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歩き続けたら、筋トレ効果のある「インターバル速歩」っぽい歩きに自然となっていた

先日、30年前の手紙を読み返す機会がありました。 中学生だった当時の自分に少し照れくささを覚えつつ、ふと、ある事実に気づきました。

──もしかして私、30年前の体重に戻って、そのままキープしている?

30年前といえば、消去法で軟式テニス部に所属し、人生でいちばん運動していた時期です。一方、今の私は筋トレもランニングもしていません。やっていることといえば、ただ歩くことだけ

それでもここ数年、体重はほぼ変わらず、筋力や体力レベルを示す指標も高い水準を保っています。

これまで10kg単位のダイエットとリバウンドを繰り返してきた私が、もうすぐ50代を迎えようとする今、最も運動していた頃の体型を保てている。

それは嬉しい反面、正直なところ少し不思議でもありました。

その疑問に答えてくれたのが、医学博士・能勢博さんが提唱する「インターバル速歩」という考え方でした。

この記事は、過去の私と同じような、こんな方に向けて書いています。

・歩くことを「本格的な運動」だと思っていない人
・「インターバル速歩」の名前は知っているけれど、試したことがない人
・筋トレやランニングを頑張っているけど、一生は無理だと感じている人

歩くだけでも身体は変わる。そんな私の実体験をお届けいたします。



世界で注目される「インターバル速歩」とは?

インターバル速歩とは、「早歩き」と「ゆっくり歩き」を3分ごとに繰り返すだけの、シンプルな運動です。特別な道具も場所もいらず、いつもの歩き方を少し工夫するだけで始められます。

実は今、このインターバル速歩が、「Japanese walking」の名で、世界的に注目を集めています。

「Japanese walking」が世界に広がった理由

発端となったのは、オーストラリアのフィットネスクリエイター、Eugene TeoさんによるTikTok投稿です。SNS上で一気に拡散され、YouTubeでは2,400万回以上再生されるなど、「Japanese walking」は世界的なトレンドとなりました。

Googleトレンドを見ると、2025年に「Japanese walking」の検索数が急増したのが見てとれます。

この動きはSNSにとどまらず、アメリカの『TIME』誌をはじめ、『The Washington Post』『Fortune』『VOGUE』など、海外の主要メディアでも相次いで取り上げられました。

科学が裏づける「続けやすさ」と「効果」

『TIME』誌では、「Japanese walking」が再注目されている背景とその科学的根拠を詳しく紹介しています。

記事によると、この歩き方は「3分間のややきつい早歩き」と「3分間のゆっくり歩き」を交互に繰り返すというシンプルな方法で、週4回・30分程度でも効果が期待できるとされています。

特に注目しているのは、続けやすさと効果の両立です。
ミシガン大学の運動生理学者ローラ・リチャードソン氏は、「運動の効果には強度が重要だが、この方法は短時間・低負担でそれを実現できる」とコメントしています。

また、信州大学の研究グループ(増木静江教授ら)による研究では、5か月間インターバル速歩を続けた中高年は、通常のウォーキングを行った人に比べて、脚の筋力向上、血圧の改善、体力全般の向上がより大きかったことが報告されています。

『TIME』誌はこうした点を踏まえ、ジムに通う必要がなく、忙しい人や運動が苦手な人でも取り入れやすい、現実的な運動法として、この歩き方を評価しています。

なぜ「1日5セット・30分・週4日以上」なのか

「早歩き」と「ゆっくり歩き」を3分ごとに繰り返し、1日5セット・合計30分を週4回以上行う。

この少し細かい条件には、研究に基づいた明確な理由があります。

研究では、体力や筋力の向上といった効果が確認されているのは、週あたり60分以上の早歩きを行った場合でした。

しかし、早歩きをずっと続けるのは現実的ではありません。そこで提案されたのが、3分で区切り、間にゆっくり歩きを挟む方法でした。

30分の中で早歩きを合計15分行い、それを週4回続ける。そうすることで、無理なく「効果が期待できる運動量」に到達できるよう設計されています。

「インターバル速歩」の詳しい考え方や研究については、能勢博さんによる以下の書籍で詳しく解説されています。


なぜ私は「インターバル速歩」っぽい歩き方になっていたのか

私自身、インターバル速歩という言葉は、以前テレビなどで目にしており、なんとなく知っていました。

効果があることも理解していましたが、時間を計りながら歩くペースを切り替えるのは少し面倒そうで、実際に試してみたことはありませんでした。

ところが、自分の生活をあらためて振り返ってみると、知らず知らずのうちに、この効果的な歩き方に近いことを実践していたことに気づきました。

運動しているのに、体脂肪が増える?

