より

恐らく人生初の英語で話す機会だろう。お互いお互い興味を分かつからだ。自ずと他の人たちにも紹介し情報を共有しようというモチベーションが生まれる。

その様子を見計らい【Step4 】に進む。まず、お互いを紹介する為に必要な以下のようなダイアログを提示し、復唱させ、グループごとにシミュレーションしてみる。

A:  Hi, my name is ~. I'd like to introduce ~to you. He/She is from ~。 He/She likes  ~・
B: Thank  you ~. Hi, my name is ~. Yes, I Iike ~. Next time, I'll talk abou it, Thank you.

You Tubeで”introduce yourself and others"で検索し、お互いを紹介し合う様子を再現した動画サイトを見せてもよい。よく見ると、英語学習者向けと言うよりは英語ネイティブ・スピーカー向けの動画サイトが多く、英語ネイティブ・スピーカーもどうやら人を紹介するのが苦手のようだ。日本語話者にも同じことが言える。自己紹介はできるが、同席している同僚や友人、知人などを紹介することにまで気が回らない。そういう場面をよく目撃する。

PEPではプログラムを通してほぼ毎授業自らを紹介し他の人を紹介する機会があり、一ヵ月もすると苦も無くできるようになる。ビジター大歓迎。毎回教員または学生が一人、二人のビジターを連れて来る。連れてきた人は必ずクラス全体に彼または彼女を紹介し、その日の授業内容を簡単に説明し彼または彼女もクラス活動に参加する。PEPではビジターは見学者(spectators)
ではなく参加者(participants)である。結果、キャンパスに外国のビジターが来ると積極的に案内役を買って出るのは大体PEP受講者だ。英語だけではなく日本語でも自己紹介、他人紹介をスムーズにできるようになる。毎年PEPの授業には国内外から相当数のビジターが訪れて参加する。

2人1組になり順次自己紹介とパートナーの紹介

 この【Step 4】では2人ずつ前に出て,クラス全員に互いを紹介する。1組2分。大方以下のようにそれぞれ1分以内に手際よく話し、聴衆の簡単な質問にも簡単に答え、次の1組を指名し、入れ替わる。

A: Hi, my name is~. I'd like to introduce Ms B. She is from ~, and loves to play the piano. 
B: Thanks Mr. A. I'm A, and I love classical music. My favorite composer is Chopin. I’d like to introduce Mr. A. He is from ~. He belongs to the varsity baseball team. 
A: Thank you Ms A. Hi, I’m A. I'd like to be a professional baseball player. My position is a short stop. OK,  the next couple please. 


慶應義塾大学SFC UNI 1 Step4の風景 (前身テキストActivating College English(1994年)より

聞いている聴衆は氏名など重要情報ををテキストのメモ欄に英語で記入する。ところがこれが結構難しい。例えば、上記のChopin(US/ˈʃoʊ.pæn/)などは聞けてもスペルが分からない。肝心の発表者が分からなければ教員がすかさず助け舟を出す。筆者の場合、この機会を利用して"like" を使ったスペルを確認する方法も教えた。例えば、"Chopin"なら、'c' like 'city', 'h' like 'house', 'o' like 'office', 'p' like 'piano', 'i' like 'ice', 'n' like 'name'

別稿で指定したように、

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP (6)...Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(1回目|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

プロジェクトのクラスではコンピュータも使うがよく紙にメモを取らせた。それがTOEICやTOEFLなどのスコアにも繋がった。よって、メモを取るのに重要なこのような言い回しは練習させ身につけてもらった。

受講者が20名で10組x2分=20分掛かる。30名で30分、全員が前に出て話すには時間が足りない。1組1.5分に短縮したり臨機応変の対応が必要だ。全員が英語で発表する、1人も漏れないように配慮すること。

クラス外ワーク(=Homework)

【Step 4】で初めて会するクラスメート全員が互いに自己紹介し情報を交換した。UNIT 2では更に自分をアッピールする為に3分間で英語のスピーチをする。来週の授業UNIT 2用にじっくり考え、英語での発表内容をあらかじめ指定されたPEPの公式Web サイトにアップロードし、テキストのMoemorandums欄にも書き留めておく。趣味などの関心事が中心になるがとうとうとスピーチするのではなく、関連する物事を何らかの形で具体的に提示し、できるだけ体現できるように工夫する。写真を示すのもよし、動画を見せるのもよし、実装、実演するもよし。但し持ち時間は1人3分。

慶應義塾大学SFCの3名は合計9分を使い、英語Lyricsをラップ・リズムに合わせ踊りながらアッピールする準備をしたようだ。(前身テキストActivating College English(1994年)より

(Tip) コミュニケーションとは


PEPは筆者が長年考えてきた『Amazon.co.jp: 言語とコミュニケーションの諸相 (言語コミュニケーション論) eBook : 鈴木佑治: Kindleストア』にて問うている言語コミュニケーション論に依拠する。コミュニケーションに役立つ英語を目指すためには、そもそも、コミュニケーションとは何か?大まかな理解が無ければならない。