きっかけは5年前。コロナ禍で在宅勤務中心になり、家からほとんど出ない生活になったことでした。

当時の私は、フィットネスゲームでの運動を日課にしていて、運動はしっかりやっているという認識でした。厚生労働省が推奨する「1日8,000歩」という基準も知っていましたが、この運動で代用できていると思っていました。

今振り返ると、この思い込みが、ひとつの落とし穴だったのかもしれません。例えば、フィットボクシングは全身を動かす運動ではありますが、動きの中心はどうしても上半身になりがちです。

歩かない生活が続き、知らず知らずのうちに、太ももやお尻といった体の中でも特に大きな筋肉を、あまり使わなくなっていた──そんな可能性が浮かび上がってきました。

その結果、運動はしているのに、体脂肪率だけがじわじわと増えていく。

そんな中、何気なくログを見返していると、ひとつの傾向に気づきました。
よく歩いた翌日は、体脂肪率が下がっている!!!

私にとって、歩くことの重要性が確信に変わった瞬間でした。

お昼休みが「天然のトレーニング」に

歩くことを最優先に。そう決めてから、私のお昼休みの過ごし方は変わりました。

昼食は家で済ませず、あえて歩いて買いに行く。以前なら電車を使っていた距離です。最初は遠く感じた道のりでしたが、続けていくうちに、思いがけない変化が生まれました。

それは、「時間制限」と「歩き慣れ」によるペースアップです。

限られた時間の中で、なるべく早く買って戻りたい。そんな気持ちに加え、ルートに慣れて足取りがスムーズになったことで、自然と歩くスピードが上がっていきました。

最初は往復40分ほどかかっていた道のりも、気づけば30分ほどで歩けるようになっていました。

歩き方としては、インターバル速歩で求められるほどの強い負荷ではありません。それでも、歩く「量」が「質」を補う形となり、十分な効果が生まれていました。

階段も、重い荷物も、息切れしなくなった

現在、体力レベルを示す指標である最大酸素摂取量(VO₂Max)は35以上を維持し、骨格筋率も28%以上。歩いているだけだというのに、どちらも平均と比べ、高めの水準を保てるようになりました。

もちろん、日頃からトレーニングをしている人にとっては、特別な数字ではないはずです。それでも、運動習慣がなかなか身につかなかった私にとっては、日常生活を送るのが楽になる十分な変化でした。以下がその例です。

  • 駅の長い階段を上っても、息切れしなくなった

  • スーパーでたくさん食材を買い、両手にぶら下げて帰っても大丈夫

  • 家事の合間に「疲れた……」と座り込むことがなくなった

そして、最も運動していた頃の体重をキープできていることで、ずっと気になっていたお腹まわりもすっきりしました。腹筋が割れるほどではありませんが、自分でも悪くないなと思える状態です。

こうして私は、特別な努力をしている感覚もないまま、いつの間にか効果的なトレーニングを日常の中に組み込んでいたのでした。


「効果的な歩く習慣」を生活に組み込む方法

いつもの歩き方を少し工夫するだけで始められる、インターバル速歩。
最後に、この効果的な歩き方を、無理なく生活に組み込むためのプランを紹介します。

長期的に続けるには、次の3点をあらかじめ決めておくのがおすすめです。

1. いつやるかを決める
2. 何をするかを決める
3. 達成感を得る

プラン①:王道のやり方をそのまま取り入れる

もっとも確実な、インターバル速歩の提唱どおりの正攻法です。

・「3分間のややきつい早歩き」と「3分間のゆっくり歩き」を繰り返す
・上記の繰り返しを、1日30分、週4回以上行う

習慣化のコツは、毎回どうするか考えないこと。 あらかじめ曜日を決め、カレンダーなどよく使うツールに、いつ・どこを歩くかを具体的に書いておくと、迷いが減り、続けやすくなります。

また、スマートウォッチなどで、歩数や体力レベルを示す指標・最大酸素摂取量(VO₂Max)の変化を追うことで、小さな達成感を積み重ねやすくなります。

プラン②:いつもの「歩く」を少しだけ速くする

3分きっかり測るのは面倒そうと感じる方におすすめの、エッセンスだけを取り入れる方法です。

・日常の移動を「少しきつい」と感じるペースにする
・週合計で「早歩き」が60分以上になるようにする

研究によると、効果のポイントは、週あたり合計60分以上の早歩きを確保できているかにあります。

たとえば、お昼休みの買い出しをあえて少し遠くにする。そして、いつもより速く歩くことを意識する。特に時間制限のある場面では、自然とペースが上がりやすくなります。

無理に切り替えを意識しなくても、この早歩きの積み重ねが、天然のトレーニングになります。

プラン③:毎日1時間、歩く時間を確保する

私自身が、現在メインで実践している方法です。

・終業後などに、まとまった時間(1時間程度)歩く
・毎日(無理のない範囲で)

最初から早歩きという「質」を求めなくても大丈夫です。まずは歩く時間を生活の中に組み込み、定着させることを優先しましょう。

習慣になってしまえば、後から自然とペースも上がってきます。

最近の研究では、短い散歩を小まめに繰り返すよりも、1日1回ある程度まとまった時間歩く方が、身体に良いことも示されています。

こんなふうに、歩くことに関する研究を追いかけながら、歩く習慣の良さについて、今後も紹介していけたらなと思っています。

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