意思疎通と言われるが、それは一部の正のコミュニケーションで、意思疎通を敢えて阻害する負のコミュニケーションもある。コミュニケーション=言語と思い込むのも早計だ。日常のコミュニケーションにはむしろ非言語の面が多い。良きにつけ悪しきにつけ言語・非言語をうまく協働させいかに効果的に意思を伝えるかがコミュニケーションというむしろ一種のゲームだ。

詳しくは上記の拙著にあるので今回は上記UNIT 1の【クラス外ワーク】での指示事項のみに絞ろう。

体内コミュニケーションと体外コミュニケーション

コミュニケーションには、Roman JakobsonがOn Language - Roman Jakobson - Google Booksで述べた「要素」(factors)と機能(functions)は最低含まれなければならない。以下は筆者が考えた暫定的なコミュニケーションの図だ。

『言語とコミュニケーションの諸相』鈴木佑治 より

コミュニケーターAそしてコミュニケーターBとのコミュニケーション活動を想定すると、両者ともまず属する社会の心理的かつ物理的な全般的状況(societal situation)に囲まれ、かつそれぞれが個人として固有な心理的・物理的な状況(individual situation)に置かれている。

そういう中で、以下の別稿

編集editingについて(1)たかが編集?とんでもない!されど編集どころかヒトは心身ともども編集に終始。|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

で取り上げた、社会の価値観(法性=modality,建前)があり、個人的価値観(本音)があって、メッセージ(message)を作り発信者(Addresser)として発し、受信者(Addressee)として解釈する。A ,Bはそれぞれ体内(神経系ー抹消神経+中枢神経)でこうした体内コミュニケーションをする。

脳神経内で起きている活動は情報メッセージの授受活動そのもの

体内のメッセージ(maessage=情報)とそれを媒体するメディア(media)は以下の2つの図にあるように神経学で言う5感覚+言語だ。

体内メッセージの感覚的多様性言語(linguistic), 聴覚(auditory), 視覚(visual)
,  触覚(tactile),  嗅覚(olfactory), 第六感(others)のメッセージ
体内メディアの感覚的多様性linguistic), 聴覚(auditory), 視覚(visual),  触覚(tactile),  嗅覚(olfactory), 第六感(others)の神経回路メディア

言ってみれば体内伝達メディアが多様ゆえにメッセージも多様ということだ。

体外コミュニケーションにおけるメディアとメッセージの制限

発信者(Addresser)Aから受信者Bへのコミュニケーション活動を例に、
発信者Aと受信者Bの体内でのコミュニケーションを、筆者は、暫定的に第一次コミュニケーション(primary communication)とし、AからBへの体外コミュニケーション活動を二次的コミュニッケーション(secondary communication)とした。第二次コミュニケーションとはすなわち対人コミュニケーションということだ。

AからBへのコミュニケーション

体外コミュニケーション活動は人工のテクノロジー/アーチファクト(technologies & artifacts)によるところが大きい。現生人類ホモサピエンスの20万年の歴史でその長きに亘り音声言語や非言語的身体表現や絵画に大方依存し、約3,500年前になって文字が出現し書き言葉との併用され、現在では紙の印刷からデジタル・メディアによる音声、書き言葉、映像、すなわち、聴覚(audio)、視覚(visual)、そして、言語が合体した伝達媒体主流の時代になった。しかし、依然として、味覚(gustatory)、嗅覚(olfactroty)、触覚(tactile)を伝えるテクノロジーは開発されていない。

すると、何が起きるか、体内コミュニケーションにおける多感覚(神経回路)メディアによる多感覚メッセージのうち、体外コミュニケーションの伝達メディアで伝えきれないものは初めからカットされる可能性が高い。特に学校教育では書き言葉というセカンダリーコミュニケーションの最大にして最高の牽引を与えられているメディアにそぐわないものは始めからカットしてしまう。これが別稿「学校は子供の創造力を削ぐか?」大反響ケン・ロビンソン卿TEDレクチャー(前編)|鈴木佑治 N.Yuji Suzukiで指摘したように、ケン・ロビンソン卿が批判している点だ。

この制限された体外コミュニケーションにあって、いかに、体内コミュニケーションの多メディアによる多様なメッセージを人に伝えるかそこに個性、創造力が発揮される。それゆえに、より具体的に多角的に人にアッピールする方法を考える、今回は最初の【クラス外ワーク】で求めたのその点である。学生諸君が、体内コミュニケーションで創生するメッセージをどうプロ(pro-/forward/ 前方に)ジェクト(-ject/投げ出す)、合わせて、プロジェクト(人の前に投射)するか、そこに注目したい。それこそがプロジェクトでありからだ。

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(10)」に続く


(2025年11月16日記)


公式サイト:For Lifelong English 英語活動情報誌


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